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球体関節人形が泣く夜は

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書いた詩や歌など。これから、ポエマーな自分も認めていきます。noteに歌や詩をかいたらこちらに追加していきます。 ゆー。
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#ひとりぼっち

猫だけが待つ

猫だけが待つ

歩く   ひたすら歩いて帰るのは誰も私を待たないおうちに帰るためだけ

その家には帰りを待つ人はいない
私の帰りを待つのは  猫だけ

ああぁおおおぅん  にぃいやあああぁおおおぅん

青い睫毛のお人形の帰りを待つのは金色の猫が一匹

魔王がささやく  おまえにはこの猫と私がついているから

猫は魔王になつきはしない
古びたびろおどのドレスにまとわりつく猫の長いしっぽ

ああぁおおおぅん  にぃい

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人形の家

人形の家

黄昏時  人形は 逢魔が時に帰る

誰も私を知らなくていい 
愛さなくていい だから愛されなくていい  長く青い睫毛のお人形

人形は家路につく  
コツコツと歩いてゼンマイのネジが止まるのを待つ

誰かネジを巻いてください

ブーツのかかとがコツコツリズムを刻む

駅のホームに人形はいつもひとりぼっち  青い睫毛の人形がコツコツ歩いて帰る

まだ綺麗ですか
まだかわいいですか

逢魔が時にさらわ

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愛していると言ってくれ

愛していると言ってくれ

帰りたくない  帰れない

さみしくても 悲しくてもそれを話してはいけないんだ          つらくて血を流しても知られてしまってはいけないんだ

帰りたくない  帰るおうちがない

どうして 女に生まれたんだろう

夜の帷の中  眠らない街
働いている人々の姿の美しさと笑顔に情けない自分を比較する

あなたは言った
   
   貴女は貴女らしくしていていいんだ   

だけど   違った

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