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とある美術館の夏休み+つくりかけラボ

今日は家族と千葉市美術館へ。企画展「とある美術館の夏休み」と、同じ館内のつくりかけラボ「堀由樹子|えのぐの森」を楽しんだ。

館外

8階から入り、いろいろな人のいろいろな展示を楽しんだ。一人のアーティストのエリアでも、作品の材料や手法は様々だった。

瓦や絵画、照明など、ご本人の作品の他、市美が保管しているいろいろな作品と、そのそばの文章の組み合わせが楽しかったりした。
千葉の人は、良い展覧会へ行くというと上野へ行く、というようなことが書かれているそばに、織田一麿《東京風景 上野之桜》などが展示されていたり。(中﨑透)

装飾的な燭台のような止まり木に乗っている白いオウムが描かれている、伊藤若冲「鸚鵡図」などが展示されているそばで、鳥かごの中に鳥のイラストや英単語が入っていたり。(ミヤケマイ《エデンの西》)

きらびやかな感じの金地の屏風に、赤と白が混ざったカーネーションのような華やかさのツバキや、少しの白梅が描かれている、田中一村「椿図屏風」のそばで、本物の木や植物を材料にした絵画のようなインスタレーションがあったり。(ミヤケマイ《エデンの東》)

少し先まで透けて見えている掛け軸がたくさんあったり。(ミヤケマイ《カミヲハル》)

ジョルジュ・ビゴー《稲毛海岸》が展示されている近くで、いなげの浜で撮られたと思われる写真がたくさん展示されていた。影の多い素敵な印象の写真だったり。(清水裕貴)

恩地孝四郎《白亜(蘇州所見)》を見た後は、何だか似た雰囲気の画の中に、自分が入れてしまったり。(津田道子《白亜の回廊》)

7階に下り、目[mé]の展示は、いつかの個展「非常にはっきりとわからない」を連想する、作業途中風の展示だった。子どもが、何か落ちてると拾ってしまいそうな雰囲気だった。(それも展示物)

目[mé]《アクリルガス》のそばに書かれている文章も、校正の赤が入っていたり、内容的にも、何だかおかしみのある文章が楽しかった。

撮影可なのは7階の途中から。(撮影可のエリアに入っても撮影不可の展示もあり)

きぐう編集室《日常を編む》
読み切れない量の日記で構成された通路。きぐう編集室《日常を編む》
Mitosaya 薬草園蒸留所
井口直人×岩沢兄弟

《複写真機<!--コピーーーーー機-->》では、家族がたくさん遊んでいた。取り込まれるラインのそばで手を振り、手の色の波線を写したり。楽しいインスタレーションだった。

鳩居堂の防虫剤が入った瓶。瓶の蓋は開けられる。井上尚子《記憶の鼻腔》
文化屋雑貨店《とある夏休みの雑貨店》
文化屋雑貨店《とある夏休みの雑貨店》

最近の作品が多かった。こんなに楽しいことをしているアーティストがたくさんいて、それを見られた、ということに幸福感があった。

つくりかけラボでは簡単な工作を楽しんだ。思い思いの葉や生き物が増えている最中で、どんな森になっていくのか楽しみな雰囲気だった。壁面に描かれているのは幹や枝。訪れた人が貼る葉で森になっていく。

いろいろな色に着色された紙や、植物図鑑、葉のラインが描かれている用紙、何も描かれていない用紙、大きさも色も様々に準備されていた。

子どもは、葉が描かれた紙に色鉛筆で着色し切り抜いていた。
夫は、イチョウらしき葉が描かれた紙に、クレヨンで着色し切り抜いていた。

私は、何もないグレーのハガキくらいの紙に、余り物が入ったボックスから紙の破片をいくつかいただき、気ままに千切り、葉のような雰囲気に糊付けし、ざっくりと切り抜いた。

何となく似た色合いの場所に貼った
貼った周りには、思い思いの植物や生き物

私としては、頭を使ったことは全くしていない思いつきの作業だったが、何かを作る時間は単純に楽しかった。子どもだけではなく、大人にも貴重な時間だろう。そんな時間の集積がどうなっていくのか、また見てみたい気がした。