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君は人形道祖神を見たか

秋田県、湯沢あたり。昨日からの縄文巡りもいよいよ後半戦。周りの風景はさっきから田んぼか森かで統一されている。目的の考古館まであと少し、僕の気持ちもすこし高ぶっている。
その時だった。窓の外に巨大な人形が表れすぐに消える。ギョッとして思わずスピードをゆるめ、今のはいったいなんだったのだろうか、考える時間を確保する。そうだ、聞いたことがある。あれが秋田の人形道祖神じゃないだろうか。近くの横道に車を突っ込み、車をUターンさせる。やっぱりそうだ。突然現れるなんて、ビビらせやがるぜ人形道祖神。

先日秋田県に行ってきました。もちろん縄文巡りが目的で、今回は秋田の南の方の考古館と、山形の北の方を少し。縄文もですが、その道中に見かけた秋田の人形道祖神がすごく面白かったので、このnoteを書きました。
人形道祖神とは東北の各地、特に秋田県の内陸部に存在している藁や木で作られた人形。大きなものは4.5メートルと巨人のようなサイズで、村の入り口や境界線に村を守るように置かれている。説明を読むと、ある時、村に疫病が流行った時に、それらに対抗するように彼らは作られたという。呼び名は地域や村によって違っていて、鹿島様、ショウキ様、お人形様に厄神様。しかし、なんて面白い姿かたちなんだろう、ちょっと笑ってしまう。

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興味のある方はぜひ、「村を守る不思議な神様」という本を読んでほしい。このサイトでも詳しい。秋田の人形道祖神には興味しかわかない。

同時にこうも思った。藁で作られたこの道祖神を見て思い出すのは、そう、土偶だ。なにがどうっていうわけではないけれど、そのデザインにはこの土地に脈々と流れる縄文的なプリミティブな「センス」のようなものをどうしても感じてしまう。だからこそ僕はこの道祖神の「デザイン」に惹かれてしまうんだと思う。もちろん土偶の成り立ちやその役割はほとんど解明されていない。だからふわりとしたことしか言えないのは前提だ。

最後に秋田の土偶をいくつか載せておく。見て欲しい。その土地土地の「デザイン」や「センス」は何千年たったとしてもそんなには変わらないのかもしれない。

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