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画廊の楽しみ方ーーなんで画廊に足を運ぶのか(38)

 前回、アーティストについて、彼らのことを、美の高みを目指して、自分のオリジナリティを求めて邁進する人のように考えるのは、僕らの、思い込みの、期待の投影に過ぎないかもしれないと書きました。

 でも、それは、アーティストだけにとどまりません。全ての医者が、患者を優先して生きているでしょうか、そして医療でのみ生きているでしょうか?政治家が、国民の公僕として、国民のために滅私奉公しているでしょうか?科学者が、学問的真実に従って生きているでしょうか?
 多くの存在は、社会の要請、こういうと聞こえはいいのですが、人々の欲望の総体にいかに絡め取られているかともいえるでしょう。

 理想的でもない、天上のものでもない地上のうつし世の社会の泡沫のように結びては消える儚き存在のひとつとして、美術の世界のスターダストたるアーティストも輝くのでしょう。

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