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完結編。茅ヶ崎までApe100を買いに行った話 ②

(前編はこちら↓)

なぜ、中古のApe100は茅ヶ崎・湘南に多いのか。

Apeって、改造…じゃなくて、いじって楽しいバイク、っていうイメージが前提としてありますよね。で、茅ヶ崎・湘南といえば、漫画『湘南爆走族』や『特攻の拓(あ、横浜か)』の舞台となったエリアだし、そっち系の方々が多いイメージじゃないですか?(共に個人の偏った意見です)。

「不運(ハードラック)と踊(ダンス)っちまったんだよ…⁉︎」と鼻血を垂らして笑う、半キャップのヤンキーの傍らには絞りハンのApe100が横たわっている…とか想像するとワクワクしますね(拓ちゃんの単車はSRとかFZRですが)

しかし実際は(たぶん)関係なくて、単にこの界隈が「日本有数のバイクショップエリア」だからだと思います。前編でApe100のタマ数が少ないと書きましたが、それならなおのこと、扱う台数の多い店舗・グループでしか見つからない、とも言えます。冷静になろう。

ここ茅ヶ崎・湘南は、関東のバイク乗りならわりと知っている「○メダモータース」の一大拠点なんでした。ネット検索しているとここの系列店舗の在庫だけで何台もヒットする。この頃にはもう実車が見たくてしょうがない病になっており、週末に茅ヶ崎に行くことにしたのです。

「1stインプレッションを信じるべきなのに」と、いつも後から思う。

中古車との出会いは一期一会。
思い起こすと、自分は一番最初にコレ!と思ったものを選ぶ人生でした。バイクに限らず、一等先にピンときたものにご縁がなければ、潔く諦める。結果的に今回買ったApeも、ネット調査段階での大本命を購入しています。

しかしそこに至るまでにモソモソ出てくるのが、「石橋を叩き割る」性格。これが良いと心に決めたのに、「本当にこれで良いのか?」と自分の中で納得いく理由を探して回り道するんですよね…。非常にめんどくさいですね。

なので、2月の週末にクルマで茅ヶ崎へ本命を見に行った後に、わざわざ日を改めて杉並の某店や狛江の某ショップを見て回りました。付き合わされた人間にとっては「なんで?」でしょうけど、自分の中では儀式のようなもの。本命が理想に近いことをハッキリ認識するために、あえて「ナシ寄りのアリ」の個体を見に行ったりするわけです。性格悪いな。

先に書いたように中古車との出会いは一期一会。決心した私は、一人で電車とバスを乗り継いで(!)2時間かけて茅ヶ崎まで買いに行きました。お腹空くと判断力が鈍るので、山下清のようにバス停でおにぎりを頬張りながら。

拓ちゃんはいなかったが、ツナギの店長はいた。

○メダモータース系列の「ホン○○リー○茅ヶ崎」は、本当によくしてくださいました。Honda Ape100DX、2008年式、走行距離418km。低走行ゆえかクラッチが妙に渋いのが気になっていたけれど、メカの兄ちゃんが真摯に相談に乗ってくれて、成約前にも関わらず何度も工場に持って行って調整してくれて有り難かったです。やすいバイク買おうとしてるのに優しくしてくれてありがとね…なんて恐縮してたら、実はその兄ちゃん、店長だった(笑)。成約時も引き取り時も、とても良くしてくださいました。この場を借りて御礼申し上げます、ありがとうございました。良い買い物をするには「誰から(どこから)買うか」が7割、ですよね。



いよいよ納車日。
引き取りはライダー1人追加して2人。原付二種は高速道路は走れないので茅ヶ崎から延々と下道を走らねばならない。1人だと心が折れそうじゃないですか(しかも渋滞する国道129号線)。なので、クルマとApeで交代で乗って帰りました。久しぶりのバイクは本当に楽しかった。乗り出す前に店舗の駐車場でキックの練習をして、ちょこっと乗ったらもう楽しくて。クルッとUターンしてみせたら兄ちゃん(もとい、店長)が「ああ、全然大丈夫ですね」と。

129号線の渋滞を抜けてスピードを上げながらスピードメーターに書いてある通りのシフトにしていたら、全然回転数と合わないことが面白かったり(あっという間に5速まで上げないと正直つらい)。また、ドラムブレーキがあまり効かないことを身をもって知り、原付二種は時速60km以上出したらイカンのだし危ないから制限速度は守らんとな、などとホクホクしたり。

ブランクもあり、左手首のケガの後遺症もあり、いろいろ不安材料はあるけれど、こりゃダメそうだと思ったらやめておけばいい。仕事でバイクに乗っていた頃とは違うのだもの、無理せずゆっくりと、いま楽しめることを楽しんでおこう。 

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