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ココロの眼‐第三章 上司

同期の部下は厄介だ。

 佐久間は嫌な顔一つせず部下としての役割を全うしてくれている。
 アイツはいいヤツだ。
 同期で一緒にバカをやったのは間違い無く佐久間だったし、アイツと飲むのが一番ラクで楽しかった。

 ノーパンしゃぶしゃぶに行ってみないかと誘ってきたのは佐久間だ。
 若い女子の尻を見上げて、しゃぶしゃぶを食べる。
 今では日本人として恥ずかしいとさえ思うが、バブル期の象徴でもある。
 下見だとアイツは言っていたが、その後にお客さんを接待したなんて話は聞いていない。
 狂乱という言葉が相応しい流れに乗りたくて仕方なかった、いかれた若造だったかも知れない。
 楽しかった。
 ただどんなに飲んでも、それが朝になろうが仕事に遅れたことはない。
 それがオレらのルールだった。

 会社の受付で働いていたミツヨさんは美しかった。
 ちょっと年上なのも良かった。
 笑顔は忘れない。
 学生の時とは全く異なる感覚で、『惚れる』という体験だった。

 オレが先だった。

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