注文を聞いてくれない、台湾のお店で気付いた大切なこと
鹹豆漿(シェントウジャン)が食べたくて
親日の国と聞いて、期待を込めて訪問したのに
お店で無視され続けた、台湾旅行での話。
旅行2日目の朝は、観光ガイド本でみつけた、豆乳を使った台湾の朝ごはん 鹹豆漿(シェントウジャン)で有名なお店に行くと決めていた。
朝10時頃に訪問したら、現地の人で、とても賑わっていた。
厨房の中では、年配の女性たちが忙しく働いていて、席の案内はされない。
自分たちで適当な席をみつけて座り、さて、注文だ。
ところが、「エクスキューズミー」と、厨房まで行って声を掛けるも、無視される。
聞こえていないわけがないのに、「注文したい」と英語で何度声をかけても、完全に無視される。身振り手振りで、「食べたい」とジェスチャーもしているのに。
困ったが、どうしても食べたかったので、お店で唯一若い、10代後半くらいの店員をつかまえて、何とか注文することができた。
やっと食べられた鹹豆漿は、とても美味しかった。
ところ変われば、価値観も変わる
そして、気付いた。台湾では、お客様は神様ではないようだ。
「出してあげているのであって、嫌なら来なきゃいい」と、少なくともこのお店は思っているだろう。
ぶっきらぼうで、愛想がなくても、美味しいから繁盛している。
そういえば、アメリカに行ったとき、
祝日に、人で賑わうベーグル屋で、若い店員は「今日は休日なのに、なぜ、私だけ働かなくちゃいけないの」といわんばかりの不機嫌な態度だった。
アウトレットモールに買い物に行ったときも、
レジの若い女性店員はおしゃべりに夢中で、こちらを見向きもせずに、横の同僚と話し続けながら、レジ打ちをしていたっけ。
それで、いいのだ。
だって、日本ではないのだから。
日本が観光地として、海外から支持される理由のひとつに、どこにいても感じの良い対応が受けられることは、当然あるだろう。
それは、日本のとても素晴らしい文化だと思う。
でも、それは日本の常識であって、世界の常識ではない。
自分が「正しい」と思うことは、ほかの誰かにとって「間違っている」ことかもしれない。
価値観は、人それぞれだから。
そんな大切で、でも、普段は気が付けないことを感じるために、
コロナが収まって、再び、海外へ行ける日を心待ちにしている。
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