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点字【てんじ】を学ぶ

「点字の理論と実際」という授業を取っています。
必修ではないのですけど、
ワタシがこの後に点字を使うかは置いといても、
点字とはなんぞや?
ってことの入り口も知らないのは、
視覚障害者の一員としては、ちょっと肩身が狭い感覚っていうんですかね。
そんなこと、誰に言われるわけもなければ、きっと言われないのでしょうけど、
自分のその感覚を尊重して、履修科目として授業を受けてます。

点字って、なんとなく触ったり見たことはありますよね。
でも、あれがどのような仕組みで文字なりの表現をしてるのかは知らない。
そんな感じの人が多いんじゃないかな?
って想像します。

そもそもんところで「文字」を表現するために、
点字は幾つのポツポツを利用しているか?
ご存じですかね?
ワタシはそれも知りませんでした。
答えは6個。
こんな感じです。
段落に関係なく図としてご覧ください。

①④
②⑤
③⑥

って縦に3個で2行に並んだ規則的な6個の場所にポツっとあるのかないのか、
ってことで、文字を表現します。
例えば、50音の「あ」は


②⑤
③⑥

①の点だけがポツッと浮き上がってる。
続けますね。
「い」は①と②



③⑥

「う」は

●●
②⑤
③⑥

「え」です

●●

③⑥

「お」は



③⑥

って感じ。
並べると

●○ ●○ ●● ●● ○●
○○ ●○ ○○ ●○ ●○
○○ ○○ ○○ ○○ ○○

これで、「あいうえお」ってことになります。
カ行は、これに⑥の点をポツっとする。

●○ ●○ ●● ●● ○●
○○ ●○ ○○ ●○ ●○
○● ○● ○● ○● ○●

これで「かきくけこ」。
これだけでも、

●○ ●○ ○●
○○ ●○ ●○
○○ ○○ ○●

「あいこ」とか、

○● ●○ ●○
●○ ○○ ○○
○○ ○● ○●

「おかか」ってワタシはおにぎりで絶対に選ばないやつとか。

では、皆さんに演習問題です。
これは?

●● ●○ ○● ●●
●○ ●○ ●○ ○○
○● ○○ ○● ○●

どうですかね?

け、い、こ、く。
けいこく。
ってことになります。

サ行はア行に⑤と⑥に。
とかって合理的に文字が表現されてくんです。

で、
マ行を紹介します。
ア行に③⑤⑥をポツっとする。

●○ ●○ ●● ●● ○●
○● ●● ○● ●● ●●
●● ●● ●● ●● ●●

これで「まみむめも」。

こうやってブログで皆さんにお伝えするために、
って伝え方をしてますが、そこはツルッとしてるわけですね。
んとこにはなんもない
で、がポツしてるってことになります。
これによって、点字で何通りの文字が表現できるか?
まず、
①の点がなのかなのかって2つの表現が出来る。
②も③も、
④も⑤も⑥も、
それぞれがで2つの表現をする。
規則的に並んだ6個のなのかなのかの表現によって、
2✖︎2✖︎2✖︎2✖︎2✖︎2で、
64通りの表現が出来るということになります。

1個目が

●○
○○
○○

の「あ」という表現に始まって、
ぜんぶがになる文字。

●●
●●
●●

これが
「め」なんです。

64通りの点字を使って文字という相手側の表現を理解する。
また、64通りの点字を使って自身で文字を表現する。
点字【てんじ】という文字通りの
字【じ】によるコミュニケーションが可能になってる。
その点が6個の点の全てをポツっと埋め尽くした文字で、
64通りの総大将みたいなのが
「め」。

これ、
「目」
ですよね。

点字は1825年にフランス人のルイ・ブライユって人が開発したんだそうです。
14歳の目の不自由な少年だったそうです。
日本では、1887年に石川倉次って人が、ブライユの点字を日本版にアレンジして完成させたんだそう。

この石川さんが、

○○
○○
○○

では、何にもわからない紙っぺらに、

●●
●●
●●

って64通りで視覚障害者に「め」を与えたのかは、
意識的だったのか、
偶然だったのか、

諸説があるらしいですが、
意識してなくても、意識してても、
どっちにしても、
「め」は「目」だなってことで、
授業中にウットリしちゃう学びでした(^^)


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