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ミュージカル『カム・フロム・アウェイ』(2024)

2001年9月11日(火)。
アメリカで同時多発テロが起きた。

僕は朧気にテレビでの生中継を、いや、その後の報道の映像で、覚えている。

その日に起きたカナダ・ニューファンドランドでの実話を基にした5日間の話。

同時多発テロの影響で領空を封鎖。それによりヨーロッパからの便、アメリカ国内線など、飛行機の乗客7,000人は、ニューファンドランド島にあるガンダー国際空港への行き先変更を余儀なくされた。人口1万人の小さな島は、一夜にして約2倍に。

飛行機の乗客は、何が起こっているのかわからないまま、突然の行き先変更や飛行機に長時間閉じ込められるなどした。着陸した飛行機はすぐに飛び立つことはなく、乗客は5日間島で過ごすことになった。理由がわからずバスで宿泊先に移動する。移動先でテレビを見て、やっと事態がわかる。

そんな非常事態にもかかわらず、ニューファンドランドの人々は、島中から必要な物資を集め、学校で寝泊まりできるようにしたり、島民の自宅に招き入れるなどして、人を思いやり助け合い、不測の事態を乗り越えた。


と、ここまで事前に知っていたわけではなく、この作品のことを知って、ニューファンドランドのことや飛行機の事など、あらすじやキャストさんのインタビューや本編を見て初めて知ったことが多かった。

WELCOME TO THE ROCK!
 わからないだろう
この島の話の半分も

このような、観客への訴えにも聞こえるような歌い出しで物語は始まる。



ニューファンドランドの人々の支え合いには感動せざるを得ない。見ず知らずの人のために、1日以上寝ずにお世話をすることが、自分にできるだろうか。

また、劇中で、宗教によるお祈りの時間に人目を気にするというエジプトの人に対して、「図書館が空いてるから」と声をかけたり、聖書を通じて言葉の壁を乗り越えるシーンにはぐっと来るものがあった。そこまで配慮してくれる人が、どれだけいるだろうか。

ここでは語り尽くせないくらい感動するポイントが多くて、目がうるうるしていた。

何となく「人は支え合って生きていこう」みたいな空気?を小学校の時から教わるけど、どれだけ実践できているだろうかと反省する。



そして、この作品の面白いところは、舞台上には12人のキャストで、帽子やメガネ、ジャケットや羽織を脱いだり着たりすることで100人以上の登場人物を演じ分ける。時には動物の声、車のブレーキや飛行機の音まで、SEを使うことなく、ほとんど人力で。

また、14個の椅子と2個のテーブルを12人で動かして、飛行機やバスやバーになったりする。約100分スピーディに場面がどんどん転換していく。

楽器は民族楽器が用いられ、ミュージシャンがキャストさんに混じって音楽を奏でるシーンは、観ていてわくわくした。なかなかミュージシャンが舞台上に出てくる作品はないし、なかなかお目にかかることがない楽器を見ることができる。



人種、言語、文化、宗教、性別。
あらゆるものが壁になりうるけど、それをすべて乗り越えて支え合った人たちの物語を知って、こんなことが起きていたんだ!!と感動した。もっと多くの人に知ってほしい。










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と、ここまでは作品を見ていったが、ここからはキャストさんに注目したい。

個人的には、作品至上主義的な考えでいたい、と思っているので、今までの観劇作品の感想ではキャストさんに敢えて触れていなかったが、これはどうしても触れておきたい。


なんといっても、キャスト12人が豪華すぎる!!!
いつもチラシで上の方にお名前があって、いつもセンターでソロ曲を歌い上げる方たちばかり。

ここで、僕が今まで劇場で観劇した作品をキャストさんごとにまとめてみる。


とうこさん(安蘭けいさん):初観劇

禅さん(石川禅さん):『ダンス・オブ・ヴァンパイア(2020)』『笑う男(2022)』『ヘアスプレー(2022)』『アナスタシア(2023)』

健ちゃん(浦井健治さん):『王家の紋章(2021)』『笑う男(2022)』『ガイズ&ドールズ(2022)』

和樹さん(加藤和樹さん):『1789 〜バスティーユの恋人たち〜(2018)』『ローマの休日(2022)』

ゆうみさん(咲妃みゆさん):『千と千尋の神隠し(2022)』

シルビアさん(シルビア・グラブさん):初観劇

万里生さん(田代万里生さん):『マリー・アントワネット(2018)』『ストーリー・オブ・マイ・ライフ(2019)』『ガイズ&ドールズ(2022)』『アナスタシア(2023)』

さとしさん(橋本さとしさん):『千と千尋の神隠し(2022)』

はまめぐさん(濱田めぐみさん):『レ・ミゼラブル(2019)』

もりくみさん(森公美子さん):『レ・ミゼラブル(2019)』『天使にラブ・ソングを 〜シスター・アクト(2020)』『ザ・ミュージック・マン(2023)』

ちえさん(柚希礼音さん):『地球ゴージャス ZEROTOPIA(2018)』

光夫さん(吉原光夫さん):『マリー・アントワネット(2018)』『レ・ミゼラブル(2019)』


なんとまあ、僕も色んな作品を観たもんだな😂(笑)

これだけ第一線で活躍している方々が集まって、はまめぐさんのソロ曲(♪私と空)のときに、とうこさん、ちえさん、ゆうみさん、シルビアさん、もりくみさんの5人がコーラスしたり、ソロ部分を歌い継いだりハモったり、もうとにかく耳が幸せでした。



26日のマチネは、アフタートークショー開催。登壇者は、はまめぐさんとさとしさん。

そして、さとしさんのバースデーで、会場みんなでお祝い!!!🎉🎂



27日のソワレを急遽追加して、2日連続久留米へ!

ステージから近い席で、キャストの皆さんの動きがよく見えました🙆


もうこんなに集まることは二度とないと思うので、噛み締めながら観ました☺️


とにかく、すごく良い作品に出会えた!
今まで観た中で5本の指に入ってくるぐらい好きな作品になった!


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