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球体関節人形が泣く夜は

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書いた詩や歌など。これから、ポエマーな自分も認めていきます。noteに歌や詩をかいたらこちらに追加していきます。 ゆー。
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#詩

きっといつかはいつかはきっと

きっといつかはいつかはきっと

あなたのこえをきくたびに

あなたのかおがみたくなる

あなたのかおみてあんしんし

あなたのいれたおちゃをのむ

あたりまえのようなふうけいがとおくとおくにしまっている

あるばむのしゃしんのとおいむかしのきおくのように

あなたのえがおも

あなたのなきがおも

………あーちゃん

あんなにちいさかったあなたは

あまりにもうつくしくおおきくなり

あおいどれすでかれとてをつないで

あなたは

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水中では不協和音がもつれている

水中では不協和音がもつれている

その指は水中深く重たく冷たい

その鍵盤は深海に沈んでいる

息が

できない

指がもつれて

冷たい

鉛の歪んだ指先に

汗が噴き出す

たたく

また 鍵盤はこちらを見ている

鍵盤をたたく私の指先

どこからか

小さくハノンの練習の音

背中

冷たい視線

周りは暗くなり指先はもつれる

深い深い水の中にそのピアノはある

たたけども

鳴らないピアノをひとり溺れて苦しむ少女が弾

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とぱあずのなみだ

とぱあずのなみだ

ろうばいの えだの
おれいにと

あんだりいすもわたせずにいる

どようびの くるしいよるに
くちびるを かむ

ねこのなを
ようやく ちいさくつぶやけた

とぱあずのはながかれている
ろうばいのはな

じあい
そして いつくしみ
あい

すきとほるはながかがやきをうしなっている

はなくびがおちるも
ひろうこともかなわず

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ねがいごと。

ねがいごと。

さみしくて

さみしくて さむくて

また ひとりきりのくりすます

ちいさなぴんくのつりいも

あかいぽいんせちあも

すべてわたしのあいした

あいする あの ふたりのため
まま そして かれ

わらってほしくて

むりしてさがしたぴんくのつりい

おととしをおもいだして

わらってほしくて

きらいよ ふゆなんか だいきらい

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丸い柔らかな白い二つの丘

丸い柔らかな白い二つの丘

アンバランスにつきだしていた釣り鐘みたいな二つの丘

まだなんにもわからなかった娘の頃にふくらみ始めた私のつぼみ

恥ずかしくもあり悩ましくもあり美しくもあり いとおしい私の女性の二つの丘

母になれた喜びにはち切れんばかりにメロンのように張り 泣き止まない涙のように溢れた生まれた子のための生きていくための兵糧

ああ まだうら若きころ 中にある小さな岩に悩まされ 右手の丘をくりぬかなけれ

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あざみのきみ

あざみのきみ

きみは

まるでちいさなおんなのこのようにむじゃきで へいきでぼくをきずつける

あたしね うまれかわったらサボテンになりたいの

それがきみのくちぐせ

そらをみあげ あしもとをみつめて

きみのことばはいつも いつもぼくをきずつけるするどいとげをはらんでいるのに

・・・あざみ

たおろうとてをのばせば しっかりしたくきにはするどきとげのはっぱ

はりより

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猫だけが待つ

猫だけが待つ

歩く   ひたすら歩いて帰るのは誰も私を待たないおうちに帰るためだけ

その家には帰りを待つ人はいない
私の帰りを待つのは  猫だけ

ああぁおおおぅん  にぃいやあああぁおおおぅん

青い睫毛のお人形の帰りを待つのは金色の猫が一匹

魔王がささやく  おまえにはこの猫と私がついているから

猫は魔王になつきはしない
古びたびろおどのドレスにまとわりつく猫の長いしっぽ

ああぁおおおぅん  にぃい

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人形の家

人形の家

黄昏時  人形は 逢魔が時に帰る

誰も私を知らなくていい 
愛さなくていい だから愛されなくていい  長く青い睫毛のお人形

人形は家路につく  
コツコツと歩いてゼンマイのネジが止まるのを待つ

誰かネジを巻いてください

ブーツのかかとがコツコツリズムを刻む

駅のホームに人形はいつもひとりぼっち  青い睫毛の人形がコツコツ歩いて帰る

まだ綺麗ですか
まだかわいいですか

逢魔が時にさらわ

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星のない街

星のない街

雨の舗道を歩く

スクランブル交差点  赤に変わる  クラクションが鳴る  慌てる  転ぶ  膝を擦りむく  駅に向かって歩いてく

最終電車はもうない  始発を待つしかない

繁華街へと振り返る 一人で行く勇気なんかないくせに

真夜中サングラスを外す  涙がこぼれる   明るい夜空に瞬く星が見えない   この街には星がない

お父さん、迎えに来てよとべそをかいている

一人きり夜を渡る   あ

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愛していると言ってくれ

愛していると言ってくれ

帰りたくない  帰れない

さみしくても 悲しくてもそれを話してはいけないんだ          つらくて血を流しても知られてしまってはいけないんだ

帰りたくない  帰るおうちがない

どうして 女に生まれたんだろう

夜の帷の中  眠らない街
働いている人々の姿の美しさと笑顔に情けない自分を比較する

あなたは言った
   
   貴女は貴女らしくしていていいんだ   

だけど   違った

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星を夢む夜

星を夢む夜

1人きりのベランダ   星を作る

けっして交わることのできない星を作る

あなたの笑顔がみたくて  うまく笑えない私のことを知ってほしくて星を作る

    
    途方に暮れている  
    
  ・・・     どうしたらよいのだろう

青い地球のような    赤い夕陽のような   暗闇にキラキラひかる時間がどうしても欲しくて

とりとめのないことを思いながら星を作るキラキラひかる暗闇に

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そっくりよね

そっくりよね

かさぶらんかのかおりがろうかにたちこめている

かさぶらんか  しろいおうち

まよなかのかがみのなかにさがしてみる  どこにいるの どこにとのぞいてみたら        いた

    そっくりよね  そっくりよねとのぞいているかお

かさぶらんか  しろいおうち

さけんでいるひきさかれたこころがさけんで   いる

   にてきたな  いた  ここにいるんだ

さけんでいる   あいたい

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なぜだろ

なぜだろ

こんなさみしいよるにあなたにあいたいなんて

なぜだろ 

あなたがこいしいなんて

なぜだろ

わたしはうそをついてるじぶんにはらがたつぬるいよいのかぜに

なぜだろ

あれからなんにちたつんだろわからない

なぜだろ

あのやさしいおおきなてのぬくもりをさがすわたしがいる

なぜだろ

いまがしあわせだなんてそれはきっとうそだなんて

なぜだろ 

わたしはわたしがわからない

罪

あの人はまだ持っているのか
捨てられなかった揃いの箸を

折って捨てよと何度も泣いた桜の絵柄

雨の京都

薄い赤と綺麗な青の夫婦箸
二人の名前を刻んだ夫婦箸を

大事なものを失うぞ?

あの人はいつもそう言った

小さな星の同じ空の下
いつかまたどこかで出会ってしまうだろう

私の罪

それはあの人を幸せにできなかったこと

大事なものを失うぞ?

私はまだ

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