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お雑煮問題

我が家ではお正月どんなに夜更かししても、
カウントダウンで朝方帰ってきても
前日しこたま飲み食いしても
朝の9時前には必ず立派なお雑煮がでてくる。

お父さんに朝起こされて
お正月ですよ〜という声と共に
ものすごく眠い目を擦りながら


モチ何個?と聞かれ

1個と答えると

1個はだめ、2個にしなさい。

という謎のやり取りが毎年繰り広げられていた。


実家の雑煮は
ベースがすましで、立派な車海老に
めでたいかまぼこや水菜、甘辛く炊かれた椎茸に
伊達巻が入っている。


それらが元旦だけに御目見する
輪島漆器のお椀に装われてでてくる。


このお椀は高いんよ〜と
また毎年謎の報告を母から受けるのも恒例だった。


私はとにかく雑煮が嫌いだった。


私に口に合わない。
どうしても合わない。
金輪際もう食べたくないとさえ思っていた。


結婚してそんなこんなのエピソードを抱えていたので
私は正月に雑煮を作ることをしなかったのだが、
夫がいつの頃からか
雑煮が食べたいと言い出したからさぁ大変。


まぁでも作るか。と
私は自分の思うような雑煮を作ることにした。


鶏モモと昆布をベースにしたすまし。
鶏肉は少し香ばしい感じを出したいので
最初に焦げ目をつけるくらい焼くのがよい。


そこにちょこちょこと調味料を入れ
味見の段階では
私史上最高の雑煮のだしとなった。


実家では餅を茹でて柔らかくしていたが
それも気に入らなかったので
私は焼くことにした。


こんがりと焼けたお餅に
先ほどの出汁を注ぎ入れて
ほうれん草やらで雑煮らしく飾りをした。


見た目は実家のものとはかなり劣るが
味は比べ物にならないくらい
私の口に合っている。


うん、最初から自分の口に合うようなものを
作ればよかった。と食べながら思った。


夫も優しい味で美味しいねとぺろりと平らげた。


嫌いだと思っていた雑煮だったけど
新たに私が我流の雑煮を開発したことで
我が家の定番になりつつある。


自分の好きな味で作るのが
やっぱりいいよね。

















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