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新社会人のみんなへ

新社会人、新成人の皆様、
ご卒業などなどおめでとうございます。
あなたたちもこれで立派な大人ですね。
わたしも人生の先輩としてうれしい限りです。

人生の先輩であるわたしですが
ただいま無職で家から数日出ていません。
毎日、競馬をしては勝って負けてを繰り返しお金がなくなり、
しまいにはオプチャでエア予想をする始末。
人間のランキング的には下から数えた方が早い。
今のあなたたちから考えられないクズと呼ばれる種族であります。
あなたたちは、今夢や希望に満ち溢れキラキラしていると思いますが
わたしだって競馬の3連単をビタで当てて大金をもらうという
キラキラというかドロドロとした夢で満ち溢れています。
夢があるという点については、あなたたちと共通していて、
それにわたしはあなたたちにはない謎の強運を持っていますよ。

それは、あなたたちと同じ新卒の時の話です。
わたしだって普通の就活をしていました。
エントリーシートを書くのを悩んだり、普通の子でした。
この頃は、まだ競馬にも出会っておりません。
そんな中、1次の筆記試験をパスして最終面接にたどり着けました。
若いわたしは、緊張して眠れずネカフェでずっと映画を見て最終面接に臨みます。

会場に着くとリクルートスーツを着てる人たちがいっぱいいます。
みんな黙って椅子に座り、就活生というよりは量産型って感じで
ちょっと怖かったです。
6人グループに分けられて面接をする会議室のような場所に向かいます。
すでに終わったグループの人たちと廊下ですれ違うのですが
嬉しそうな顔している人、顔を青くなってる人。
どんな面接をしているのだろうかとさらに怖くなってきました。


「今日はお越し頂きありがとうございます。
 それでは、最終面接をさせて頂きます。
 右の方からお名前と学校名をお願い致します。」

わたしは1番左だった。
有馬記念の大外と捉えればいいのか、それとも新潟千直の大外と捉えればいいのか。
そんなことより、学校の面接練習を真面目にやればよかったと後悔していました。
緊張でガチガチの中で自己紹介と会社の志望動機を終えて次の質問に進みます。

「それでは、最後の質問ですが
 尊敬する人物とその理由をお答えください。
 右の方からお願いします。」

A「はい。私の尊敬する人は、父と母です。
  私をここまで育ててくれて感謝しています。」

B「私の尊敬する人は、坂本龍馬です。
  行動力を私は見習っていきたいと思います。」

C「私の尊敬する人は、イチロー選手です。
  プロ意識を見習うべきだと考えております。」

D「私の尊敬する人は、部活の監督です。
  いつもストイックで信念を曲げずにいる監督のようになりたいです。」

E「私も尊敬する人は、父親です。
  いつも仕事に熱心で私も父親のように仕事に打ち込んで行きたいです。」

あー…だいたい私の考えつく範囲は、言われてしまった。
頭がボーッとしてきた。なんか言わないと…なんか言わないと…

「わたしの尊敬する人は、団鬼六先生です。」
「だ、団鬼六ですか?」

しまった。昨日ネカフェで杉本彩の花と蛇を見てしまったからだ。
面接官の偉いおじさんたちの半分は、笑っていました。
他の就活生はポカンとしてこっちを見ています。

「だ、団鬼六先生を尊敬しています。」
「ハッハッハッ、失礼。尊敬している理由をお願いします。」
「はい。団先生といえばSMやエロを連想されるますが
 他のエッセイを読むといろんな人生経験を経ているから
 官能も自伝も書けると考えております。
 わたしもまずはいろんなことに挑戦し、団先生のように
 ほろ苦い大人になりたいと思っています。」

適当に言った。おじさんたちは、うん、うんと頷いている。

「若いのによくわかってるね。
 これで面接を終わります。お疲れ様でした。」

え?何?SMを?団鬼六を?よくわかってる…?
私の頭は混乱したまま、面接が終わってしまった。

結果、私は合格しました。団先生、感謝しています。
入社式の後、祝賀会というものがホテルの大きい部屋で行われ
あのよくわかっているねおじさんは、なんちゃら取締役だと言うことがわかりました。

「あー!!団鬼六の子だ!おめでとう!これから頑張ってね!」

取締役。あんまり言わないでください。みんなにSM好きと思われます。

これがわたしの新卒の時のお話です。
先に言いましたが今のわたしは無職です。
なぜわたしがこんな話をしたかと言うと
新社会人のみんなに良いこと言えば徳を積んで
今日のトリプル馬単が当たる気がします。
良いことかどうかさておき、みんながんばって!!
わたしは、今から川崎競馬を予想します。
みんなが死のうが生きようがわたしには、関係ありません。
それよりもキャリオーバーのトリプル馬単。

新社会人のみんな。
悲しいけど社会ってそんなもんなのよねー。

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