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画廊の楽しみ方ーーなんで画廊に足を運ぶのか(50)

京都は、豊かな鴨川に支えられていますが、上流へと登っていくと、雲ケ畑の岩屋山志明院に行き着きます。

この寺は、役行者が創建し、弘法大師が、再興したお寺です。

弘法大師は、寺域の奥にある神降窟に、滴る水滴をさして、賀茂川の最初の一滴と定義したそうです。

歌舞伎十八番の「鳴神」は、水の伝説とまつわる志明院をモデルとしたものです。

宮崎駿の「もののけ姫」のモチーフも、この志明院に由来しているようです。

 かつて、鴨川の上流に、ダムを建設する計画が立ち上がったことがありました。志明院の先代の住職は、ダム建設によって失われる京都を守ってきた豊かな自然が破壊されること、そしてその治水計画の杜撰さを憂い、反対運動をおこします。

さまざまな妨害をうけながらも、ダム建設を中止に追い込みます。

 思想の科学研究会の京都集会を開催した際、みんなで志明院にでかけました。その際、田中真澄さんには歓待していただきました。
 その時のことは、思想の科学研究会年報の二号に触れられています。

 住職は、昨年亡くなられたので、今回、お線香をあげにうかがって次第です。


 志明院の住職をはじめとして、京都の変わらぬ姿を守ろうとする、そのような努力によって、歴史と美の遺産の京都は、守られてきたのでしょう。

画廊の楽しみ方、京都散策、これにてまとめたいと思います。

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