見出し画像

絶望のふちからこんにちわ♪

「レスティ・・・」

ギャンブルをやっている人にはわかると思うけど
勝つ時は勝つし負ける時は負ける。
これはもう理屈じゃないのよ。
何時間、調教、前走前々走のレースも見て
自分が納得した「これだって」馬を買っても外れるし
締切間際で
「うーん….競馬は川田!!!!!」
で爆勝ちする時だってある。

それにわたしがこれだ!って思って
座ったパチンコ台でハマって
隣に座ったおばあちゃんが
「あら、やだ、当たった!」
って3000円くらいで確変に入ると殺意しか湧かない。
隣で涙目になりながらも追加で万札入れてる
わたしがいる…残酷な世の中だ。

とある月末の話。クレカの請求が来た。
「60万円」
やってしまった。
旅行して食べて飲んで泊まって
楽しい時間がお金に変わって復讐しにきた。
ごめんなさい。許してください。
そんな願いは届くはずもなく
わたしに残ったのは、最終週の土日、中央競馬。
手元に10万円ある。
これは勝負だ。やるしかない。

1Rは、前走不利があっても上がり最速の馬から
単勝、馬単、3連単を買った。

また不利かよ。

隣の馬にぶつかってずるずると下がる馬…
うん…まあね…こんなこともあるよね。

次は見して次の次のレース。
先行の馬で好意取れそうなので
単勝、本命ー〇△のワイドを買う。

蓋されて詰まってやがる…
〇△のワイドなら当たってたなぁ…

次は2.5倍の1番人気にオールイン。
ふぅ…勝った。結果は頭の差のギリギリの勝ち。
でも勝ったからいいか。
あれ?確定オッズ1.8だ…
まあとりあえず生きた。

次は本命は決まってる。相手は2頭まで絞った。
武史と丹内だ。
どちらも札幌巧者。
ここら辺でドカンと行きたい。
ワイドでオッズがいいのは武史だ。
3.2倍。5万賭けて一撃を狙う。

武史ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!
武史が来なくて丹内が来た。
ぐぎギギギギギギイギギギ……..

次は、人気薄だけど他に逃げ馬先行馬不在で
単騎逃げ確定で差し勢のレベルも低い。
単はダメかもしれないけど複勝なら…オールイン。
わたしの全財産を乗せてゲートイン。
スタート!

あれ?逃げれてない…最後方だ…

「レスティ….」

ただただ一周回って来た馬を見ながらわたしは口から漏れた言葉。
専門学校の時に初めて行ったラブホの名前だ。
これが走馬灯って奴なのか。
当時の彼氏が運転する車に乗って
急に「眠くなって来たなぁ」とか
嘘みたいなこと言ってきて
「ここにホテルがあってよかったぁ」
とすっとぼけたこと言って来た彼氏である。
古いけどロマンチックのかけらもない。
シャワー浴びてベットには入ったら
照明とBGMのボタンを間違えて
謎の和音が部屋に響いて

「おかしいな…前はここだったのに」

お前童貞だろ?誰と来たんだ、コラ?
そのまま何もなく寝て
次の日から連絡無視したなぁ…

順位が確定して私の選んだ馬の番号は
当たり前だけどない。
負けたのも悔しいけど
絶望の淵で最後に思ったのが
しょうもない思い出っていうのも
納得がいかない。
そんな土曜日の午前中でした。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?