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球体関節人形が泣く夜は

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書いた詩や歌など。これから、ポエマーな自分も認めていきます。noteに歌や詩をかいたらこちらに追加していきます。 ゆー。
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#日記

今日の歌

今日の歌

・春の雨
一列に咲く 傘の花
一年生の 笑声に微笑む

・つつじ咲く
雨の舗道の 葉桜の
緑の鮮やか 空を切り取る

・雨の波紋 お堀の若葉
緑の影に
幼い緋鯉
跳ねて振り向く ぴしゃりと 消える

・葉桜の梢 一輪の
遅れて咲く花

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今日の歌

今日の歌

・眠れずに

いけないことと知りつつも

蒼い玉二つ 飲み足し 祈る

・雨上がり

桜探して足元みれば紫の

菫が泥に されど美し

・薄暮の公園ぼんやり歩く

まだ寒し

日向の桜に お辞儀をしてみた

・春まだ 遠し 私の心

満開の便りを

待ちわび 空を見上げた

・桜もいいけ

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今日の歌

今日の歌

・べらんだに立つ朝

雨垂れの便り

春を受け取り 浅い息吐く

・思い悩みて携帯電話

かつての恩師の懐かしい声

安堵の翌日 速達に

一冊の文庫 抱き締めて泣く

・生きている

ただそれだけでいい

足元の菫が呟いて 笑う

・送られてきた古びた文庫本

仰げば尊しの歌詞の意味を教わる
我が師の恩

・痛め

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今日の歌

今日の歌

まだ寒し

猫と布団にくるまりて

窓の隙間に 香る梅の香



フォトグラフ

余計な機能と思いつつ

昨年の

今日の思い出に 一人きり泣く



小さなかごに タオルとブラシ

自堕落よのうと川縁を歩く

ガス代に悩む 騙して銭湯



小さな財布とにらめっこ

春が欲しくて 花を選ぶ

桜に桃に

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今日の歌

今日の歌

雨上がり

涙を含む 沈丁花

名ばかりの春 白い息吐く



帰り道にて

空をあおぎて 黄昏の陽

昼間の長さに 少し戸惑う



薄暮に惑い 躓きながらも

踏みつけぬよう そっと歩いて

つくしんぼ

早くないかとしゃがんで笑う

…。この最近の情景を歌に詠む

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青い空の真下で。

青い空の真下で。

どうか生きていてほしい

その一言だけだった

代理人から届けられた手紙

言葉を預かりました、と渡された手紙

どうか生きていてほしい

そうだったんだ

そんなこと思ってくれていたんだ

あれから三年以上過ぎたよ

端末は初期化してしまったから

忘れたくてスマホも換えたよあれからすぐね

もう残していないけど

豆腐な気持ちだ、って
あのメッセージ

泣いたんだよ 私

あなたを忘れる

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孔雀の花火    フェイジョア

孔雀の花火 フェイジョア

フェイジョアが咲いている

懐かしい 懐かしい花が咲いていたその病院の植え込みに近寄る

針を刺した乳房から滲んだ血の色に似てるなとギュッと痛む胸を押さえた

庭の真ん中に植えられていたフェイジョアの木に花が咲いているのを見つけた子供の時の心を思い出した

果実は緑色だったはずなんだけどとフェイジョアを植えてくれた父親を思い出したら痛む胸が余計にチクリと痛んだ

フェイジョアもさくらんぼも桃

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