2019.8.11

産まなきゃ、産まなきゃ産まなきゃ産まなきゃ子供を産まなきゃ、いけない、いけないんだと思う、産まなきゃ、愛されない、愛されない、子供を産まなきゃ只一人わたしだけの可愛い、可愛い、可愛い子供を産まなきゃ、いけないんだと、産まなきゃいけない、子供を産まなきゃいけない。わたしが愛されるための命を愛のない行為で授かる、わたしが、わたしが愛されるための命が、欲しいので、泣いても、私もその子も、泣いても、いつか幸せになれると信じて、一等愚かで悲しい希望を捨てきれず、子供を、子供を、産まなきゃいけない、産まなきゃいけないと念仏のように唱え続けて、冷たい腹の中を、掻き混ぜ掻き混ぜ唱え続けて、朝に妬かれた夜を抱き、熱い熱いと嘘を吐き、隙の無い胸に、頬を寄せた。沈む。腹の中から、引き摺り出したニセモノの愛が泣きじゃくる希望の朝、白鷺を撃って薔薇が咲く。

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