平能哲也(Tetsuya Hirano)

東京出身、在住。本業は危機管理・広報コンサルタント。大学卒業後PR会社に16年勤務し、…

平能哲也(Tetsuya Hirano)

東京出身、在住。本業は危機管理・広報コンサルタント。大学卒業後PR会社に16年勤務し、1998年に独立して個人事業主に。企業や自治体への研修・セミナー・講演、マニュアル、模擬記者会見訓練などの業務に従事。趣味の日本映画研究では2005年に「成瀬巳喜男を観る」(ワイズ出版)を出版。

最近の記事

~日本語の曖昧さや特殊用法を再認識させてくれる面白い本を読んだ~

最近、面白いというか、読んでいて痛快な本を読んだ。 タイトルは「ニッポン政界語読本 会話編」(著者:イアン・アーシー、太郎次郎社エディタス 2023)=下記参照 この本を読んで感じたことは二つ。 (1)講演やスピーチ、答弁(国会、記者会見など)における「理想と現実」 (2)普段意識せずに使っている日本語の不可思議さの指摘 まず(1)について 私は20代から30代の会社員(PR会社)時代には、いろいろな内容のセミナーに出向き専門家の講演を聴くことがあった。40代に独立して危

    • 【危機管理広報】~小林製薬の2回の緊急記者会見レビュー~

      連日メディアやインターネット等で報道されている小林製薬。 小林製薬の危機管理(平常時のリスクマネジメント及び緊急時のクライシスマネジメントの両面)については、いろいろと検証したい点もあるのだが、長くなってしまうので今回は3/22と3/29の2回の緊急記者会見(以下会見)について、危機管理広報(クライシス・コミュニケーション)の視点で検証する。 私はYouTubeでのライブ及びアーカイブで視聴した。 下記のYouTubeは3/22の会見のアーカイブ映像。 会見はそれぞれ同

      • 【音楽】小澤征爾指揮の演奏をレコードで初めて聴いたのは、プログレッシブ・ロックYESの3枚組ライブアルバム「YES SONGS」のオープニングだった。

        世界のオザワこと小澤征爾さん(以下:敬略称)が2/6に亡くなられた。88歳。 ご冥福をお祈りしたい。 タイトルに書いたのだが、私がまだクラシック音楽に関心が無い、ロック少年だった15歳か16歳の頃、確か友人の家のステレオで初めて聴いた「YESSONGS」(1973)のレコード(3枚組!)のオープニングが、小澤征爾指揮、ボストン交響楽団演奏とライナーノーツに書かれていたと記憶している。 私が今持っている2枚組のCDのライナーノーツには、小澤征爾と言う名前は書かれていないよう

        • 【テレビドラマ】旧作ドラマ=山田太一オリジナル脚本「想い出づくり。」と新作ドラマ=宮藤官九郎オリジナル脚本「不適切にもほどがある!」を観て。

          私は新作のテレビドラマを観る機会は少ないのだが、TBSで1/26(金)から始まった話題のドラマ『不適切にもほどがある!』の第1話を録画して観た。 また過去にCSで放送されたときの録画をブルーレイディスクに保存し、これまで2回ほど観ている、山田太一の名作ドラマ『想い出づくり。』が先週からBSTBSでアーカイブ放送されているので、思わずブルーレイレコーダーに録画(第1回~第4回)して、久しぶりに観た。(月-金12:59~) 両ドラマは、「不適切にもほどがある!」が1986(昭

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        • 【危機管理広報】~小林製薬の2回の緊急記者会見レビュー~

        • 【音楽】小澤征爾指揮の演奏をレコードで初めて聴いたのは、プログレッシブ・ロックYESの3枚組ライブアルバム「YES SONGS」のオープニングだった。

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          【音楽】今年2024年は、作曲家アントン・ブルックナーの生誕200年

          新年早々、大地震や航空機事故など心の痛むことが多発している。 そして、私だけではないだろうが、メディア、インターネット、SNSなどの膨大な情報に追われている毎日を送って、いろいろとストレスを感じることも多い。 私の場合、ストレスの解消法は、いい映画(洋画、邦画とも圧倒的に旧作が多いが・・・)を映画館や名画座、過去に録画した数多いブルーレイやDVD、U-NEXTなどで観ること。 そして、やはり音楽を聴くことが一番だ。 家では仕事や読書などの際にYouTubeやSPOTIFYで

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          【テレビドラマ】山田太一さんの脚本ドラマのマイベスト1は「ありふれた奇跡」

          山田太一さんが亡くなられた。ご冥福をお祈りしたい。 以前、有料チャンネルの日本映画専門チャンネルで「山田太一劇場」という特集が長期間あり、そこで放送された作品はほとんど録画してブルーレイディスクに保存した。 「早春スケッチブック」(1983 フジテレビ)、「想い出づくり。」(1981 TBS)、「岸辺のアルバム」(1977 TBS)、「ながらえば」(1982 NHK)、「それぞれの秋」(1973 TBS)、「シャツの店」(1986 NHK)などが特に好きな山田太一脚本ドラ

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          【映画】~小津安二郎監督。数字「12」との関係とは・・・~

          写真=1996年頃、パリのカルチェラタンの名画座での小津映画特集の看板 今年2023年は小津安二郎監督の生誕120年(1903年)、没後60年(1963)の記念年で、各地で展覧会、上映会、イベントなどが数多く行われてきた。 今夜12/2(土)23:00からもNHKEテレで下記のような特集番組がある。 また4K映像などの小津映画上映会も東京・渋谷(12/8-12/14)にて。 私が初めて小津映画を観たのは、1975年頃の高校生の時で、確か『彼岸花』と『秋日和』の2本を続

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          【京都】~今年で30周年の「そうだ 京都、行こう。」キャンペーン。私の一番好きな写真とキャッチコピーは・・・~

          JR東海の有名な「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンが始まったのは、1993年ということで、今年2023年はキャンペーンがスタートして30周年となる。下記ウェブサイト参照。 私は東京生まれ東京育ちだが、京都が好きで、これまでプライベートの旅行や、関西や四国などの仕事の出張の帰りに1泊して立ち寄ることなど合わせると、初めて行った中学生の時の修学旅行から現在に至るまで、おそらく40回くらいは京都へ行っていると思う。住んだことはないが。 京都の神社、仏閣や景勝地などは、有名な

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          【危機管理広報・謝罪記者会見】   ~今年はどうして酷い謝罪記者会見が続くのか?宝塚歌劇団の記者会見を検証~

          今年は酷い「謝罪記者会見(以下:会見)」の当り年なのか? 「ビッグモーター社」「日本大学」に続いて、史上最低レベルの会見が、11/14に行われた「宝塚歌劇団の会見」だ。 インターネット記事の見出しやSNS等の書き込みには「旧ジャニーズ事務所のような」とか「旧ジャニーズ事務所の会見より酷い」といった見出しが散見されるが、これは全くの間違いと断言したい。 本ノートにも何度か書いたが、旧ジャニーズ事務所は故ジャニー喜多川氏の過去の性加害や長年「メディアの沈黙」をさせてきた旧ジ

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          【書籍】「エッフェル姉さん」→ロラン・バルト(Roland Barthes)?

          毎年恒例の新語・流行語大賞。 今年2023はノミネート30本の中に、一時期、写真がSNSで炎上し、各メディアでも批判的に報道された「エッフェル姉さん」が入ったようだ。 「エッフェル姉さん」について今さら批判的なコメントをするのもバカバカしいので省略するが、エッフェル塔と聞いて私が想起したのは、今から40数年に大学で習ったある書籍だ。 それは、ロラン・バルト(Roland Barthes)の著作「エッフェル塔」(La tour Eiffel)1964。ロラン・バルトは有

          【書籍】「エッフェル姉さん」→ロラン・バルト(Roland Barthes)?

          【音楽:ロック】~ウッドストック1969にこんなアーティストが出ていたとは知らなかった~

          私は1967年くらいから1976年くらいまでのロックミュージックはかなり詳しいと自負していた。 1970年-76年くらいの中学、高校時代は、ロックやポップスをレコードやラジオなどで聴きまくっていた。 もちろん、それから50年以上経った今でも、当時のロックやポップスをi-Pod、YouTube、最近ではSpotify(無料版)でジャズ、クラシック、j-Pop、落語などとともに毎日聴いている。 最近、図書館で見つけて借りた本が、 「文藝別冊KAWADEムック ウッドストック19

          【音楽:ロック】~ウッドストック1969にこんなアーティストが出ていたとは知らなかった~

          【マンガ】~ちばてつや著「アリンコの歌」(3巻)を53年ぶりに再読~

          私が夢中になってマンガ(週刊誌やテレビアニメなど)を読んでいたのは、8歳(1966)~14歳(1972)くらいの短い時期で、それ以降は手塚治虫先生の単行本など以外はほとんど読んでいないし、少年誌、青年誌などの雑誌はそれこそ50年くらい1冊も買ったことがない。 中学2年くらいから興味が「映画」「小説」「音楽(特にロックやポップス)」などに移り、漫画はほとんど読まなくなった。 タイトルに書いたちばてつや先生(→お会いしたことはないのだが)。 手塚先生(前に本noteに書いたが1

          【マンガ】~ちばてつや著「アリンコの歌」(3巻)を53年ぶりに再読~

          イヴ・サンローラン展の作品を観て、ある旧作日本映画を思い出した話

          国立新美術館で開催中の「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」に行ってきた。 4月に行った「ディオール展」(東京都現代美術館)に比べると、会場の展示は非常にシンプルで(ディオール展は各展示会場のデザイン自体も凄かった)通常の美術展のような見せ方だったが、逆にサンローランの作品に集中して鑑賞できたので、私はかなり気に入った展覧会だった。 サンローランやモード作品については、多くの方がすでに書かれているし、私は女性服を論じるような知識も、着用した経験も無い(笑)ので、タイ

          イヴ・サンローラン展の作品を観て、ある旧作日本映画を思い出した話

          「メディアの沈黙」→「メディアの饒舌」へ?

          10/2の記者会見後も連日続いているジャニーズ事務所(10/17に社名変更) 関連のメディア報道。 タイトル通り、以前の沈黙ががらっと変わって今ではすっかり饒舌に変化している。 私自身、インターネットメディア「ビジネスジャーナル」からメール連絡があり、危機管理・広報の専門家としてコメントを求められたので、お受けして電話取材を受けた。10/5掲載の記事は下記参照。後半部分に私のコメントと簡単なプロフィール紹介が掲載されている。 ここ数日、特に報道が過熱したのは、もちろん「記

          「メディアの沈黙」→「メディアの饒舌」へ?

          (速報)10/2のジャニーズ事務所記者会見を見て感じたこと。

          本日10/2(月)、都内のホテルの会場で14:00-16:00過ぎまで行われた、ジャニーズ事務所の記者会見(以下:会見)をYouTubeのライブ映像でリアルタイム視聴した。メモを取りながら。 今回の登壇者は、前回9/7と同じ東山紀之氏、井ノ原快彦氏、顧問弁護士=木目田裕氏の3人、と今回初めて新任のチーフ・コンプライアンス・オフィサー=山田将之氏の4人。前回出席した藤島ジュリー景子氏は出席せず、自身の手紙を井ノ原氏が代読するという形だった。 冒頭40分ほど、被害者等への再度

          (速報)10/2のジャニーズ事務所記者会見を見て感じたこと。

          私がジャニー喜多川氏の性加害事件を知ったのは月刊誌「噂の眞相」だった。  

          写真=沖縄「ナガンヌ島」のビーチ(2013年撮影) 明日10/2の午後2時から、ジャニーズ事務所の記者会見がある。 前回の9/7の(謝罪)記者会見も大きな関心を集めたが、今回は新社名や今後の組織、被害者への具体的な補償など、会見の冒頭で説明されるであろう内容を考えると、前回以上の大きな関心を集めているように思われる。YouTubeで紹介されていた案内状には2時間(予定)とあるが、前回のような質問の多さからいうと2時間で終るとは到底思えない。 私はこれまで30年ほど、仕事(

          私がジャニー喜多川氏の性加害事件を知ったのは月刊誌「噂の眞相」だった。