七月の星々、ふりかえり|140字小説
140字小説コンテスト「月々の星々」
七月のお題は「放」でした。
放つ、放る、放置する。文字だけだとなんだか硬いのに、できあがったものはなんだか脆い? うすい? 薄氷がパキッと割れそうな? そんな仕上がりになりました。
ありがたいことにno.3が予選を通過。小手先の幻想より日々の実感か……。
ではふりかえり。
Twitterで140字小説を放流しはじめてもうじき二年になります。
だれにも届かなくてもいい、でもだれかに届いてくれたらいい。針のない釣り糸を垂らすようにのんびりとはじめた創作活動はいまや日々のかけがえのない癒しになっています。
でもきっと生活環境が変わればまた書かなくなったりするんだ。そして何年かしてまた息継ぎみたいにはじめたりするんだ。私にとってはそういうものです。
ずぅっと覚えている光景があります。高校生の頃、学校の渡り廊下から見た夕陽。たしか美術室のごみ箱を運んでいて、一人きりで見たありふれた夕陽。なんで特別なのかわからないまま忘れられない。完璧に美しかったんですよね。だれとも共有できないんですけど。
私は一人でのんびりすることが好きですが、決して誰とも関わらずにただ独りぼっちでいたいわけではありません。ただ、しずかにしていたいときに、しずかにしている自分のことを尊重してほしいな、と望みます。
同じ部屋でくつろぎながらそれぞれに好きなことをしている、くらいの距離感が心地良い。
書き始めたときから結末がかなり変化した作品。最初はもっとセンチメンタルな感じでした。いつものごとく。
でもなんか、廃墟やらに感じるノスタルジーとか人間の身勝手な感傷だよなという気がしてこんな終わり方に。
自分の書いたもの大好きマンなので時々昔の作品を読み返すのですが、もうこれ今は書けないな……というか本当に私が書いたの? と思うことが多々あります。感動していたものに心ふるえなくなったり、関心の薄かったことに涙するようになったり。今書いているこの文章も、三年後くらいに読み返したら「だれこれ?」ってなると思います。
以上、ふりかえりでした。
皆さまの素晴らしき星々作品はこちらから!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?