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BCよりアナトリア時代の「鋼」

ダマスカス鋼の性質
 
画像 ダマスカス鋼ブレード - Noblie - ナイフ店


Noblie



ダマスカス鋼の資料、といっても自分のパソコン内に貯めてある資料でした。その資料がどこに隠れているのか、探すのに「神経衰弱」ゲームをやらされる。殆どコピー記事だから、似たような文書だと、数秒読んでから、これとあれは違う、と判断しないといけない。だから同じことを二度三度しても、それに気付くのに時間がかかってしまい、やがて疲労困憊でやめてしまう。その繰り返しだった。

ま~あ、いつものやり方も、日によって旨くいかなときもある。鉄も同じで、放っておくと自慢の名刀も真っ赤に錆びついてがっかりすることもしばしば。

話しは「わびさび」茶、が嵩じて、その文化的カルチャーに耽溺してしまった秀吉様と利休の逸話を、拾って書いてみたが、そろそろ、これをもって最終稿にしましょう。

私の場合、「茶杓」とおなじように、鉄にも興味があって、3年前ころ、一心不乱に鉄をピカピカに磨いて眺めてウットリしたのですが、そのまま放置していたら、納屋のなかで、すっかり変身してがっかりしたものです。

それで、いろいろ処方を試みましたが、錆との闘いに負けてしまって、再起不能まで行きました。それほど鉄は厄介な代物だと知ったのでした。(鉄に異常に燃えるのは男だけ)

ですからこの文は、その頃書いたものの復刻です。今でも「鉄のヒッタイト」と云われるように歴史的世界制覇には鉄は欠かせない武器だったのです。

総ての物質は電子で動く

 アナログ筆記だと、冒頭の一行ですぐ判断できるが、まったく同じ活字がずらり並ぶと見定めがつかない。それはたまさか、ワード文字についてだが、デジタル全般では、往々にしてそのようなことが起こっているのでは、と感じる。

 電気が線の中を流れることを電流というが、それは物理世界、はたまたナノ世界の量子の世界だ。その中で励起という現象が起きている。

「励起 excitation」、量子力学において,原子や分子などの粒子があるエネルギーをもった定常状態に外部からエネルギーを与えて,より高いエネルギーをもつ定常状態に移すことをいう。
 簡単にいうと、プラスとマイナスの極を巡回する電気、その流れを使ってモーターその他を駆動しているが、実際、それを目視できない。それをビジュアルに図解した本など見ると、丸印の電子が一定方向に向かって移動している図がある。それが電流だと説明するが、移動しているスピードが速いのと、それを肉眼で捉えられないため移動していることが認知できない。また、まったく同じ粒の電子が大量に移動している様子を計測するのに、これはどの方向に流れているのか、という判断も出来ない。そうした物理現象を励起としての運動量を測定しているか、そこに電子が動いているのか電子導体が変化しているのかが、よくよく判らない。モノは相対的に在る、という理論からすると、電子を自分とするか、配線の「線」を自分とするかでは立場がまるで違う。
 極端な例を挙げれば、地球が太陽の周りを廻るのか、太陽が地球の周りを廻るのか、という地動天動説だ。どちらも正しい、だから古代ギリシア時代では、天が地球のために廻っている、という理論では反論はなかった。また神という偉大な宇宙神を入れることで、話の辻褄あわせをしていた。
 
 話を電子に戻すと、相対的立場では、ある任意点をきめて、そこからどの方向に電子が流れているか、という決めをすれば簡単だ。地動説でいく、と決めればいい。
 パソコン画面で、同じデータが画面上一杯に並び、どれを見てもまったく同一の中から、ある違いを探すため(バクなどこれにあたる)上から下へカーソル・マウスを操作すると、スピードによっては、まったく移動していないように見える。まさにこれが励起である。

 話しが長くなってしまったが、この「励起現象」が身の周りのいたるところで起こっているのでは、と最近思うようなった。
 じゃ、具体的にそれが何んであるのか説明しろー、といわれると困るが、敢えてエーテル理論で代替してみよう。
 宇宙のあらゆるところにエーテルという物質が存在し、それがすべての現象を動かしている、という説だが実験の再現ができないという結果、否定された。それは「スタップ細胞」と同じ運命の足跡だったが、後に立証されるというのがこの物理科学の世界だ。自分流に考えると、このエーテル論は非常に魅力的だと、今でも思う。 
喩えるなら///?・・・、
 この地球上の人間人口数
 2013年 72億人
 2011年 70億人
 1998年 60億人
 1987年 50億人
 1974年 40億人 
 1961年 30億人
 1927年 20億人
 1802年 10億人、 
 21世紀90億人と推定されている。(ウィキペディア)
 
 これらが一様に、また同時にコミニュケーションを取れる訳ではない。いくらインターネットのグローバル時代といえども、地球と太陽が銀河内を回転している以上、1日24時間というスパンは、これから先の未来も普遍だ。

 ではその中で、自分という個人が生きている世界とは、制度上の国であり、それ以外の超ローカルな民俗僻地でも小規模村社会があって集団で生きている。ここでは一般的な先進的生活をしている人の話だ。
 家には家族がいて夫婦と子供、世代が異なれば祖父世代、孫世代が住む。これが最低限の社会だ。すく隣に家があれば同じユニットで家族が住む。それが集合し村、町、市となって最大、国家を形成する。
 とくに日本やイギリスの場合は大きな島国となっている。地理的に国の国境がはっきりして廻りが海という地形は、外敵侵入の危険度が極端に低い。その中での生活といえば、言語が一つで済む(北限南限の問題は入れない)。
 いま世界は貧富格差問題で戦争が止まない。その争点は宗教問題と評されるが、話を詰めていくと最終的には生きる糧の「食と金」に尽きる。
 その中で、小社会を組織するには、やはり同一の言語であり民族固有の価値観である。アラブ世界の砂漠でもアメリカハリウッドの砂漠でも、住むスタイルは異なるが、同じ価値観をもっているなら、そこに生きていられる。

 家にはペットもいてテレビもある。必要であれば車も乗る。遠路なら電車、さらに飛行機ものる。しかし、ほとんどの場合、再び家に戻って自分のスタイルを維持する。自分のスタイルとは、お気に入りの食であり、お好みのテレビ、また音楽であり、それは総合的な価値観ということである。
 この生活ライフスタイルは、世界中の人間の一つの規格といってもいい。いや、押し付けのものではなく、最低限それをしないと生きていけないというスタイルだ。
 これは誰が決めたのか。
 人間有史以来、人が死ぬような危機があれば、それを救い助けるという使命感を持っていた。またその正反対の殺合い戦争もあるが、それもある価値観を、他に押し付けようとする結果からきている。いわゆる度合いの問題だ。

 個人が生きていくには最低人数があれば相応に生きられるが、極端にそれが増えると多くのストレス症状が生まれ始める。そのボーダーラインが幾つなのか誰も知らない。
 その許容数が決定されない状態の中で72億数という個が、ゼロ列また一列に整列している姿を宇宙に飛ばした観測衛星から高感度カメラで俯瞰すると、人間世界が覗く顕微鏡の量子ナノ世界と、まったく違わぬように見える、そう思えてしょうがない。
 どこを見ても同じ、上も下も斜めも見境がつかない。よくよく観察すると、飼っているペットが犬やネコというのは認識できる。しかし微妙に眼の色、尻尾の長さ、足の角度が違う。違うけれども生きていられる。庭に置いてある車のスタイルも同じだ。車輪が4つでハンドルが付いている。座席が4つでライトもあるが車体の色が違う。エンブレムの付いている場所は同じだが、これまた微妙に違っている。違っているがキーを廻してエンジンを始動し走る、というアクションはまったく同一だ。
 この細部では微妙に異なるが全体としては同じに見えるというギリシア時代以来の経験的観測状況と、いまはじめてやろうとしているナノ世界との差異は、果たしてあるのだろうか。
 それが「励起」のような振る舞いであり、またエーテル媒体がどこかに潜んでいて、それらを決定付けている、という理論展開をしたら一笑に伏される~か。(△エーテル・ホイヘンスは下記参照)

ダマスカス鋼の神秘

 ダマスカス鋼(別名ウーツ鋼)は古代インドで作られていた鋼材です。
インドでは古くから製鋼が優秀で、紀元前より優れた鋼を生産していました。特に現存する「デリーの柱:Delhi's Iron Pillar」(上写真中心部の黒い柱)が1600年以上たった現代でも錆びていないことから、この柱に使われたダマスカス鋼は非常に優れた鉄鋼材として有名です 。(この画像とは無関係)
ダマスカス鋼はその強靱さ、錆びにくさ、表面に浮かぶ優美な波紋から神秘性をもち、また製法は一子相伝で現代に伝えられておらず、いまだ謎に包まれています。近世ではダマスカス鋼は刃物用材として珍重され、切れ味のよさから十字軍の時代には王家の家宝として伝えられ、ステイタスの象徴として名声を得ていました。特にこのダマスカス鋼の製法を研究する中で現代のステンレス鋼が開発された経緯もあり、人類の鋼の歴史のなかで重要な意味を持つ鋼材でもあります。

 本来のダマスカス鋼は、溶解させた鋳鉄を坩堝の中でゆっくり凝固する際に、内部結晶作用により融点の違う鋼が別々に結晶化したことにより模様が発生した鍛鉄ですが、現代のダマスカス鋼は一般的に鋼と鍛鉄などの異種金属を鍛練し人工的に模様を生み出した材料の総称として知られています。この模様は特に炭素濃度や、鋼材の硬度の違いから発生するもので、模様の出し方にも様々な方法があります。

 特にこの異種金属を鍛練する中で、金属組織が均一化され不純物が減少することにより、非常に精度の高い刀身が出来ることから、現代でも刃物用材料としては粉末冶金法にならび最高峰とされています。
日本においても古来より異種金属の鍛練について研究されており、日本刀の鍛練などでも同様の製法を見ることが出来ます。特に日本ではこの鍛練について世界でもまれに見る技術を誇り、日本刀の切れ味について世界でも非常に評価が高いことはいうまでもありません。藤寅工業株式会社では、古くから割込庖丁をはじめ異種金属の鍛練による素材の独自の研究を行っており、ダマスカス鋼と割込材の良さを融合したニッケルダマスカス鋼、および霞流し鋼(輸出名:DPダマスカス鋼)を使用した優れた庖丁を製造しております。この2種の材料は、従来のダマスカス鋼の欠点でもあった、刀先の硬度の違いによる偏摩耗を克服した材料で、刀身の心材に切れ味に非常に優れるコバルト合金鋼や超硬質合金鋼を採用しており、優れた切れ味と精度の高い刀身の両立を高次元で実現しています。

DPダマスカス鋼の波紋
 ダマスカスの波紋は神秘性とともに、切れる刃物の代名詞として非常に認知されています。
さて、それではこの波紋はどうしてできるのでしょうか。本来のダマスカス鋼の波紋は、坩堝の中でゆっくり凝固する際に、内部結晶作用により融点の違う鋼が別々に結晶化したことにより発生した模様です。
しかし、現在にはこの製法は伝えられておらず、現代のダマスカス模様は異種金属を多層に重ね合わせることで、この模様を形作っています。

 この多層に重ね合わせ、素材を鍛えることは、日本刀の技術で知られるように、非常に優れた刀身を生み出します。これは多層の素材を圧延し鍛える過程で、素材の組織が緻密に、かつ均一になっていくためで、単層構造の素材に比べ硬度が出て、刀身の狂いも無くなります。藤寅工業株式会社で使用しているニッケルダマスカス鋼は、ニッケルの配合率を変えた2種類の鋼材、DP霞流し鋼(輸出名:DPダマスカス鋼)はカーボン量の異なる2種類の鋼材をそれぞれ互い違いに重ね合わせます。このままでは層の断面が平行に出てくるだけになりますが、刀身への加工時に再度ハンマーで叩き鍛えることで、あの独特の木の年輪のような波紋が発生するのです。

 しかし、この波紋自体には特に色は付いていないため、そのままでははっきりと認識することはできません。そこで、藤寅工業株式会社ではこの刀身にショットブラスト加工(非常に細かい砂やガラスビーズを高圧で吹きつける加工法)を施し、模様を浮き出させています。これにより硬度の違いが模様となって浮き出てきます。
また、模様を浮き出させる方法としては、ある温度に熱した酸につけることにより、腐食の度合いの違いで模様を浮き出させる方法もあります。ただし、この方法はこの酸の温度によって仕上がりに非常にムラが出るため、藤寅工業株式会社では現在行っておりません。(※引用サイト藤寅工業株式会社)



インド シリア ダマスカス 
ダマスカス鋼の製法
製法はまず、鉄鉱石に木炭や生の木の葉をるつぼに入れ、炉で溶かした後にるつぼを割ると、ウーツ鋼のインゴットを得る。次に、ウーツ鋼からナイフを鍛造する。

ダマスカス刀剣の特徴となるダマスク模様として炭素鋼の粒子が層状に配列するためには鋼材に不純物として特にバナジウムが必要であったとされる。このことから、ウーツ鋼とダマスカス刀剣の生産が近代まで持続しなかった原因をインドに産したバナジウムを含む鉄鉱石の枯渇に帰する推測を行っている。

また本研究ではこの模様の再現についても検討を行っている。鍛造中のナイフ表面に縦に浅く彫り込みを入れた後に鍛造を行うことで、彫り込みの形状に沿った模様が生じた。直線状に彫り込んだ場合ははしご模様 (ladder pattern)、丸く彫り込んだ場合はバラ模様 (rose pattern) が生じる様が報告されている。 類似する模様出しの方法として、鋼ではないが日本伝統工芸の「木目金」(もくめがね)がある。
インド
ウーツ鋼とも呼ばれる高炭素鋼材、インドの一部地域に由来する鉄鉱石を原料とする。ウーツとは地名ではなくサンスクリット語で「硬い」あるいは「ダイヤモンド」の意。その特殊な不純物の組成から、るつぼ内で精錬されたインゴット内にカーバイド(Fe3C)の層構造を形成し、これを鍛造加工することにより表面に複雑な縞模様が顕れる。

刀剣用の高品質の鋼材として珍重された。その後の学術的な研究により、ほぼ完全な再現に成功していたと思われていたが、ドイツのドレスデン工科大学のペーター・パウフラー博士を中心とする研究グループによる調査で、ダマスカス鋼からカーボンナノチューブ構造が発見されたことで、現代のダマスカス鋼の再現は完全でないことが判明した。

異種の鋼材を積層鍛造して、ウーツ鋼を鍛造したときに現れるものとよく似た縞模様を表面に浮かび上がらせた鋼材。
安来鋼などと混ぜ合わせることにより現在は主に高級ナイフ用に用いられる。模様の映えを優先させる場合、炭素鋼と併せてニッケルが用いられることが多い。
鋼材をモザイク状に組み合わせ、折り返し鍛造を行わないことによって任意の模様を浮かび上がらせることも可能である。また、鋼製のチェーンやワイヤーを鍛造することで製作するチェーンダマスカスやワイヤーダマスカスといった鋼材も知られる。
ウーツ鋼、積層鍛造鋼のどちらの場合でも、表面を酸で腐食させ、腐食度によって現れる凹凸や色の濃淡で模様を際立たせることが多い。ウィキペディア

ダマスカス鋼の対極、「たたら」

たたら、とは http://www.hitachi-metals.co.jp/tatara/nnp0108.htm

玉鋼(たまはがね)と日本刀
玉鋼は炭素量1~1.5%の鋼で、刃物に最も適する化学組成をもっています。また、左下鉄は約0.7%の炭素量、包丁鉄は0.1~0.3%の炭素量で展延性に富んだ組成をもっています。いずれも、その他の不純物元素の含有量が極めて低く、鉄鋼材料として極めて純粋な素材と言えます。
ただし、現在の鋼と比較した場合、酸素(O)を多く含む特徴があります。そのため、鋼中に含まれる鉄滓分(非金属介在物)は酸化物系介在物が多くなります。
ところが、この酸化物系介在物は、一般の鋼の介在物と比較すると非常に軟らかく、伸び易い性質があり、折り返し鍛錬によって微細に分散して無害化というよりも、かえって日本刀を粘り強くしたり、微妙に綺麗な肌模様を形成したり、砥ぎ性を高める性質を付与します。
つまり、一般の鋼の非金属介在物は悪玉ですが、和鋼に多く散在する非金属介在物は、折り返し鍛錬によって地質を生きかえらす善玉の介在物なのです。その意味では、和鋼は現在の鋼に比べて、極めて純粋な地質を備えていると言えるでしょう。

参照 刀剣 実休光忠 じっきゅうみつただ
ゲーム「刀剣乱舞」に登場する刀剣男士。→実休光忠(刀剣乱舞)
鎌倉時代中期に活躍した長船派の祖とされる刀工・光忠作による日本刀。
ピクシブ百科事


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