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喫煙者と愛煙家 ~ そして煙草とお酒 

タバコが好きだ。やめる気は全くない。
タバコが好きな人にとって肩身の狭い世の中になってしまった。お酒も飲めるがやめてもかまわない。

・・・長くなりますが。

どこに行っても「敷地内全面禁煙」「喫煙不可」。

タバコが好きだってだけで嫌われる。
確かにニコチン、タールは体に良くない。「ヤニ」で部屋は汚れる。臭いが嫌だ、煙が迷惑だ、火を使って火災の元だ、副流煙被害はごめんだ。

わからないでもない。私たちタバコを喫う人間だってヤニ臭かったり壁や窓の汚れや他人の煙が嫌だったりする。

   そして私は女だ。

女性がタバコってだけでイメージが悪いだろう。

では「お酒」はどうなのか?

私はお酒はやめられる自信があるのでこんなこと書いたりするのかもしれないがお酒とタバコどちらか選べ、って二択なら間違いなくタバコをとる。

どちらも嗜好品であり、税金がかかっている。

タバコが好きな人を昔は「愛煙家」って呼んでいた。それなのに今は「喫煙者」だ。○○者、っていかにも悪人みたいな響きだって感じる。

・・・。

醸造文化のせいかお酒にたいしては寛容な世の中だと思うが、タバコは嫌われるみたいだ。

いつ「愛煙家」って言葉が「喫煙者」にすり替えられたのだろう。不思議だ。

酒飲みがこんなこと書いてるのも変だけれど「お酒」は酩酊作用があるし、胃腸や肝臓、さらに脳さえ壊すドラッグであり、しかも宴席では必ずではないが「かんぱーい」とまずは酒だ。
日本人は「酒にのまれる人」が欧米人に比べてかなり多いときいている。日本人は肝臓でアルコールを分解する酵素を持つ人が少ないからだろうが、なぜだかやたらとお酒を「飲みたがる」人が多いような気がする。黙る肝臓。アルコールで肝臓を壊す、って考えたらそれはかなり怖い。気がついたら遅いのだ。肝臓は「沈黙の臓器」と言われている。アルコールの薬物としての作用は人それぞれで楽しくなる人だけでなく、泣き出す人、さらには暴れたりケンカしたり物を壊す人、酔っ払い、どこでも嘔吐してげろで汚したり迷惑千万この上ない人もいる。
しかし、圧倒的にお酒とタバコならタバコは「悪者扱い」されている。

タバコでアタマがおかしくなった人って見たことがない。家庭が壊れたとかも聞いたことがない。

タバコの臭いが嫌いな人がいるようにアルコール、お酒臭いのが嫌な人もいるのに、不公平ではないのか?

     不公平だ。

アルコールは明らかに精神錯乱を起こしかねない立派なドラッグであり、飲んだらアルコールが抜けるまでクルマの運転もしてはいけない。そこいらにげろを吐き散らし、失禁する酔っ払いは迷惑ではないのか。弱い強いはあるのだろうが。私は酔っ払いが大嫌いだ。飲めばくどとどらちがあかない言葉を吐く。こちらがしらふだと酔って正気を失っている相手だとわかっていても相手にするのはほとほと草臥れてしまう。なぜ、お酒は歓迎されて喫煙する人間ばかりが責められるのか?成人したら許される嗜好品としては同列に並ぶ大人だから許されるある意味「特権」のようなものではないのだろうか。

お酒?大好き~!  っていう人は一般的にあまり嫌われることはないと思うが、これが     タバコ?大好き~!ってなるといやーな顔をされたりはよくある話だったりする。

ちなみに私もR氏も「飲酒喫煙」する人間だ。断っておくが私は習慣飲酒は少なからずもないと言いきれる。

成人したら許される嗜好品には変わらないのに年々タバコは嫌われるようになってしまった。

愛煙家、ってきかなくなり、喫煙者って呼ばれている。私は頭痛持ちで胃も悪い。タバコはやめましょう、いや、やめろ!って言われてきた。

・・・・。

なぜそんなにタバコを迫害するのかわからないがタバコを喫う人間はいわば高額納税者だ。

酒にも税金かかっているだろ?って返されるかもしれないがタバコを喫う人に対して明らかに不公平な扱いで悪人呼ばわりだ。

私は自分を「愛煙家」だと思っているが周りからは「喫煙者」と呼ばれている。まるで犯罪者みたいだな、と思う。

・・・。私の母はよくむちゃくちゃに酔っぱらって泣いて騒ぎ、あちこちに電話を掛けまくることが多かった。そしていきなり暴れだしたり、それは夜中だろうと関係なかった。しとやかな優しい母が豹変したし、私も子供だった頃、母が酔って騒ぎだしたり絡んだりは見ていてもたまらなかった。意味のわからないことを言いながら暴れたりどうかしたら昼間からでもお酒に溺れて私や父はほとほと疲れてしまった。

取引先に酒屋がたくさんあるので、アルコールの類い、特に日本酒は常に一升瓶が何本も自宅にあり(父は日に三合晩酌するので届けてもらっていた)、よく私は泣いて倉庫の中の一升瓶を全部叩き割った。家にお酒がないと自分で酒屋に電話する。そして酒屋に配達を頼む。父の知らない間に酒は届き、それを飲む。倉庫の中の一升瓶を私が叩き割れば割るだけそれは余計な出費と悪循環を生んだ。

両親は特に不仲ではなくてどちらかといえば仲良し夫婦であったし、そして二人とも「愛煙家」だった。

母は自分がタバコを喫うのを人に知られるのを嫌がっていたし、恥ずかしいことだと思っていたようだが、私はニコニコしてタバコに火をつけるリラックスした母が好きだった。

白く美しい指に細いタバコが似合っていたし、見苦しいとかも思わなかったが、お酒に酔っている母を見ると「またか、まったく迷惑だ」と情けなくて悲しくなったものだ。きれい好きだった母は掃除はこまめにしていたからヤニで部屋が汚れたりはしなかったし別にタバコを喫う人を嫌だとか思わなかったが。
母のお酒。それはいつも悪いお酒だった訳ではない。父と楽しくグラスを傾けてもいたのだし、晩酌に時間をかける父の世話をこまめにしていた。父は仕事が終わり、母の作る料理を何品も楽しみ最後はさらりとご飯と漬物、熱いお茶でしめていた。見ていてとてもしあわせそうだった。

昨日、一昨日。

出先で嫌な思いをした。
・・・よかれと思ってその店にしたのだろうが、夕方、市街地にて買い物のあと、彼は商店街にある海鮮居酒屋に私を連れて行ってくれた。予約はしていないからとりあえず空いている席に案内されたが隣は予約の席だった。パーテーションもないしこれではまったく落ち着かない。

すぐに隣は予約のカップルが来て会話も丸聞こえだし、そして店内は禁煙だった。

R氏はその日イライラしていたのに「予定だから」と晩御飯に、といきなりその店に私を連れて入った訳で、席につくなりいろいろとチクチク怒られた。

イライラが始まったのは私にかかってきた一本の電話、友人からの電話からだった。街に出かけるクルマの中での着信。

R氏はその電話の内容にその友人のことを「バカなんじゃないのか?迷惑病だ」
そう言ったが、私は最初、着信を無視したのだ。R氏がイライラするのはわかっていたし急ぐならまたかかってくるだろうからだ。出なさいよ?かけ直したら?とR氏から言われて気が進まないのにかけ直したらその相手を「迷惑病」だという。相手の友人は男性だからだ。

すぐに他人に「バカ」とか「病気」とか普段から口に出していたらそれは良くないくせだと思うし簡単に他人をバカなんて言ってはいけない。人としていけないことだと思う。

「貴女はなんでもしてもらって当然だと思っているね?」

そんなことはない。

無駄が多い、声が小さい、しっかり歩いてついてきて、目的以外は立ち止まらないで、聞こえてるの?などすぐ隣にカップルがいるのにお構いなしに私に怒る。運転があるから彼は酒は飲めないし店は禁煙だった。イライラするのはわかるが。好きな酒を飲めない訳だし、わからなくはない。私は初めて市街地でゆっくりデートだから他のカップルや夫婦みたいにウインドウショッピングをしたかったし、タバコが喫えるゆっくりした場所で休みたかった。夕飯は外食なら喫煙できる店が良かったのだ。お酒は飲まなくてもゆっくりデートしたかった。タバコ片手に。お茶飲んだりしたかった。

こんな思いをするのは初めてだ。人生最悪のデートだな、って涙がにじんだ。

テーブルにはお手所(取り皿)が2つだけ。オーダーした飲み物もなかなか来ない。

嫌なお店だと感じた。店員の態度、禁煙だし、パーテーション、ついたてすらないから隣に気を遣う。私は彼からガミガミ叱られながら萎縮してしまった。

涙が滲む、顔が歪む。私はついにはマスクをかけた。

別にお酒なんてそこで飲まなくても良かったし、ゆっくりして「さっきはごめんなさい」と二人でタバコを喫いたかった。彼もヤニ切れで余計にイライラしているし、私以上に酒を飲む人が「飲んではいけない」わけだ。すぐに、他の店にしましょ?って言えば良かったが私は彼にしたがって席についたらずっと怒られていて、運ばれてきた料理は砂を噛んでるみたいで美味しくない。

ストレスで味がわからない。ただ、ゆっくりタバコを二人で喫える店で「今日はありがとう、ごめんなさいね」ってあらためて話したかったのに。


つきだしが冷凍の卵焼き。 まずい。   そんなこといえないしお酒も楽しくなかった。

タバコは喫えない、酒もダメ。彼はますます怒る。

ひととおり料理がぼつぼつ来てから店員にお水をお願いしようとチャイムを鳴らしたら「気が利かないな?どうして?先に呼ぶ前に 何か頼む? とかないの? 美味しいとかも言わないし」とまた、叱られ萎縮してしまい「なら気の利いた方と来たら?」と半泣きになってしまった。イライラするわー、とガミガミ言われてへらへら笑えるほどバカにはなれないし、料理はどうしても予約者優先になる。そしてそんな状況ではしゃげる訳もない。

こんな店、逃げたい。逃げ出したい。最悪だ。

タバコが喫えない、私一人がお酒のおかわりなんて頼めない。
「ここ、前はタバコオッケーだったんだけどな」R氏はぶつぶついうがそれなら確かめてから入ればよいのではないか。
なら私が知っている店に行けば良かったわねとつい口に出してしまった。

それを話せばまた、怒る。

貴女態度悪い。置いて帰ろうか、って思った。

昨日も彼はおもしろくなかったのだろう。昼間からビールを飲んでいるし、出かける気はないのだろう。だから私は昨日はお酒はよしにした。彼はずっと飲んでいたし、南のリビングにいる。昼食の用意を、とも思ったが雰囲気が悪くて声もかけられないし明らかに酔っている。 

ゆーさん、掃除したら?貴女の部屋やりっぱなし、やるやるってやらない!散らかしっぱなし。捨てるよ?

タバコを喫うか、アイコスを喫うかしながらずっと不機嫌だった。カラカラ氷の音かする。声をかけるなんてタイミングはとてもじゃないがなかったのだ。

   今日のうちに終わる?

私の今までしてきたことをすべて否定する眼差し。すべてが徒労だとむなしくなる。いや、いや違う。この人は今お酒飲んでるから、普段は優しいではないか。

 1日は24時間しかない。彼の攻撃は続く。先日の続きを無意識にアルコールが拍車をかけている。

掃除を終えて、私が娘宛に手紙を書いていた時にいきなり彼はニコニコしながら私の体に腕を回して来たが「ちょっと待ってね」と言えばプイッとまた他の部屋に行く。

   嫌だ。酒って嫌だ。酒は悪だ。    

本気で思った。彼は自分が酔っている自覚はない。

夕飯は当然支度も遅れた。

昼間なんにも食べてないから、ってやっぱりお酒を飲んでいる。

ただの愚痴になってしまったが、タバコも酒もドラッグにはちがいないのだ。

酔っている人は自覚がなくなるし、明らかに普段とは違う。

まわりに嫌な思いをさせるのは同じかもしれないが、どちらかやめろ、って言われたら間違いなく私なら酒を捨てる。

タバコばかり悪者になっているが私はやはりお酒のほうが悪者だと思う。

嫌な響きだ。  喫煙者って。

愛煙家って死語なんだろうか。

しばらくは薦められてもお酒は欲しくないし別に飲まなくてもかまわない。

なんだか全部いやになってしまった休日だった。

再三愚痴になるが、酒に関しては「き◯がい水」って呼び名があるがそれは正解だと感じた。

タバコばかり責めないで欲しい。

酒を美化しすぎ。緩すぎだと心底嫌な気分になってしまった。

もう少しアルコールについて厳しくしてよいのではないか?大迷惑している人だっているのだ。

タバコばかり責めないで。
飲食店も禁煙ならはっきりわかるように表示して欲しい。

昔は良かったなんて言いたくはないが、お酒もタバコも、そして人についてももう少し世の中、優しくなれないのだろうか。

   ゆー。

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