323工房

動物と歴史(古代)が好きな、雑貨好き。考古学者になりたかったけど、気がついたらものづく…

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動物と歴史(古代)が好きな、雑貨好き。考古学者になりたかったけど、気がついたらものづくりの道へ。「 #旅のおみやげ 」をイメージした、手のひらサイズのランプ🪔や小物を #3Dプリンター で作っています 。

マガジン

  • 3Dプリンター導入/トラブル対応tips/機器レビュー

    3Dプリンターを使ってみたいけど、どうしたらよいかわからない……といった人向けの記事や、 買おうと思って&使い始めてみたときに参照していただけそうな記事を集めてみました。

  • ティアマトの11の怪物

    【 #ティアマトの11の怪物 】記事のまとめマガジンです。

  • 【souvenir / 旅のおみやげ】シリーズ:パリ

    「souvenir」、 旅のお土産。 南極からやってきたペンギンが、世界を旅して、旅先からのお土産をあなたのもとへお届けします。

  • 3Dプリントアイテム紹介

  • 3Dプリンタ用3Dモデリング

    3Dプリンタ用にどういうモデリングをしたほうが良いのか、といった内容の記事を中心にまとめています。

最近の記事

  • 固定された記事

ものづくりの側面から見る3Dプリンタ

こんにちは。323工房の、ものづくりびとの方です。 自己紹介でも書いた通り、当工房は、ものづくり畑の出の人間とCG・CAD畑の人間が2人でやっています。 この組み合わせは、3Dプリンタというものを始めるにあたっては結構有効だったのかな、というのが私たちの感触です。 3Dプリンタ。 たぶん、多くの人のイメージでは、 日頃からフィギュア作りなどをやっていて、新たな表現手段としてCGを取り入れたい、という人や…… CADを既に使っていて、これまでは自分でやるのは設計までだった

    • Sonnar T*単焦点レンズ撮り比べ(55mm/f1.8と35mm/f2.8)

      前の記事↓の続きです。 ズームレンズと単焦点の撮り比べをしていたら、なんだかもう一度自分が本当に欲しい画角とは……?ということを確かめたくなり、 今一度初心に帰ってみることにしました。 今回の旅行で撮りたいのは夜の街。 単焦点レンズを2つ持って、夜の散歩に出かけてきました。 → Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA → Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA 撮り比べ夜の公園事務所 銅像 ジャングルジム 学校 印象面白いな、と思った

      • ズームレンズ(TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD)と単焦点レンズ(Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA)撮り比べ

        旅に出るので新しいレンズがほしい。 そう思うものの、ものすごく迷っています。 現在の機材カメラはSony α7(無印)を使っています。 普段室内で小物などを撮るときにはSIGMAのマクロレンズを使っているのですが、それは置いておき、 これまで外歩きの際にメインで使っていたレンズはこちら。 なんの不満もないレンズです。軽くて薄い! ちょっと暗くてもバッチリ写してくれます。 → Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA 一方、もう一本、こちらはマウントが異なるた

        • ティアマト再び(3)

          このシリーズも最後の記事となります。 ティアマトの真の姿はどのようなものだったのか? 過去の2回の記事では蛇やドラゴンでも人の姿をした女神も違いそうだということになりました。 そのうえで、半人半獣ないし動物かその混合体のようなものではないかと書いていますが、ではなんの動物が一番ありえそうなのか? これに関しては全く当てがないわけではなく、実はWiggermann氏によると2つの動物が候補に挙がります。 それは鹿ないし山羊といった初期の家畜となったであろう角を持った草食動物

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          6本
        • ティアマトの11の怪物
          15本
          ¥1,200
        • 【souvenir / 旅のおみやげ】シリーズ:パリ
          4本
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          4本

        記事

          ティアマト再び(2)

          前回に引き続き、今回はティアマトの形態として女神を取るパターンについて考察していきます。 これはドラゴン形態のティアマトに続きて人気のあるもので、作品にもよりますが原初の女神ということで圧倒的な美女として描かれ、メソポタミアの意匠を取り入れたデザインにされることが多いと思われます。 このメソポタミア的衣装というのはメソポタミア地方のシュメール文明で見つかっている各女性を模した像を基にすることが多いように思われます。 特にティアマト神の基になったと思われる水の女神ナンムの

          ティアマト再び(2)

          ムシュフシュ:原初の竜(辰年にちなんで)

          明けましておめでとうございます。 本年は辰年ということで、毎年恒例の干支のフィギュアは古代オリエントの伝説の竜(蛇?)、ムシュフシュをモチーフに作成いたしましたが、例年以上に評判がよくたくさんの方にご用命いただき、新年早々から嬉しい限りです。 サムネイルの着色版はギャラリーピカレスクにて展示、白と青の二色版はCreema等で販売中です。 せっかくなのでこちらでもムシュフシュとは何なのか?ということをもう少し深堀したいと思います。 以前にもティアマトの11の怪物の一つとし

          ムシュフシュ:原初の竜(辰年にちなんで)

          ティアマト再び(1)

          "ティアマト"  一般的になんとなくでもその名を聞いたことはあると思います。 ある人は女神の姿を思い浮かべ、ある人は複数の首を持つドラゴンの姿を思い浮かべ、またある人(特に競馬好き)は馬だったりするかもしれません。 以前、"ティアマトの11の怪物"としてメソポタミア神話に登場するティアマトと11の怪物の姿を考察しました。 その中ではティアマトを女神の姿として描写しましたが、更なる文献に当たる中でもう少し深堀できるとわかり、追加の記事を書いてみます。 先ほど挙げた ・女神

          ティアマト再び(1)

          おばあさん仮説:人類は親が子育てをしない動物?

          オペレータJです。今日はJが昔大学で学んでいた人類学についてのお話です。 少子化の話題はいつも尽きない今日この頃。 よく「生物的には」とか「人間の本質的には」みたいな理論で若い人が結婚するとか男女分業制といった伝統的な形態でないと少子化は解消できないみたいな論調は多いかと思います。 しかし、本当の意味で人という生物は若い人が結婚して子供を育てて、男性が仕事に女性が家事にという形態だったのかというとそれは違いそうだというお話です。 この「生きものとしての人」が本来の習性

          おばあさん仮説:人類は親が子育てをしない動物?

          【漫画】ゴン(GON)全巻揃えたのでレビュー

           オペレーターJの好きな、というか人生に大きな影響を受けた一つに「ゴン(GON)」という漫画があります。  ゴン+漫画で検索するとハンターハンター(これも好きな漫画ではありますが…)の主人公が引っかかってしまったりするのですが全く別物で、田中政志さんの描かれた「タイトル以外文字が一切ない動物達の漫画」です。  恐竜(のような生きもの)のゴンを中心に大自然とそこに暮らす動物たちの野性味溢れる一話完結式(一部の話は繋がっているようにも見えますが)のお話が展開されます。  ゴンは

          【漫画】ゴン(GON)全巻揃えたのでレビュー

          【 ティアマトの11の怪物 】終わりに【16】

          後書き ここまで読んでいただいた方は本当にお疲れさまでした。  とにかくぼんやりとした話が続くので、なかなかに辛い部分もあったとは思いますが、少しでも創作や興味の手助けになれば幸いです。  最期に解説を作りながら思ったことなどをつらつら書いていきたいと思います。 多神教の夢の跡 オリエントの神にしても怪物にしても、可能な限りイメージしやすいようにその元となる文献から再現を試みてみました。  しかし、それでも非常にぼんやりした説明と、イメージにしてもぼんやり感が残ってしまった

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          【 ティアマトの11の怪物 】終わりに【16】

          【 ティアマトの11の怪物 】ティアマトに関連する神々達【15】

           ティアマトに続けて、それ以外の神々、特に敵対した側の神であるマルドゥクと息子であり再婚した夫であり怪物達の指揮官であるキング、殺された夫であるアプス―、知恵の神エアを中心に書いていきたいと思います。 マルドゥク ティアマトと敵対した神々の代表・主(ベール)として、また勝利の暁には最高神としての立場を与えられると約束され戦うことになる神です。  マルドゥクはティアマトの夫アプス―が殺された際に建てられた聖所において、父エアと母ダムキナより生まれたとされます。  エヌマ・エリ

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          【 ティアマトの11の怪物 】ティアマトに関連する神々達【…

          【 ティアマトの11の怪物 】ティアマト:真の姿を葬られた女神【14】

           さて、とうとうティアマトの怪物達の解説も終わったので、ティアマト本人に関する解説です。  冒頭でも書いたように、ファンタジー創作物では大人気のモチーフで、名前を見ない方が珍しいというぐらいではあります。  ただ、そうはいってもティアマトそのものにフォーカスを充てた作品というのも未だに少ないので、せっかくなのでここで詳しく見てみましょう。  ティアマト自体はエヌマ・エリシュ以外ではほとんど登場せず、実は絵として残っているものは一つもありません。なので、ティアマトは完全にエヌ

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          【 ティアマトの11の怪物 】ティアマト:真の姿を葬られた…

          【 ティアマトの11の怪物 】その他の怪物:エヌマ・エリシュから除かれた怪物達【13】

           エヌマ・エリシュでははっきりとティアマトが生んだ怪物は11であると記載されています。  そして、一応文脈的問題はありつつも、書かれている怪物名は11であり、それに対比できる考古学的証拠もあります。  しかし、Wiggermann教授によりますと、この11の怪物以外にも候補にあがって絵も作られているのに入らなかった怪物達がいるということです。  エヌマ・エリシュは編集され続けるものだったということなので、もしかしたら歴史の流れ次第で採用されたかもしれなかった怪物達をここで簡単

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          【 ティアマトの11の怪物 】その他の怪物:エヌマ・エリシ…

          【 #ティアマトの11の怪物 】クサリク:不思議な野牛【12】

           ティアマトの11の怪物も最後の一つとなりました。  このクサリクは不思議な野牛/雄牛と呼ばれるもので、たくさんの図が残されています。  元々アッカド時代かそれ以前から猛牛バイソンを崇める文化というのが存在しており、クサリクはその象徴であったようです。  元々は通常の猛牛であったのが、時代を経るに従い人間の顔をした猛牛として描かれ、更に太陽の神と関連して描かれています。猛牛の体は山の尾根を象徴し、太陽はそこから登るものと思われていたからです。  更に羽を付けるか、腕が人間と

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          【 #ティアマトの11の怪物 】クサリク:不思議な野牛【12…

          【 #ティアマトの11の怪物 】クルール:魚人間【11】

           ティアマトの11の怪物も残りはあと2つ。竜・蛇>海の魔物>獣人・サソリ人間と来て、魚人間もしくは魚ケンタウロスと呼ばれる怪物が出てきます。  もっと有体に「男の人魚」と呼んでしまっても良いかもしれません。  魚人の意匠は割と古代オリエントの世界では人気で、バリエーションも豊かです。  上半身が人間というのが一番なじみ深いですが、顔だけが人間であったり、人間体の部分が他の動物であったりする場合があります。  この半身が魚で更に半身が羊といった別の動物の怪物もSuhurmàs

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          【 #ティアマトの11の怪物 】クルール:魚人間【11】

          【 #ティアマトの11の怪物 】ウーム―・ダブルートゥ:嵐の魔物【10】

            ウームー・ダブルートゥに関しては正直残っているものがほとんどありません。図もなければ物語もない。だけど、ティアマトの11の怪物の中に名前だけが書かれている。そんな一番困った怪物です。  それでもある程度この怪物について想定することが可能です。  まず、ウームー・ダブルートゥはエヌマ・エリシュにおいて、ウガルルムと同じ時期に加えられたという事が分かっています。  そして、ウームー・ダブルートゥはその語源から嵐を表す魔物だということがわかっており、ウガルルムとは同質か対にな

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          【 #ティアマトの11の怪物 】ウーム―・ダブルートゥ:嵐…