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2020乃東生(なつかれくさしょうず)サンタクロースがもしも宇宙人だったら!?

                              Hに捧ぐ

今年25歳になった私は、大手運送会社の地方支社でOLをしている。

何かやりたいことを見つけようと思って、親に頼み込んで大学にも行かせてもらった。

大学ではサークル活動など、私なりに頑張ってみたもののこれと言ったものが見つからず、今の会社に就職した。
会社は思っていた以上にブラック企業で、仕事は忙しく朝から晩まで雑用に追われ休日もままならぬ状態だ。

私は、幼い頃から本が好きだ。
小学1年生の時だったと思う。クリスマスの朝、枕元に置いてあった絵本。
サンタさんからのプレゼントだと信じて、心を躍らせ何度も何度も読み返した。それから時々誰かの心を躍らせたくて、詩とか物語を書いてはみている。
ただサンタさんは一つ忘れていた。“才能”と言うものを私にプレゼントしてくれるのを。
いつも書いた後、読み返してはため息の繰り返し。そのうち現実逃避が癖になり、いつの間にか書くことからも遠ざかっていった。
それでもあの時、私の心を躍らせてくれたサンタさんには感謝している。
いつかまた、心を躍らせてくれることに出会える!そう思って頑張っているつもりだ。
そして、恥ずかしながらこの歳になってもサンタさんはきっといる!と信じている。

今年のクリスマス・イブも仕事に追われて、ワンルームのアパートに戻ったのは午後10時過ぎ。それからお風呂に入って今日が何の日かも忘れてベッドに入った。
次の日、目が覚めるとベッドの横のサイドテーブルにに見知らぬ本が置いてあった。
驚いて手に取ってみると帯には「△△章受賞作品!期待の新人作家○○○○」と大きな文字が印刷してある。○○○○は私が密かに使っているペンネーム?
急いで開いてみると表紙も挿絵も完ぺきに私好み。何より内容が時々私が書きなぐっている文章をきれいに編集して、物語仕立てになっていた?
今日はたまたま休みだったので、ゆっくり読んでみることにした。
ドキドキした。久しぶりに心が躍った。読み終わって元のサイドテーブルに本を置き、コーヒーを淹れにベッドから立ち上がった。
すぐそばのキッチンでコーヒーを淹れてベッドに戻ってみると

「エッ!」

サイドテーブルの上には真っ白な紙の塊。表紙も中身も全部真っ白。

「アーアッ!」

夢だったのか?ただ、真っ白な本は確かに残っている。

しばらく呆然としていた。。。

そのうち仕事で疲れ切っていた心や体の隅々に、小さな小さな灯りが燈ってくるような気がした。
「そっか今日はクリスマスか!きっとサンタさんがいつも頑張っている褒美にプレゼントくれたんだ。」

それから私は、たった一度読んだだけの記憶を頼りに真っ白な本のページに文章を書き続けている。誰かの心を躍らせるためではなく、自分の心を躍らせるために。他力本願は良くないかもしれないが、私に与えられたチャンスだと思って。。。

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もしもサンタが宇宙人だったら?【3行短文】

まだ見ぬ 未来を 応援 してるよ
頑張る あなたを 誰かが 見ている
その人 の名前 はサンタ クロース

もしかしたら、地球の文明って宇宙人(サンタ)がその時代の地球人にヒントを与えてくれたんじゃないだろうか?
エジプトのピラミッドもナスカの地上絵も、宇宙人が与えてくれたヒントをもとに真似をしながらその時代の地球人が形にして文明というものにしていったのかもしれない。

乃東生(なつかれくさしょうず)

夏枯草が芽をだす頃。
夏至の「乃東枯」に対応し、うつぼ草を表しています。

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