お爺さんと孫
僕は区営の公民館の自習スペースで会計の勉強をしている。
自習スペースにはいくつか大きめのテーブルが設置されている。
学生や資格勉強で勉学に励む人がたくさんいる。
そして一番奥の席にはいつも決まって、お爺さんがいる。
本をスタンドに立て、何やらノートに書き込んでいる。
いくつになっても勉強だなぁ、と思い知らされながら僕も勉強に励む。
ある日、お爺さんはお孫さんを連れ
共に勉強をしていた。
お孫さんは
「勉強の内容が覚えられない」
という悩みを打ち明けていた。
するとお爺さんは
「私はいつも3回繰り返して全ての物事を覚えてきた」
と話していた。
お孫さんは言葉が出ず、そのまま黙って机に向かい勉強を続けた。
僕はそれを聞いた瞬間何か引っかかった。
3回、、3回、、
ああ、なるほど
ここ4階なんだわ。
お孫さんはしばらくして
「この単語帳のこのページの英単語を3回書いた」
と話した。
すると
「3回書くのではなく単語帳を3周するまでやり込まないと」
とお爺さんは言った。
僕はまた引っかかった。
。。。
なるほど
それは誤解だったな。
完
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?