見出し画像

【強迫の治療】入院8日目

入院7日目はこちら

『こちらが外出中に娘さんが飲むお薬です。頓服は2種類あります。この袋が不安時、こちらが不穏時に飲む薬です。入院中に一度頓服薬をリセットしました。お薬の量が入院前と違いますが、娘さんが把握しているのでまかせて大丈夫です。』

頓服薬は「本当にこの量で効く?」と心配になるほど減っていました。


不安時と不穏時は似ているようでまったく違います。

不安時は「どうしよう」「大丈夫かな」と私に確認行為をしてこれるぐらいの状態。

不穏時は呼びかけても反応がほとんどない状態。無表情になり雰囲気も別人のようになります(個人差あり)

「頓服を使うほどの状態になったら、面会(外出)を途中で切り上げて病院に戻るからね」娘に何度も念押ししながら病院を出ました。

親子とは思えないほどの緊張感

車内ではとても張り詰めた空気が漂っていました。

娘は私に確認行為をしないように。
私は娘を安心させないように。

とても親子とは思えないほどギクシャクしたやりとりが続きました。


何が食べたいか聞くと「お寿司!」というので近くにあった回転寿司に連れていきました。

娘は嬉しそうに大好物のお寿司をほおばっていました。

少し痩せて顔色もあまりよくありませんでしたが、とてもいい食べっぷりでした。


いつもの半分くらい食べたところで、なぜか娘が突然食べるのをやめました。

不穏になると、まるでスイッチをONからOFFにしたかのように急に反応がなくなり無表情になります。

これはもしや・・と一気に高まる緊張感。じっと娘の様子をうかがいます。

「カフェに行きたいんだけどいい?そこでポテトとか食べたいからお寿司はこれぐらいでやめとく。」

普段からカフェ巡りを趣味にしている娘は、外出したら絶対カフェに行くと決めていたようです。

よかった・・不穏じゃなかった(ビビりすぎ)

回転寿司屋の近くにファミレスがあったので会計を済ませて移動。

いつも定番のアイスティーとフライドポテトを注文すると、娘はリラックスできたのかたくさん入院生活の話をしてくれました。

孤独ではなくなった入院生活

距離感が近すぎてこわいと言っていた患者さんとはすっかり仲良くなっていました。(なぁ・・あの騒ぎなんだったの💧)←心の声

娘と同じ年齢の息子さんがいる患者さんとも知り合ったようです。
話を聞く限り、娘の事をとてもかわいがってくれている様子。

入院2日目に娘にケガをさせた男の人はフリースペースでたまに見かけるけれど、娘が誰かと一緒にいることが増えたからかあまり近寄って来なくなったそう。

一番ありがたいと思ったのが、1回目の入院の時に病棟にいた看護師さんが娘の担当になってくれた事。知っている人がそばにいることでかなり安心して過ごせるようになったのは間違いありません。

規則正しい生活の大切さ

「今、困っているのはどうしても朝ご飯が食べられないのと、中途覚醒が多くて眠剤をもらわないと眠れないことかな」と言う娘。

私には思い当ることがありました。

「入院前って昼夜逆転に近い生活してたよね?だから今の規則正しい生活にまだ身体が慣れていないんじゃないかな。」

娘は納得した様子でした。

「そうか、いつも昼近くまで寝てたから1回目の時と違って朝がすごくつらいんだ。最近やっと朝起きられるようになってきたけど眠気がとれなくて。じゃあ、規則正しい生活に慣れたらご飯食べられるようになる?ここのご飯すごく美味しいからしっかり食べたいの」

「前の入院の時は、朝きちんと起きてて生活リズムが今より整っていたでしょ。だからすぐに慣れてご飯をモリモリ食べられたんだと思う。だから今回も慣れればきっと食べられるはずだよ。」

これは安心させる言葉がけになりますが、繰り返し聞いてくるなどの強迫行為につながることはありませんでした。

眠気があると不穏が出やすいような気がして、つい眠気がとれるまで寝かせてしまっていたけれどそれがよくなかったと反省。

退院したら、夫にお願いして毎朝決まった時間に娘を起こしてもらおうと心に誓いました(他力本願)

だんだん様子がおかしくなる娘

時がたつにつれて娘の口数がだんだん少なくなっていきました。
雰囲気的に洗浄強迫が出ている様子もあります。

「頓服飲んだら?」と聞いても首を横に振るだけです。

外出を終えて病棟入り口まで娘を送り届けました。

出迎えにきてくれた担当看護師さんに「これから15分面会したいです」と聞く娘。

どうも外出後でも面会という形で15分間は面会室が使えるようです。

しんどそうだし部屋に戻った方がいいような気がするけど・・💧

看護師さんが荷物チェックをしている間、娘は私の手をずっと握っていました。ただ私の方はあまり見ようとしません。

不穏?と思ったのですが、看護師さんとは普通に話をしています。
私にだけ不穏?なにかやらかしたかな・・💧

15分たつと娘はスッと立ち上がりそのまま面会室を出ていきました。

看護師さんが「ちょっと疲れてしまったかもしれませんね。少し様子をみて声をかけてみますね」と言ってくれました。

夜の部のLINE

仕事から帰った夫に、今日の娘の様子を話しました。

「規則正しい生活は大事だよな。退院したら毎朝俺が起こすようにするよ」
お願いしなくても言ってくれた・・神か✨

しばらくすると娘から夜の部のLINEが届きました。

『今度、主治医の先生に外泊させてくださいって頼んでみる』

「が・・外泊!?外出じゃなくて?」と困惑する私。

『一度家でどのくらい強迫が出るか試してみたいの。もしダメだったら入院期間をのばしてもらいます。一度退院してからの再入院したくないからです。家庭的にはどうでしょうか おやすみなさい』

家庭的には・・賛成しかねますとしか・・💧

「この前、主治医の先生と話をしたから外泊許可は出さないとは思うけど、今回の入院は一度目と違っていろいろ振り回してくるな。」と言う夫。

二人で話し合い「この件はもう主治医の先生におまかせ(丸投げ)することにしよう」と決め、娘には『おやすみ』とだけ返しました。



ここまでお読みいただきありがとうございました。

いつもスキやコメントをありがとうございます。
とても励まされています。

だんだん入院時の記憶が薄れてきているので、メモとLINEを見ながら必死で記録しています。

娘が教えてくれることもあるのでとても助かっています💧

面会室で娘が目を合わせなかったのは「帰りたくなっちゃうから」だったそうです。その流れで『合法的に帰るなら外泊』という手段を思いついたのでしょうね。いろいろ成長を感じます 笑


入院9日目はこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?