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『哀れなるものたち』感想

『哀れなるものたち』を観に行った。

簡単なあらすじは以下の通りだ。
若き女性ベラは天才外科医によって甦り、未知なる世界を発見すべく大陸横断の冒険に挑む。時代の偏見を振り切り、平等と解放を知ったベラは、素晴らしい成長を遂げていく。

今度のオスカーで驚きの11部門にノミネートされている注目すべき作品だ。

主役であるエマ・ストーンの驚くべき演技は本当に印象的だった。彼女が演じるベラは最初は与えられた体を上手に操れず、錆びついた機械人形のようなぎこちない動き、内面もまたモラルもルールもない状況から始まる。しかしそれが冒険に飛び出した後は徐々に成長し、最終的には自立した大人の女性に変貌するまでの過程を見事に演じ切った。特に、彼女の表情や仕草がその変化を如実に表現していて、こちらを引き込む力強いパフォーマンスだった。

ベラを冒険に連れ出す放蕩者マーク・ラファロも素晴らしい仕事をしていた。以前はハルクのバナー博士として誠実・実直・穏和なイメージがあったが、今回の作品では自己中心的で卑しい役柄を演じ、そのギャップに驚かされた。
彼の新たな一面は、私にとって新しい発見となり、彼の演技力の深さを感じさせた。

映画のサウンドトラックも見逃せない要素だ。愛らしい音色が静かに流れ、それがどこか歪んだ音と絡み合い、整った外見とは裏腹に読めない行動をする主人公ベラの不思議で奇妙な雰囲気を効果的に演出していた。音楽が物語に深みを与え、感情移入を促進する一助となっていた。


『哀れなるものたち』は本当に良い映画だった。エマ・ストーンの感動的な演技やマーク・ラファロの新しい一面、そして心に響く美しいサウンドトラックが深い感動と驚きをもたらしてくれた。
この作品を観に行って、心から良かった。彼らの演技と物語の展開は、映画館から出るまで心に残り、鑑賞後もしばらく余韻が続きそうだ。

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