「ドルトン東京学園」の見学に行ってきました!(学校見学の記録 No.4)
こんにちは!たーぼうです。
2023年の2〜3月に自己研鑽のため、いくつかの学校に見学に行ってきました。私自身の学びの軌跡として、こちらの記事にも残しておきます。とても素敵な学校なのでぜひ、一度見学などで行ってみてください。
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ドルトン東京学園中高の授業見学・「ドルトンEXPO」に行ってきました!!
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2月17日(金)にドルトン東京学園中等部・高等部の授業見学と探究のラボの見学に行ってきました。また3月19日(土)に学習成果発表会である「ドルトンEXPO」にも行かせてもらいました。
今回はこの2回の見学で学んだことをたっぷりと書きたいと思います。
【1】:ドルトン東京学園とは?
ドルトン東京学園は、「ドルトンプラン」をベースに教育活動を展開している創立4年目の私立中高一貫校です。
ドルトンは複数学年の「ハウス制」・学びを深める「アサインメント」・探究をする「ラボラトリー」の3つを柱に教育活動を展開しています。
特に面白いのが「ハウス」と「ラボラトリー」です。
「ハウス」とは、異学年の生徒で構成されるコミュニティで、日常的に集まって交流したり、協力して行事の企画や準備・運営に取り組んだりしているようです。異学年の生徒と日常的に関わる時間が日常にあるのはとても面白いですね。
「ラボラトリー」は、主に探究が行われている時間です。この時間に生徒は学習の目標や進め方を自由に設定することができて、教員からアドバイスを受けることで、知識をつなげ、学びをより深めていくそうです。
このようなゆるやかな環境で、生徒が生活をしています。とても面白い仕組みですね。
【2】:ドルトンの1日を見学
ドルトンの探究教育部長で、ワークショップデザイナーの先輩でもある沖奈保子先生にお願いをして、授業見学や探究のゼミやラボの時間を見させてもらいました。
授業では、漢文の「鶏口牛後」(けいこうぎゅうご:大組織の下っ端になるよりも小さい組織のリーダーになるべき)についての授業でした。沖先生に巻き込んでいただき、プレゼンを受ける役として参加させてもらいました。各グループそれぞれの個性を生かした発表だったので、面白かったです。
生徒たちは、ハウスの中で異学年の生徒たちとやりとりをしながら、生活をしているそうです。金曜の午後はラボラトリーの時間で、それぞれが自分のテーマに取り組んだり、教員が主催するゼミ活動に参加したり、教員に相談などをするオフィスアワーの時間などを活用しながら、のびのびと学んでいました。
見学では、起業ゼミにも参加させてもらいました。株式会社ガイアックスと協力してプログラムを進めており、最近マイナビキャリア甲子園でも活躍するなど、とても注目されています。なんと見学当日は、生徒が繋がったロシアの方を招いて、ノーコードのアプリ作りを学ぶプログラムが開かれていました。生徒がアプリ作っている現場に遭遇するなんて、まさかの展開でした。
その他にも、生徒が中心となって購買部(スマートストア)を運営する取り組みなどがありました。近隣のNTT研修センターとコラボして、無人のお店を運営しています。生徒たちが大学生顔負けのとても良い顔をして、質の高いミーティングをしていました。ほとんどが中学生なのに、こんなことをしているなんて、人は環境で変わるんだなぁと思いました。
この見学を通じて、沖先生ともたっぷりと対話をさせて頂きました。学びのプロフェッショナルの先生たちと、多様な生徒が集まるドルトンで、何を目指すのか、探究の基礎とは何なのか、それをどうやって育んでいくのかなど、様々なことを対話しました。とても贅沢な時間を過ごすことができて、ハッピーになりました。
【3】:学習成果報告会
「ドルトンEXPO」へ行ってきました!
3月18日(土)にドルトンの学習成果報告会である「ドルトンEXPO」にも参加させてもらいました。ドルトンEXPOでは様々な学習の様子を見ることができました。
まず初めに驚いたのが「生徒がホームページを作っていること」です。そこも生徒に委ねているのはすごいですね。ウェブサイトからすでに生徒たちの学びが溢れていることがわかります。
探究の発表は、ポスターセッションや各教室で行われていましたが、全体的にとてもアットホームな雰囲気がありました。先輩の発表を下級生が見に来ており、質問などをしていましたが、これはドルトンらしい異学年の共同体的な側面が出ているなと感じました。きっと下級生は先輩の発表を見て、将来をイメージしていたのだろうなぁと思いました。
また海外研修や英語に力を入れているためか、海外を意識した探究やプロジェクトが多いと感じました。世界に目を向けているような雰囲気があったのも特徴の1つでした。海外研修でインドに行った生徒が、路上の雰囲気が日本と全く違っていたことに驚いたそうです。それを楽しそうに話していたのが印象的でした。
起業ゼミもパネルディスカッションとピッチのコーナーを見学させてもらいました。パネルディスカッションでは、かなり質の高いディスカッションになっていたし、質疑応答もとても面白かったです。これも生徒が主体となり企画をしたそうです。ゼミを通じて、生徒が力強く育っているんだろうなぁと思いました。
起業ゼミのプログラムは、私も取り組んだマイプロジェクトにやや似ています。ですが、強い外部連携やプロトタイピングを前提としており、フィードバックや壁打ちミーティングが呼吸のように行われるので、マイプロジェクトとは別の学びが育ちやすいなと感じました。起業ゼミならではの「ロジカルシンキング」が育っている雰囲気を感じました。また起業ゼミは起業の思考方法などを学ぶことで、個人の想いをさらに拡張させることが可能です。とても魅力のあるプログラムだと思います。今回の見学で、改めて起業ゼミのさらなる面白さに気づくことができました。
さらにドルトンEXPOでは、生徒だけではなく、教員や保護者主催の多様な企画がありました。生徒の発表はもちろんですが、教員が通常の授業を参加者向けに実施したり、保護者がドルトンプランについての勉強会を主催したりと、様々な企画が開催されていました。まさに「多様な学びの祭典」だったと思います。
【4】:ドルトンの見学を通じて感じたこと
これらを通じて、様々なことを学びましたが、やはりドルトンEXPOの開催自体が素晴らしい取り組みでした。開校4年目の状況で、このような学習成果発表会が開催できていることには、とても大きな意味があると思います。まだまだ学校として発展途上的な面白さもあり、これからが楽しみだなと感じました。
ドルトンには2月3月と行かせてもらいましたが、学校見学は複数回行くことに意味があると感じました。たった1回でその学校を理解したと思っていたら、それは大きな勘違いだなと改めて感じました。(私もあまり複数回行くことはなかったのですが、今回の見学を通じて反省しました。今回訪れた学校もまた行ってみたいなと思います。)授業も1回1回で扱っている内容も、生徒の様子も違いますし、教育活動は1日ではなく入学から卒業までの続くプロジェクトです。教育の専門家たちが、同じ学校に複数回訪問をしている意味がよくわかりました。むしろ2回以上行った方が、1回目の勘違いにも気づくことができます。
さらに見学先の先生との対話を重ねることが大事だと再確認しました。沖先生とは見学以外でも、新渡戸文化学園のスタディフェスタやドルトンEXPOの振り返りなどでもご一緒させていただきましたが、その対話の中で気づくことがたくさんありました。たくさん対話できて良かったなぁと思います。
以前に見学した茨城県立水海道第一高校や、新渡戸文化学園と同様に「高校生の学び」にフォーカスしている発表会が増えてきたことに、大きな意義を感じます。
また探究に関わる生徒の皆さんや先生方と対話を重ねる中で、「自分の探究観」を振り返る機会にもなりました。探究をどのように捉えるのか、形骸化していないかなど、次の課題もまだまだあると感じました。「探究において何を大事にすべきか」、「良い探究」とはどのようなものなのか、これらを考えるきっかけにもなりました。
各学校で目指しているものやカリキュラムは同じようで異なるし、それぞれの教員も目指すものが結構異なっていると感じます。こういうのを少しずつですが、みんなでワイワイしながらさらに対話ができると良いなと思います。
ぜひまたドルトンに見学に伺いたいと思います。沖先生ありがとうございました!
みなさんもぜひ、一度足を運んでみてください! おすすめですよ。
【5】:関連リンク
■ドルトン東京学園 中等部・高等部
ホームページ
・起業ゼミ
読売新聞(2021年5月21日)
リセマム
・スマートストア
・沖奈保子先生 関連記事
【6】:学校見学の記録シリーズ
良ければ、こちらもご覧ください!
■No.1 ヒロック初等部
■No.2 茨城県立水海道第一高校
■No.3 新渡戸文化中学・高校
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