ナカムラ

「元来、今の社会システムにはそういった現象を引き起こす装置が初めから内包されているんだ…

ナカムラ

「元来、今の社会システムにはそういった現象を引き起こす装置が初めから内包されているんだ。僕にはそれが絶望に感じてならないけど、あなたはどう?」 「だけど、私は情報の並列化の果てに個を取り戻すための一つの可能性を見つけたわ。」

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最近の記事

ものを買うとき、今月いくら使ったか確認するのが怖い。そして確認しないことに慣れるのはもっと怖い

最近特に自分の金周りの適当さに驚くことが多い。元々何か意思決定する時に、割と直感で動くことは多かったし、そういう教育を受けてきたのはある。 サラリーマンとして働き始め、少しお金に余裕が出てきたことも相まって、「必要だ」とその時思ったものはすぐに買う決断をしてしまう。 友人によく「自分が今月いくら使ったか気にしないのか?」と聞かれる。 気にする。気にするが、怖くて結局確認せずに買ってしまう。きっと、自分にそうした金周りの管理能力がいかに欠如しているかをまざまざと見せつけられるの

    • オマージュの意味『竜とそばかすの姫』 感想

      本作に関して、オマージュすることの意味について疑問を呈するような記事(https://news.yahoo.co.jp/articles/d02e40ca1566b58328057709272b6af45fd901f8?page=1)を見たので以下、それに対して私が感じたことを記す。 1991年ディズニー映画版の「美女と野獣」を意識して作られているということだが、結論から言うと「筋が通ったパクリではないオマージュだが、名前を変えてもまぁいいかも」という感じだ。 野獣の内面

      • 映画大好きポンポさん 感想

        全体 映画制作という専門性のあるテーマから「人生における選ぶことの重要性」という普遍的なテーマに迫ってたのがすごくいい。 専門的だからと言って観客を置いていくわけでもなく、わかりやすく理解しやすい部分を選んで知識を出していたように感じる。 「映画の人物に自分を重ねる」というネタは一見陳腐だが、本作では「夢を追っている人が自分と重ねて」というよりかは「作り手側が自分に重ねる」というまた新しい視点もあってよかった。 推しポイント 本作の一番の魅力は、前半のカット転換の凝り具合だ

        • Vivy -Fluorite Eye's Song-感想

          本作は「歌でみんなを幸せにする」という使命を託された史上初の自立人型AIディーヴァ(Vivy)が、100年の旅を通してさまざまな葛藤を抱えながら「心をこめる」とは何かを見つけていく物語である。 まず、1クールのオリジナルアニメ作品として総合的に見て質が非常に高かった。 歌姫AIを主軸にするという設定の新しさとニーアランドの絶望的な冒頭シーンは、オリジナルアニメ特有の「既存顧客がいない」という欠点を払拭して興味をひくには十分であったし、その後も2~3話の短編ごとにしっかりとテ

        ものを買うとき、今月いくら使ったか確認するのが怖い。そして確認しないことに慣れるのはもっと怖い

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        • アニメなど
          6本
        • 今週の読書
          9本

        記事

          選択の帰結 -悲劇あるいは希望-

          今個人的に激推ししたいアニメが、今期からやってる『Vivy -Fluorite eye's song-』である。原作はReゼロの長月達平が、制作は最近だと進撃のファイナルシーズン前までを担ったWit Studioだ。 一応ジャンルとしては、軽めのSF近未来ものといった感じだが、個人的にReゼロと共通するメッセージみたいなものを感じたので、記しておく。 Reゼロの原作未読で語るのも烏滸がましい気もするが、あまり気にしない。 もちろん読みたいという思いはある。 Reゼロは異世

          選択の帰結 -悲劇あるいは希望-

          「言葉」と「人間関係」について

          言葉というものは、不思議なものだと思う。 同じ「あなたのことが好き」という言葉でも、発する本人がどういった経緯を経て、いかなる状況で発したかにその意味内容が大いに規定される。 言語構造が象徴秩序として成り立つ条件を「シニフィアン(意味するもの)」と「シニフィエ(意味されるもの)」に分けて詳らかにしたのは、言語学者フェルディナン・ド・ソシュール(1857-1913)だ。 彼の言葉を借りるならば、発せられる言葉にもまた、シニフィアンとシニフィエが存在する。 であるならば、私た

          「言葉」と「人間関係」について

          今週の三冊 #9

          3月5周目の三冊は以下の三冊です。 1.【社会学史】大澤真幸 講談社現代新書 2.【プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神】 著 M.ヴェーバー 訳 大塚久雄 岩波文庫 3.【クロニクル社会学】編 那須 壽 有斐閣アルマ 前置き三月は割と忙しく?あまり多く読めませんでした。 もはや今月ですが、ここ最近は「社会学」について色々読んでいました。 実は高校時代、特に大した理由もなく「面白そうだから」という理由で、ある大学の社会学部に行きたかったんですが、残念ながらセンタ

          今週の三冊 #9

          今週の三冊 #8

          2月3周目の三冊は以下の三冊です。 1.【奇跡の経済教室 基礎知識編】中野 剛志 ベストセラーズ 2.【奇跡の経済教室 戦略編】同上 3.【明け方の若者たち】カツセ マサヒコ 前置き今週は、ある程度経済分野(特にマクロ経済)に絞って読んでいきました。 経済分野の入門書はそれなりに読んだりするのですが、大体7割くらいは忘れてしまうので、定期的に読んでいます。 経済は「少し入門書を読むと分かった気になる分野」の最たる例だと思います。 色んな入門書を読んだり詳しくやろうとす

          今週の三冊 #8

          今週の三冊 #7

          2月2周目の三冊は以下の三冊です。 1.【動物化するポストモダン オタクから見た日本社会】 東 浩紀 講談社 2.【サブカルチャー神話解体】宮台、石原、大塚 パルコ出版 3.【現代社会を社会心理学で読む】永田、飛田 ナカニシヤ出版 前置き 先週の予告通り、今週は「サブカルチャー」に焦点を当てて読んでいました。 一口にサブカルチャーと言っても、その内包する範囲が広すぎるので、今回は特に、「戦後以降〜20世紀末までの日本の少年少女漫画、アニメを中心としたサブカルチャー」

          今週の三冊 #7

          今週の三冊 #6

          2月1周目の三冊は以下の三冊です。 1.【予防接種は「効く」のか ワクチン嫌いを考える】岩田健太郎 光文社 2.【アメリカ大統領選】久保文明、金成隆一 岩波 3.【ペスト】Albert Camus 訳:宮崎 嶺雄 新潮文庫 前置きこんにちは。緊急事態宣言また伸びそうな感じですね。2月末にはワクチンの接種とかも始まるらしいので、その効果には期待したいですね。 いやぁ、2019年の年末にCDJ行った時は、2020年に一度もライブ行かないなんて考えても見なかったですわ... 家

          今週の三冊 #6

          今週の三冊 #5

          1月3週の三冊は以下の三冊です。 1.【西洋政治思想史】佐々木、鷲見、杉田 北樹出版 2.【男尊女子】酒井順子 集英社 3.【1984年[新訳版]】ジョージ・オーウェル 高橋和久 訳 早川書房 前置き1/1 少し遅いですが、新年あけましておめでとうございます。今年は昨年以上に、自分が時間を使いたいと思えるものに、時間を使えるように精進していきたいと思います。 気づいたら大学生半分終わりますからね... さて、今週も例によって本を読んでいくのですが、特にこれといったテーマが

          今週の三冊 #5

          今週の三冊 #4

          12月4週目は以下の三冊です。 1.【リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムのことは嫌いにならないでください 井上達夫の法哲学入門】井上達夫 毎日新聞出版 2.【人工知能のための哲学塾】三宅陽一郎 BNN新社 3.【神様のカルテ】夏川草介 小学館文庫 前置き今週は主に「哲学」をテーマに読む本を決めました。メインは2番目の人工知能についての著書で、なかなかに読み応えがあります。 哲学は哲学でも一冊目が扱う「哲学」は「法哲学」すなわち、法学の中から生まれた哲学です。学問的

          今週の三冊 #4

          今週の三冊 #3

          2020年12月3週目(1,2週目はどこへ?)は以下の三冊です。 1.【誰のために法は生まれた】木庭 顕 朝日出版社 2.【自分で考えよう: 世界を知るための哲学入門】ペーテル・エクベリ作 スヴェン・ノードクヴィスト 絵 枇谷玲子 訳 晶文社 3.【トラペジウム】高山 一実 角川文庫 前置きあらら、早速遅れてしまいました。まあ、最近は例外的に忙しかった気がするのと途中で読んでる本を変更したりしたのでという言い訳をしつつ… 細々と続けていきたいですね。 12月も気づいた

          今週の三冊 #3

          今週の三冊 #2

          今週の三冊は以下の三冊です。 1.【アイドル/メディア論講義】東京大学出版会 西兼志 2.【民主主義とは何か】講談社現代新書 宇野重規 3.【夜に駆ける YOASOBI小説集】双葉社 星野、いしき、しなの、水上 前置き今週は自分の中でなんとなくテーマをエンタメ寄りにして読みつつ、けれど政治的な話題は定期的に触れないと忘れるので、ちょうど一冊最近出たのがあって、楽しみにしていたのを読んだ感じです。 感想いきまーす。 1.【アイドル/メディア論講義】東京大学出版会 西兼志

          今週の三冊 #2

          今週の三冊 #1

          今週の三冊は以下の三冊です。 1.ポピュリズムとは何か - 民主主義の敵か、改革の希望か (中公新書)水島治郎 2.保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで (中公新書)宇野重規 3.明解 経済理論入門 (あさ出版) 高橋洋一 前置きなんかすごい偏ったというか、1と2はあんまりスパン開けて読みたくないなってのがあって一気に読んでしまいました。大学で属してる学部の関係上どうしても興味は法、政治、経済に偏る可能性はありますが、基本的に好き嫌いなく色々読んでます。興

          今週の三冊 #1

          初投稿

          今から何か書こうとしたけど、長濱ねるの復帰で書く気失せた。 おやすみ、ねるちゃんおめでとう