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イギリスでテロに巻き込まれる?(元教授、大阪駅でヨーロッパの鉄道旅を思い出す。その10)定年退職34日目

5年ほど前、イギリスのイングランド北部のダラムという町で、約1週間の国際学会が開催されました。幸いなことに月曜日からのスタートだったので、少し早めに渡英して、学会前の週末をゆっくり過ごすことにしました(夜は原稿書きに追われていましたが・・・)。その週末の予定として、ある先生から「ナローボートというイギリス独特のボートがあり、それで運河ネットワークを巡ると良いよ。イギリスを感じられるよ」とアドバイスを受け、5時間ほどのクルーズに行くことにしました(本当は、数日かけてボートに宿泊しながら巡るのが良いらしいですが、さすがに時間がありませんでした)。


渡英は初めての機会でした。金曜日の午後にヒースロー空港に到着し(下写真)、まず荷物を預けました(下写真)。その後、事前に購入していた周遊券(BritRail England Pass)を使って、列車でクルーズの出発地ストラトフォード・アポン・エイヴォンという町(シェークスピアの生誕地でも有名)へ向かうことにしました。ロンドンのマリルボーンという駅から直通ルートはなかったものの、その隣町まで行ける列車を見つけました。

ヒースロー空港着
空港で荷物を預ける


しかし、マリルボーン駅に着くと駅は混雑しており(下写真)、いつまで待ってもその列車は来ません。というか、どの番線の列車も出発すらしませんし、どんどんホームは大混乱になってきました。係員を見つけて聞きますと、近くで「火事」があってしばらくは動けないとのことでした。そして、どうしても行きたければ、近くの駅まで歩いて行き大きく遠回りのルートを選ぶか、我慢してぎりぎりまでここで待つか、どちらかを選べというのです。近くの駅と言ってもそれなりに距離があったので、私はマリルボーンで待つことにしました。

マリルボーン駅の混雑

幸運なことに1,2時間ほど(くらいだったと思う)経ったところで放送があり、列車が動き出しそうとのことで、私は走り、飛び乗りました。これで隣町からの最終電車でストラトフォード・アポン・エイヴォンに到着するはずです。ようやくホッとして、車内でイギリスで初めての紅茶を飲みました(下写真)。

イギリスで初めての紅茶を頼む


〝 ちなみに、この話を大阪にいる奥様に夜に電話したところ、日本のテレビでは「ロンドンでテロがあり、列車が動かなくなった」と報道されているとのことで、大丈夫だったの?と驚いていました。現地では全く情報がなかったのですが、日本ではニュースになっていたようです(確かに、当時、ヨーロッパ各地でテロが頻発しているというニュースは聞いていました)。係員が火事だと言っていたのは、これだったんですね!! 知らないということは怖いです。でも大事にならずに良かったです。”


そして隣町の駅まで着いてみると、今度は、

「今日ストラトフォード・アポン・エイヴォン駅に向かう最終列車は、キャンセルになった」

と駅員さんにあっさり言われました。どうしたら良いのか(怒)と優しく詰め寄ったところ、タクシーを無償で出すとのこと(本当? 大丈夫か?)で折り合いがつき、無事ホテルに夜半に到着することができました。


いろいろ、大変な1日でした。でも、翌日は待ちに待ったナローボートのクルーズ!! 大阪に電話連絡の後、すぐにベッドに潜り込みました。楽しかったクルーズのお話は、また明日に・・・


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