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2022年印象に残った本10選

2022年は約70冊読破しました。中には、読後感がめちゃくちゃ悪い作品も何冊かあり、中には、1ヶ月したら内容を完璧に忘れてしまったものもあったり。。。
そんな書誌リストを振り返りながら、2022年にインパクトに残った本を振り返ります。

ひと(小野寺史宜)


この方の本は、特別大きな事件が起きるわけではないのですが、日常の何気ない出来事の中でいろいろな気持ちの揺れが生じていきます。そんなところも言語化できるの?」という思い(うらやましさ)を持ちました。

独ソ戦(大木毅)


戦争にはそれなりにルールがあります。そのルールを守らないと、戦時要員以外の民間人が多数犠牲になってしまうからです。そのルールが完全に無くなっちゃったのが、この「独ソ戦」。その結果、尋常じゃない死者が出てしまったのです。ここまで来ちゃうと、絵わらない、というより終わらせる方法が浮かんでこない。「もうこのへんにしておきましょうよ」とどちらからとも言えずにズルズルと。読み進むほど、ただただ「ひどい」と思う内容です。

ノースライト(横山秀夫)


ドラマにもなったお話ですので、ストーリーは知られているのではないでしょうか。
長い間、「思い」を持ち続け、いつかそれを返せないかと待ちわびていた人のお話です。謎が続くミステリーでありながら、終わりには爽やかな気持ちになれる本です。

くすぶり中年の逆襲(錦鯉)


Mー1でグランプリを取る前に発刊された本です。でもこの本はお笑いではなく、哲学的な内容です。下手なビジネス書を読むよりこの本のほうが余程私たちの「生き方」に影響が与えられると思います。

暗幕のゲルニカ(原田マハ)


実話だとばかり思っていたら、フィクションだったと言うことに驚きです。あの絵一つでここまで話が展開できる筆力に驚きです。

東京漫才(おぼん・こぼん)

ひどい仲違いを経て、今は純粋に漫才を楽しむお二人のお話。かなり昔の東京の文化などが描かれていて、ちょっとした現代史にもなっていて「へえー」と思わされるところもあります。

店長がバカすぎて(早見和真)

仕事の不満、店長に対する怒りがコミカルに描かれ、「うん、こういう人いるよねぇ」と思いながら読めました。映画化されたらいいのに、と思う内容です。キャスティング、頭に浮かびます。

一汁一菜でよいという提案(土井善晴)

料理研究家の筆者から「料理はそこまで気張らなくてもいいんだよ」という優しさが伝わってくる本です。「これなら私のようなセンスのない人間でもできるかも」と、希望のわく本でした。

主婦と演芸(清水ミチコ)

生粋の「お笑い」本。お笑いが染みついている方なのでしょうね。2ページに1箇所は「悪口」が混ざり、電車の中で読んでいたら、笑いをこらえるのに大変でした。

で、印象に残った本第一位は、

あなたの右手は蜂蜜の香り(片岡翔)

「えっ、これすか?」と思われるかもしれませんが、これです。
私には想像できなかった終わり方でした。
これ、物語として楽しむ部分だけでなく、読者にすごいテーマを与えている気もします。
もしこういう主人公があなたの近くにあらわれた時、あなたならどうしますか。ないがしろにするんですか? あなたにもこういう要素があるのかもしれませんよ。それでもないがしろにします?
そういう、人間の根幹に対する疑問を突きつけているように思ったのです。

新潮社の本が多かったですが、結果としてそうなった、ということで、私は新潮社の関係者ではありません。


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