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感情のゆらぎの波にのり

夜空は海原 月は舟
薄目をあけたような鋭い三日月にのって
ゆらり
星々の間に舵を取る
静かな水面 禍々しい深海を隠して
ゆらり
月明かりが伝播する

f分の1ゆらぎ音の波がささやく中で
かすかな主張を受信しようとしている
きれい、だとか。素晴らしい、だとか。怖い、だとか。
闇に乗じたふりをして見逃されるのを待っている
「どこへ行っていたの」
迎える準備はとうに済んでいる
ふと、「これが寂しい、だとかいう合図なのか」と浮かんではじけ消えた
飛沫をそっと人差し指で分解し
ぬるい空気に包まれて
頬で風を切り 進む

どこかに置き忘れたものだと疑わなかったが
そんなもの はじめから存在しなかったかのように
ゆらり
夜霧のわずか一滴ほどの粒となり
ゆらり
溢れていた

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