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もっとランドセルに選択肢を。

「少子化」を背景に激化する「ラン活」

ランドセルを作るにあたって生産から発売までのリードタイムなどを考慮するわけですが、調べてみたところ・・・年々ランドセルの購入時期は早まり、昨年は「5月」がピークだったそうです。
一般的には4月が入学式ですから、約1年前に手配をする方が多いのですね。

私たちが企画するNEWランドセルも、昨年12月のリリースも検討していたのですが、モニター期間が足りなかったのと、12月はほぼ皆さん買い終わっているとのことで今は5月を目指しています。

そして2023年のランドセルの平均購入金額はなんと58,524円!
少子化を背景に価格は年々上昇傾向にあり、平成元年と比較するとランドセル代も2倍くらいになっているようです。おじいちゃんおばあちゃんからプレゼントされるケースも多いようですね。

価格は上昇傾向、購入時期もどんどん早くなっていく「ラン活」。
シーズン先取りで今買わないとなくなるよという流れは、昔のアパレルにも共通する何かを感じます。

ランドセルの起源

ランドセルの起源は「軍隊用の背のう」だそうです。

もともとはリュックサックに近い背のうですが、現在のような箱型のランドセルに変わったのは明治20年ころだとか。大正天皇へのご入学祝に箱型の通学カバンが献上され、これがランドセルの始まりとあります。
以降100年以上経過しても基本的なスタイルが変わっていないランドセル。
いろいろものが形を変えていく中、ランドセルの価値観はもはや伝統的な日本の文化として続いているように思います。

背負うことで両手が空くメリットは確かですが、牛革や分厚い皮革などの代替として今は様々な機能的な素材も開発されています。現代風にアップデートすることで使いやすく、買いやすいものができると考えています。
新1年生のまだ小さな子がランドセルの重さでバランスを崩す様子は付き添い当番をされた方なら見たことがあるのではないでしょうか。
「1年生なのにこんなに重いの背負ってるの?」と驚くことも“あるある”です。
最近ではランドセル症候群という問題も出てきています。

実際に日本で小学生以外で「ランドセル」を使う人はほぼ居ないと思いますし、世界中を見渡してもスクールバッグにここまでハードな背負いカバンを使っている国はほぼないっぽいです。
ほかにも、例えば耐久性や利便性が求められるアウトドア用や登山用などのリュックとして、所謂「ランドセル」を採用している人は今のところ見たことがないですし、私自身も小学校高学年以来、ランドセルを使いたいと思ったことはありません。
重さ、機能性、持ち運びやすさ、収納力、ファッション性など、総合的な判断で考えた時に、小学校用のバッグは何が良いのか?既存のランドセルも含め多くの選択肢から選べることが理想ですよね。

これまでのランドセルの常識

小学校はランドセルで行くもの。ランドセルはショールームや予約会を経て早めに買わなければいけない。当たり前のようにそう思っている方も多いと思います。
実は私もそうでした。

良いランドセル=高いランドセルで、小学校入学の際には良いランドセルを用意しなきゃと思い込んでいました。
うちはラン活しなきゃと思っていたころに良いご縁があって、知り合いの方の、もう小学校を卒業されたお子さまが使っていたランドセルが、とてもきれいで、色も2色あり、デザインもよく見えて、試しに子どもが背負ってみたらとても気に入ったので譲っていただき、ラン活には参戦する機会がなくなりましたが、そんなご縁がなければ見栄も込みでけっこう高いランドセルを買っていたか、おじいちゃんおばあちゃんが買ってくれていたか・・・。家計的には負担が大きくても、そういう選択をしていたと思います。
でも小学校はランドセルで行かなきゃいかないなんてルールはどこにもないんですよね。
もし次の機会があれば、親や祖父母で決めるのではなく、あらゆるバッグの中からランドセルを使う本人の意思を優先して決めてみたいなぁと思っています。

ランドセルの定義

ランドセルには定義があるのか調べてみたところ、驚きの事実が。
ランドセル工業会が定めるランドセル規格には5つの条件があり、そのすべてを満たさないとランドセルと呼ばないそうです。

1.すべての縫製が日本国内で行われ6年間の使用に耐え得るもの。
2.日本鞄協会発行の「信頼のマーク」を縫着したもの。
3.素材は皮革又は人工皮革とする。
4.形状はかぶせ部が本体を覆う長さで縦型であるもの。
5.サイズは大マチ部分の内寸の縦(最高部)が31cm前後、幅が23cm前後であること。

ランドセル工業会HPより

ランドセル工業会では横型の背負いカバンはランドセルと呼ばないし、強度の高い布製で作っていてもランドセルと呼ばないし、すべての縫製が日本国内で行われなていないものはランドセルと呼ばないそうです。
日本鞄協会に属さず、強度が高い新素材を使い、海外生産で作る背負い型のスクールバッグはランドセル工業会の定めるランドセルではないとうことになるのですね。

ランドセルの規格について記載のページはこちら

もっと選択肢を。

いわゆる「ランドセル」、牛革や馬革、人工皮革などを使用したランドセルには魅力も多いと思います。日本製も魅力だし、信頼感があります。
しかし、そうではないランドセルっぽいスクールバッグも子どもたちや小学生をもつご家庭の選択肢として合ってよいと思うのです。

子どもが使いやすく、通学の負担にならない新ランドセル。
子どもの健全な成長を妨げず、家計にも優しい新ランドセル。
当然、安かろう悪かろうではなく、長く使えてアフターフォローもしっかりできる新ランドセル。
私たちが実現するのはそんなランドセルの規格に捉われない新ランドセルです。

乞うご期待ください!


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