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他者と関われた日。

今日は、大学時代一番仲が良かった友人に久々に会った。
学生時代の思い出話や、恋愛話などに華が咲き、とても楽しい時間だった。

ただ、社会人という身分になった以上、避けて通れないのが仕事の話。
今取り組んでいるプロジェクトのこと、尊敬できる上司のこと等々、会社のことをいきいきと語る友人が眩しかった。

私は迷った。鬱になり休職していることを打ち明けるべきかどうか。
今までの私なら、傷つくことを恐れて話さなかったと思う。
会社に行っていた頃の話をそれっぽく話して、適当にその場を切り抜けようとしたと思う。

でも、前回の投稿のコメントで頂いた「あなたから他者の存在を感じない」という言葉が胸に引っかかった。
私は傷つくことを恐れるあまり、他者と真剣に向き合ってこなかったのではないか。
適当に自分を偽るばかりで、本当の自分を晒すことを避けてきたのではないか。

そこで、私はありのままを話すことにした。
鬱病のこと、休職のこと、そして今後のこと。
急に重い話を聞かされた友人は、内心たまったもんじゃなかったと思うが、親切に耳を傾けてくれた。

今後について私は、来年会社を辞めて、フリーランスとしてやっていこうと考えていると話した。
友達の反応は覚えている限りこんな感じ。

「いいと思うけど、私は真似できない。正社員という立場を手放すリスクは自分には大きすぎる」

「フリーランスって保険とか税金とかどうなるの?収入下がるのに払えるの?」

「人事の仕事をやっている自分からすると、早期退職は複雑。何のスキルもないがポテンシャルを見込んで多額の投資をしたのに、1年でいなくなられてしまったら会社としては大損。」

「そもそも鬱病ってどこがラインになるのか難しいよね。私も仕事が辛くて会社で先輩の前で泣いたりしたこととかは結構あるけど、まだ何とか踏ん張れてるよ。」

正直びっくりした。
鬱病や休職というワードを出すと、大抵の人は憐れんで優しい言葉をかけてくれる。
ここまでざっくばらんに意見をもらえるとは思ってもみなかった。

私だって、正社員という立場を手放すことへの不安は勿論ある。
自分を採用してくれた会社に迷惑をかけている現状を申し訳なくも思っている。
早期退職という危ない道を選ばずとも、会社の仕事の中に自分のやりがいを見出せないかと、もがいた時期もある。

でも難しかった。心が悲鳴を上げた。
それなら、無理に今の環境に固執せず、自分がやりたいと思っていたことに挑戦してみてもいいのではないかと思った。

そう考えて自分を正当化してきたが、自分の考えがいかに甘かったか、突きつけられた。

将来を現実的に見据えて、会社の中に自分の居場所を見つけて、毎日頑張っている友人。
かたや私は、辛い環境から逃げようとして、十分な前準備もしていないくせに、漠然と夢だけを思い描いている。
甘すぎる。恥ずかしい。

本気でフリーランスを目指すなら、まずは保険や税制度など、必要な知識を身につけなければ。

友人の言葉は強烈だったが、自分の世界に籠って、心地よい妄想ばかりしていた私の目を覚ましてくれた。
地に足をつけなければ。

勇気を持って友人に現状を打ち明けたお陰で、現実逃避に直走っていた自分を自覚することができ、更に、今後どう行動していくべきかのヒントも貰うことができた。

そう振り返って、ふと、これこそが他者と関わるということなのかもしれないと思った。
どこまでも甘ちゃんな自分だが、今日は勇気を出して、自分の殻を少しだけれど破れたことを褒めてあげたい。
そして、真っ直ぐに私に向き合ってくれた友人に感謝したい。

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