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ゴジラ-1.0を観てきたので【ネタバレ有り感想】

ゴジラ-1.0、公開初日の本日、4DXで観てきました。

時代は終戦間際からの数年間
特攻からもたまたま遭遇したゴジラからも逃げ出して罪悪感に呪われた男の超克の軌跡。

■ゴジラの印象

今までのゴジラって、(あまりたくさんは見てないけど)基本的に歩いて建物壊したりしててついでに人が死ぬって感じで、撃たれたら火を吐いて反撃するくらいで人間に対する直接的な殺意を感じない気がしていたけど、今回のゴジラは登場から人間咥えて投げ飛ばして人間への敵意強めでした。

機雷除去船で対峙したときの距離感やむき出しの敵意もかなりの迫力でした。

シン・ゴジラみたいにわかりやすく進化してないし多分本編でも言及されてないけど、登場のたびにでかくなってますよね??

放射熱線は青白く光ってて神秘的であり強そうでもあり、撃った後のキノコ雲や爆風、黒い雨。圧倒的であり無慈悲であり理不尽そのもの。

■ストーリーについて

特攻に出て戦闘機が故障したと不時着した主人公に故障箇所が見つからないと問い詰めた時の整備兵の言い方や、戦後焼野原になった自宅に帰った時のお隣さんの生きて帰ってきたことを責める感じなど、戦争の時の軍人に対しての圧、命を捨てて当然のような空気感は昔から戦争をテーマにした作品ではまずもれなく描かれていて、ふんわりとですが「命を懸けて国を守ることは尊い」を訴えたい、だから特攻などの作戦も否定すべきでないという雰囲気を醸すか、「国が国民に死を強要するなど許せない」を訴えたい、だから戦争の日本国が選択した全てを否定したいという雰囲気を醸すかのどちらか寄りという印象がありました。

しかし今回のゴジラ-1.0今回のを観た印象はそれらとは違って、今を生きる私たちなりの解を得たという気分になりました。端的に言うと腑に落ちました。

最後の作戦決行前に、作戦立案者である”学者”が、みんなに今日は家に帰って家族の顔を見るように言うと、参加者から自分たちは死ぬのかと不安がる声が。
しかし”学者”は、戦争は人の命を粗末にしすぎたと時代を反省し、今回は生きるための作戦だと宣言します。
命の危険は全員が承知していることでしょうが、特攻のように死ぬことが前提ではない、命は懸けるが全員で生きて帰る気満々であるという認識が共有されたことで作戦参加者から悲壮感が消え、希望が広がったように思いました。


とはいえ、主人公と同じチームの3人は作戦前にすでにゴジラに遭遇していただけに、生きて帰る気はあるがその可能性は低いだろうと思っていたでしょう。チームの若い一人を置いていき、あとは頼むと言っていたことからもうかがえます。


主人公もある時点まで完全に死ぬ気でいたのでしょうが、最終的にそうではない選択をしたこと、その手段の提供も含めて生きることを後押しをしたのが主人公にとって一番の「圧」であった橘整備兵だったことも良かったです。

時代が良くなってきたなとつくづく思います。
自己犠牲を良しとしてましてや人にそれを強要することなどなく、サービス残業休日出勤当たり前社畜を美化せず、自分の人生を何かの犠牲になることなく充実させようという意志が世間一般に尊重されつつあると感じます。
そんな現代でなければ主人公の軟弱さが許せないと感じる層が多かったかもしれません。

■4DXについて

揺れ:ゴジラだから揺れるんだろうな、というのは想定内でしたが、それにしたってひどいときは相当なもので、かなりガコンガコンと頭を打ちました。
それを見越して髪を結ばないで行ったんですがかぶっていたキャップの金具が当たって痛かったです。身長高いとそうでもないのかしら。

水:海戦が多めだったので思ったより水しぶきを浴びました。

動き:戦闘機や船のシーンなどではぐいーんと椅子が角度を変えて動きを感じられました。

風:同じく戦闘機や船のシーンなどは風を正面から浴びる感じになり、疾走感があって4DXの中でもこの感じは一番好きな効果です。

匂い:最後にね、いい匂いしました。

■最後に

ストーリーとしての主人公の行きつく先も、ゴジラの圧倒的迫力とその結末も、終わり方として良かったと思える着地点に着地してくれたので「面白かったー」という気分で映画館を後にすることができました。


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