令和6年5月14日 参議院法務委員会 民法等の一部を改正する法律案(閣法第47号)おときた駿議員 質疑
令和6年5月14日 参議院法務委員会
民法等の一部を改正する法律案(閣法第47号)
おときた駿議員 質疑
おときた駿議員
日本維新の会 教育無償化を実現する会のおときた駿です。本法案の論点である共同親権・共同養育について、私自身シングルマザーと結婚し、長女と養子縁組をして、再婚の家庭を築いており、いわばこの問題の当事者の1人であります。だからこそなお、家族のあり方は様々であると承知をしておりますが、私個人としても、また日本維新の会としても、子どもの最善の利益のため、共同親権共同ようという選択肢がより幅広く捉えていくよう、推進していくことが望ましい。もちろんDV等の特段の事情がある場合は、しっかりと配慮をしながら、やはり共同人権・共同要求選択肢を幅広く取れるよう推進していくことが望ましいという立場から、本日は党の政策責任者として、自ら本法案に対する質疑に参りました。法務大臣、法務省の皆様、また最高裁判所の皆様、ぜひ建設的かつ前向きなご答弁をよろしくお願いいたします。
さて衆議院あるいは本院でもここまで議論があった通り、今回の政府案は原則の共同親権にまでは至らなかった点、共同養育計画を策定に向けて強力な実行力に欠ける点などが懸念されるものの、DV被害者の保護について配慮等を行いながら、単独親権しか存在しなかった我が国に初めて共同親権という選択肢を示す一歩前進の法案として評価をいたしております。しかしながら、なお残る改善点を中心に法の運用において重要な点を指摘しながら、いくつかのテーマについて確認質問をいたします。
初めに、本改正による国際的な影響について伺います。現状諸外国から日本の連れ去り問題が非難をされ続けている状態にあります。例えば、2020年にEUが子どもが片方の親に一方的に日本に連れ去られる事例が依然多い事に懸念を表明し、日本政府が子どもの保護に関する国際ルールを実行し、共同親権に道を開く法改正を求める決議を賛成686票、反対1票、棄権8票で可決をしています。その後2021年にはフランスのマクロン大統領、2022年には国連人権規約委員会、2023年にはオーストラリア政府から同様の非難がされており、そして本年には、オーストラリア大使館主導で日本政府に対し、EUや英国、ドイツ大使館などとの連盟で9カ国から連れ去り禁止に関する署名が提出された他、岸田総理が訪米中に米国のスミス下院議員より「500人以上の米国人の子が日本に連れ去られた。日米関係のために、これらの家族を再会させるため公的公約を求める。」といった書簡が、直接電話されて渡されたという報道もございます。つまり、法改正によって制裁問題に適切な対処がなされることは、これ国内のみでなく、諸外国からも求められているという事になります。そこでまず外務省にお伺いいたします。今回の法改正によって国境を越えた子どもの連れ去り問題にどのような影響があると認識されているのでしょうか。共同親権の導入がハーグ条約の運用にどのような変化をもたらすと考えているかこの点をお答えください。
外務省大臣官房 長徳参事官
お答えいたします。ハーグ条約の対象となる国境を越えた子の連れ去り事案については、日本はこれまで同条約に基づいて適切に対応してきております。ハーグ条約は親権をどちらの親が持つのか、子がどちらの親と暮らすのかなどこの監護関する事項について決定する事を目的とするものではございません。 この条約は、子の監護に関する事項について決定するための手続きは、子が慣れ親しんできた生活環境がある国で行われるのがその子にとって最善である。との考え方に立ち、あくまでその子、子が元々居住していた国に戻すための手続きなどについて定めた条約となっております。 従って離婚後の共同親権制度が導入されたとしても、このようなハーグ条約の運用自体に変化をもたらすものではないと考えております。
おときた駿議員
はい。外務省としてはこの国内法とハーグ条約、これ別の枠組みだという整理なんでしょうけども、今のご答弁ですとせっかく今回この共同養育に大きな一石を投じる国内法が改正されるのに、そんな国際的な無意味なものなんだというふうにもとられかねないというふうにまず、果たしてそれが政府の発信すべきメッセージとして妥当なのかどうか、私は疑問が残ります。そこで法務大臣にも伺います諸外国からの非難が続いている子の連れ去り問題は、今回の法改正で改善する何らかの影響があると感じておられているでしょうか? そうでないのであれば、別途の対応がまた必要になってくると思いますが、法務大臣の見解をできれば前向きな形で伺えればと思います。
小泉法務大臣
本改正案では、共同親権に関わる規定の他に、子に関する権利の行使に関して父母が互いに人格を尊重して協力しなければならないという規定を置いております。これ父母の一方がなんだの理由なく、他方に無断でこの居所を変更する行為つまり、連れ去り、これは個別の事情によっては、この規定の趣旨に反すると評価される場合があり得ると考えております。本法案は、国際的な子の連れ去りに関する制度を見直す直接的に見直すものではありませんけども、今申し上げたような点から考えますと、本改正案、国内における委員ご指摘の問題の改善に資するものであると考えております。
おときた駿議員
今の法務大臣がご答弁いた通りだと思います。やはりこれは我々国際法であるといってもですね、これは日本人の行動変容というのも期待されるものと思いますし、ポジティブな効果があると思いますので、その点をしっかりと政府として私は発信していくべきだというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
次にですね、まさに今ご答弁もありました子の利益に関する父母間の人格尊重と協力義務ついて伺います。新条文の民法第817条の12第2項は、父母は婚姻関係の有無に関わらず、子に関する権利の行使または義務の履行に関し、その、子の利益のため、互いに人格を尊重し、協力しなければならないものとする事とあり、これが今回新設された、いわゆる子の利益に関する父母間の人格尊重と協力義務という声は極めて重要なものであります。裁判所が本改正後に親権選定をする際、この義務違反があったかなかったかも考慮要素の一つとなるという事が、これまで衆参の委員会で法務省からも説明答弁がなされてきました。ですが当然、この義務は、本改正で新設をされたものですから、これまで判例でこの義務について争われたケースはもちろんありません。そのため、裁判所は今国会での議論も踏まえて、事例ごとにこの義務違反かどうかを判断していく事になります。そこで少し細かいのですが、有識者や当事者が懸念している典型的なケースをここでは三つほど挙げて義務違反に当たるのかどうか、当たらないのかこれを伺いたいと思います。
第1に入学式や卒業式、運動会などといった学校行事参加に関して、同居親が合理的な理由なく、例えば顔を合わせるのが嫌だからといった理由で、別居親の参加を拒否している場合。
第2に別居親から子にあげたプレゼントを子に渡さない、子意思に反して捨ててしまうなどの行為を同居親が行った場合。
第3に片方の親の影響を受けて、例えば悪口を言い聞かせるなどで、子がもう一方の片方の親に対して拒否的な感情を抱くに至った場合。
これらの場合について、新設される子の利益に関する父母間の人格尊重、協力義務を違反したことになるでしょうか?またそのような行為をしている場合は、親権選定のマイナスの考慮要素となるんでしょうか。できる限り具体名答弁をいただければ幸いですが法務省に伺います。
竹内民事局長
お答えいたします。本改正案では、委員ご指摘の通り親権や婚姻関係の有無に関わらず、父母は子の人格を尊重して、その子を養育しなければならない事を、父母に関する権利の行使または義務の履行に関し、子の利益のため、互いに人格を尊重し、協力しなければならないことを明確化することとしております。お尋ねのようなケースも含め、どのような場合に子に関する権利の行使、または義務の履行に関する父母双方の人格尊重義務や協力義務に違反すると評価されるかは個別具体的な事情に即して判断されるべきことでありまして、一概にお答えすることは困難なところではございます。その上で一般論として申し上げますと、父母の一方が合理的な理由がないのに、子の利益に反する形で他方の親と子との交流を妨げたり、これは委員ご指摘のAやBの事案に当たることがあるのかと思いますが、また子の面前で他方の親の誹謗中傷をするなどの行為、これは委員ご指摘のCの行為に当たるものと思います。
おときた駿議員
ふと三つ挙げていたらABCというふうに御指摘いただきましたけども、一般論として当たる可能性があるという事であります。今後のこの事例が増えていくと思いますけども、この想定される義務違反のケースのシミュレーション、法務省裁判所もしていただきたいと思いますし、今のようなやり取りがあったという事を裁判所の方も重く受け止めていただければというふうに思います。その上で今回新設される子の利益のための父母間の人格尊重協力義務は親権の有無や婚姻の有無に関係なく、子の利益を最優先に考える重要な理念を示した条文です。 法律は通常、社会に実際に発生した課題などの立法事実に基づいて制定、あるいは法改正がなされます。一方この法律の理念は、制定時において普遍的かつ不変。根本的に変わらないものであるべきです。つまりこの新設される条文の理念も法律が成立する時点から将来にわたって変わらない子どもの利益を最優先に考えるという普遍的な価値観を示しているはずであります。 つまり何を申し上げたいかと申しますと、これ法律全体の施行までに2年以内という期間が設けられていますが、この新設される理念の条文に関しては、法案成立直後から部分的に施行や運用を開始することが可能なのではないでしょうか?子どもの利益を守るためには、できるだけ早期にこの理念を実践に移していくことが重要です。新設される条文の理念が普遍的で変わらぬものであるなればこそ、他の制度設計に時間を要する部分の施行を待たずに、例えば裁判所がその理念を考慮するこれ開始するということはできるはずです。 この点について法務大臣のお考えを伺えればと思います。
小泉法務大臣
お考えの趣旨はよくわかります、はい。しかし、全体としてこの制度、また理念も含めてでありますけど、国民に与える影響が非常に大きなものがあると思います。全体像を正確に把握していただく必要がやはり非常に大きいというふうに感じております。また一方で、関係機関による準備も裁判所も含めて必要だと。やはりどうしてもこれは2年の準備期間を経て、トータルな制度として理念も含めて施工することがやはり一番スムーズな施工の方法ではないかというふうに私は考えます。
おときた駿議員
はい。もちろん法律案はパッケージで作っているので、中々それを一部切りでしたと言うのは難しいと、即座に言う事はできないと思います。趣旨は理解できるというご答弁もいただきました。これは意見があったという事を、しっかりと法務省もまた裁判所も頭に留めておいていただければ大変幸いでございます。
次に、先ほど国際間の問題でも取り上げました、国内における子の連れ去り行為。この問題についてお伺いをいたします。これ、連れ去りだけでなく、追い出されるという場合もありますので、引き離しといった方がもはや正確のかもしれません。現行の単独親権の法の仕組みですと、DVからの避難などではなく、離婚やあるいは親権獲得となるための手段として、子の連れ去り、あるいは子の追い出しが多く横行しているという事がこれまでも指摘をされてきました。この話を挙げますと、父親から母親、父親の元から母親が子どもを連れて出ていくというケースを想定される方が多いですようですけども、父親が子どもを連れていく、あるいは母親を追い出して引き離すというケースも確認されていますし、そうした女性の当事者から私も実際に相談を受けてまいりました。無論、本当にDVなどの被害者である場合、虐待がある場合、こちらは速やかに避難させる必要がありますが、残念ながらそうではないと言うケースもある事がわかってきております。一方で今回の法改正に伴い、衆議院法務委員会における法務省の答弁によりますと、父母の一方が何ら理由なく、他方に無断で、子の居所を変更するなどの行為は、個別の事情によっては、この規定の趣旨にも反すると評価されているとのことでした。そうすると、子の連れ去りが、父母双方の人格尊重義務や協力義務等に違反すると判断される具体的な基準や考慮要素が重要となってきます。例えば、連れ去りの動機や経緯、連れ去り前後の父母間の協議の有無や内容、子の意向などはどのような点が判断において重視されるのか、これ現時点で法務省のお考えをお伺いいたします。
竹内民事局長
お答えいたします。本改正案では、子に関する権利の行使に関し、父母が互いに人格を尊重し協力しなければならないとしており、父母の一方が何ら理由なく、即ち急迫の事情などもないのに、他方に無断で子の居所を変更するなどの行為は、個別の事情によってはこの規定の趣旨にも反すると評価されると考えております。 お尋ねの父母による子の居所の変更が、父母双方の人格尊重義務や、協力に違反すると判断される個別具体的な事情について、一概にお答えすることは困難ではございますが、あくまで一般論としてお答えをいたします。お答えすれば、例えばご指摘の当該行為の動機や経緯に別居前後の協議の有無や内容、子の年齢や子の意向の他、従前の父母と子との関係や、父と母との関係などを様々な事情が考えられるところでございます。
おときた駿議員
当然の事は何れも考慮要素という事で、なおのこと、裁判所はこの慎重な審査が求められる事となると思います。ご答弁はやっぱり、今の時点でどの要素がどの程度という事は具体的にいただけないわけですけども、次ちょっと大臣に長くなりますが、またお伺いします。一方ですね、そもそも子の連れ去りという行為は、親子の養育権、憲法13条の侵害に当たる人権侵害行為であり、また児童の権利条約9条1項に違反するという指摘もあるところです。そのため、親権者の指定や変更の審判において、子の連れ去り行為は他の要素と比して、重要な考慮要素、すなわち本法案の義務違反として重く受け止められる要素となり得るのではないでしょうか?他の要素、例えばそれまでの監護の状況や、子の意向との兼ね合いで、連れ去り行為の評価が変わるという可能性はあるのでしょうか。その上で、本改正案によりですね、連れ去り引き離し、これ抑制する効果というのが一定期待されるところでありますが法務大臣のほ見解をお伺いいたします。
小泉法務大臣
本改正案では、裁判所が離婚後の親権者を判断するにあたっては、子の利益のため、父母と子の関係や父と母との関係、その他一切の事情を考慮しなければならないとされております。子の連れ去りという要素、これはもちろん大きな要素ではありますが、他の考慮要素との関係で、どの程度重視されるか、これまさに個別具体的な事案に即して判断されるべきものであるということで、一概にはお答えすることは困難でございます。しかし、本改正案は、子の連れ去りの問題の改善に資する、これは先ほど申し上げた通りでございまして、そういう方向の作用を持つということは間違いないと思っております。
おときた駿議員
勿論、これDVや虐待、こうしたケースもございます事から、連れ去りを持って、直ちに義務違反とされるような乱暴な運用も、また避けなくてはなりませんが、特段の理由なく、親権を確保するためだけの連れ去り引き離しについては、これは本法改正で抑制されると期待しております。実際そうなるように運用していただきたいと考えているところです。これ抑制の効果は今後の裁判所の判断によっても変わってきますので、引き継ぎ注視をしてまいりたいと考えております。
次にですね、親子交流についてお伺いをいたします。DV被害や虐待のケースを除けば、離婚した夫婦の子どもにとって、両親との継続的な関わりは、子どもの健全な育成のためにも、子どもの権利のためにも重要と考えます。しかしながら、我が国の裁判実務では、同居親が別居親の同意なく、数ヶ月から数年間、良好な関係にあった親子を引き離し、親子交流すら阻むことを可能としており、実際そのようなケースが散見されると仄聞をしております。その上、このような状況下で、別居親が面会交流を求めて、家庭裁判所に申し立てを行っても、調停の調停調書において、例えば2ヶ月に1回程度、未成年者と面会し交流することを認める、そのとき場所、方法などについては、子の福祉に配慮し、当事者双方で協議して定めるといった抽象的な書きぶりが多い事により、いわゆる間接強制が付与されず、面会交流実現を確保するための実効性が極めて乏しくなっているのが現状です。そこでまず法務省さんに伺いますが、本省はこのような運用の実態を認識しているのでしょうか。すなわち、面会交流の取り決めにおける抽象的な書きぶりが多いこと、及びそれに伴う間接強制の付与の困難さについてどのように認識をしてるのか、まず法務省に伺います。
竹内民事局長
お答えいたします。親子交流に関する事件の審判の内容等について、統計的な調査を行っているものではありませんが、親子交流につきましては、父母の協力のもとで実施されることが望ましいとの理由により、柔軟に対応できる条項が定められた結果として、監護者がすべき給付の特定に欠け、性質上間接強制が認められない例があることは承知をしております。
おときた駿議員
法務省も間接強制が付与される例があるという事を認識してるというご答弁でありました。これそうだとすると子どもの利益を最優先に考えた面会交流の実現に向けて、法務省として別途ですね、強力な取り組みが必要なのではないでしょうか?繰り返しになりますが、現在の裁判実務では面会を定める調停調書の内容が具体性に欠ける場合、間接強制決定を下すことができないという場合が多いとされています。その結果、DVや虐待が無い場合でも、親交流が遮断されているケースが多く見受けられる。子の健全な成長と発達のためには、離婚後も両親との継続的な関わりは重要であることを考えると、この状況は軽々に感化する事はできません。今回の民法改正を機に、裁判所の審判などにおいても、より具体的な内容を盛り込むことを促し、また、子どもの利益を守るために、面会交流の取り決め、つまり審判調停には幅広く間接強制を付与する実行力を高めることを、これ検討すべきと考えますが、ここは法務大臣に見解をお伺いいたします。
小泉法務大臣
親子交流に関しては、間接強制を可能とするため、具体的な条件等を明確に定める方が望ましいケースもある一方で、子の心身の状態に照らして、その自主性を尊重することが相当な場合など、間接強制がなじまないケースもあると考えられます。裁判所の審判のあり方の当否について、法務大臣としてコメントすることは差し控えたいと思いますが、親子交流支援団体等による支援も含めた環境整備によって、安全安心を確保し、確保した上で、親子交流が実施されることが望ましいと考えられます。法務省としても、こうした環境整備の取り組みについて、関係府省庁等と協力をしてまいりたいと考えます。
おときた駿議員
これ、ちょっと最高裁判…ここ通告してないんですけど、今法務省、裁判所についてはちょっと答弁差しかえという問題もあったんですけども、これより具体的にもう少しこの書き込んでいく、促していくという点について裁判所では何かコメントございますでしょうか?
馬渡家庭局長
事務当局として、個々の裁判の内容に言及する事は差し控えますが、各裁判所では、間接強制ができる条項にするかどうかという事も念頭に事案に応じた定め方というのをしている事を承知しているところでございます。
おときた駿議員
事案に応じてというご答弁、双方からいただいたんですけども、今回法改正を機にですね、やはりこの面会交流の重要性という事をよりですね、意識していただいた運用ということを実施いただきたいと思いますし、この間接強制の面会交流の幅広い実施というのは重要な課題ですから、引き続き取り上げさせて頂きたいというふうに思います。そして親交流について、この問題はさることながら、そもそもの交流の頻度や時間についても、欧米と比較して短いのが我が国の実情です。 しかしながら今回の法改正においても親子交流頻度や時間については盛り込まれませんでした。ちょっと飛ばします。これいろいろ審議中でも議論が賛否両論あったとは聞いておりまして、権利としては認めないという結論でありますけども、諸外国では、明文化された面会交流権や訪問権があるため、単独親権になったとしても、基本的には親子の交流が保障される運用になっています。また、フランス民法典では、訪問権に加え宿泊権も明文化をされています。本法改正の趣旨を鑑みれば、明文化されていないにしても、これ法務大臣に伺います、すいません。明文化されていないにしても、本法改正で、実質的な面会交流権、宿泊権は一定程度保障されると考えてもよいのでしょうか?またその上で、子の最善の利益を目指すグローバルスタンダードとして、将来的にはこの、子どもの面会交流権、宿泊権に関しては明文化を検討していくべきと考えますが、法務大臣の見解をお伺いいたします。
小泉法務大臣
親子交流の法的性質については、それを権利義務として構成するかどうかなどを巡って、様々な見解やご指摘がございます。ご指摘のような権利を明文化するということは現時点で我々困難であると考え、必ずしも相当ではないと認識しておりますが、いずれにしても父母の別居や離婚後も適切な形で親子の交流の継続が図られることが、子の利益の観点から重要であり、本改正案は、婚姻中の父母の別居時における親子交流や、裁判手続きにおける親子交流の試行的実施の規定などを設けることにしております。安全安心な親子交流を適切に支援することに資すると考えております。
おときた駿議員
親交流は重要ということは御答弁いただいたものの、まだ明文化ということについてはですね、なかなか踏み込めない面もあると思いますけども、これは法のやはり施工上鑑みて、引き続き検討していただきたいと思いますし、こうしてやり取りがあったという事をで、ぜひ裁判所司法にも斟酌していただきたいというふうに考えております。
次に時間も少なくなりましたが、DV対応について伺います。今回の民法改正では裁判所がDVや子どもへの虐待などがあると認めた場合は、単独親権となる規定が設けられました。この規定はDVや虐待のある環境から子どもを守るための極めて重要な措置であって、我が党としても、この必要性を強く認識をしております。そしてこの規定が実効性を持つためには国民1人1人がこの法改正の趣旨をしっかり理解をし、同時にDVや虐待問題に対する意識を高めていく事も必要不可欠です。法務省には今回の法改正に関する周知啓発活動を積極的に展開していただきたいと思いますし、また、DV被害者支援の現場で活動する団体とも連携し、被害者の生の声に耳を傾けて、そのニーズを踏まえた効果的な周知啓発課等を展開していただきたいと思います。
1本飛ばしてですね、ちょっと法務大臣に続けて伺いたいんですけども、今回DV被害者の中には、この法改正に対して懸念の声をあげる方もいらっしゃいます。DVの問題、非常に複雑で繊細な問題であって、これ被害者の心情に寄った対応が求められますので、こういったことをしっかり対応して頂きたいと、ただ一方でですね、DVや虐待を理由とした単独親権の申し立ては、時として全てではないです、時として親権を獲得するための手段として濫用をされる恐れがあります。これいわゆる偽装DVの問題です。単に一方の親がDVや虐待申告者というだけで、安易にこの単独親権が認められるようでは、この虚偽の申し出を助長することにも繋がりかねません。真にDVや虐待から保護することは、これはもちろんなによりも優先されるべきですが、同時にこの偽装DVを阻止するということも、重要な課題であると認識をしています。偽装DVと言われるものと、本当に起こってしまっている、痛ましいDVを被害者の保護のバランスをどのようにとっていくのか、この偽装DVに対する法務省認識と今後、具体的にどのような対応指針を持って当たっていくのか、法務大臣に見解をお伺いいたします。
小泉法務大臣
裁判手続きにおいて、当事者の一方が自己の立場を有利にする目的でDVを受けたかのように偽装して主張する場合がある。虚偽DVですか、こういう批判があるということは承知をしております。しかしこれ裁判手続きにおいてですね、裁判所も一方的な一方の当事者の 主張だけで判断するわけではございませんので、反対の意見も双方からまた言い聞いて、そして公平公正な立場から裁判所において、具体的な事情に即して判断されるべきものであり、また判断されるというふうに我々は考えております。こうした事案がある、こうした現象があるという事はしっかり視野に入れておきたいと思います。
おときた駿議員
是非しっかりと対応よろしくお願いしたいと思います。最後にですねちょっと飛ばして、最後1問また法務大臣に伺います。我が党の提案で付された修正案についてです。当事者たちから要望を受けて、我が党は附則の第19条、5年をめどとしてという見直し規定を入れさせて頂きました。これ決してですね、5年を経過しなければ、5年近いことなければ見直せないということではなくて、目処ですから、あくまで必要に応じて改正できるものだと我々は認識しております。5年というのは非常に長い。小学校1年生が6年生になる時間幅ですから、これ当事者の親子とって大変長い時間です。大臣に最後伺いますが、この共同親権の運用状況を見極めつつ、子どもの利益の観点からも必要だと思えた見直しはですね、5年というものに捕らわれず、2年でも1年でも機動的に行っていくべきと考えますが、最後に法務大臣の見解をお伺いいたします。
小泉法務大臣
これは断続的にですね、継続的に見直しの必要性というものが、判断していかなければならないと思います。しかし一定の期間を経て初めて明らかになる事象もございますから、一つ一つに毎年対応するのか、大きくくくって、その全体像を見て対応するのか、様々な考え方やブローチがあると思いますが、お示しいただいた5年というのを、一つの認められることは間違いないと思いますので、重きを置いて、しかし不断の検討を続けていきたいと思います。
おときた駿議員
はい。時間になりました、子どもの最善の利益のため、完璧な制度ではなかなかないんですけども、しかし、より完璧なものを目指して我々も提案を続けて参りますので、ぜひ今後ともよろしくお願いいたします。終わります。ありがとうございました。
サポートは別居や離婚を経験した子どもの支援に活用させていただきます。宜しくお願い致します。