[応募作品]『三匹の竜と荒天の庭』:2話

いじめっ子A) 「あいつだよ!にいちゃん!」
ヴェル)「ん?また来たのか黒焦げ」
体躯の大きい男)「お前か?可愛い弟に火を吹いたとかいう爬虫類は。人間様の街に来ちゃダメだろうよ。」
ヴェル)「(うわデッカ!?これは不味いな。)ジジイが待ってるんで、、これで失礼しますね!」

体躯の大きい男)「待てコラ!」
ヴェル)「(これは逃げ切れない…こうなったらまた…)」

大通りの方からヴェルを探すホーガンの声が聞こえる。

ヴェル)「ジジイ、ここだ!ここ!」

ホーガン)「おい!何してんだ!お前ら!」

体躯の大きい男)「なんだ爺さん。あんたに用はない。怪我したくなきゃ引っ込んでな。」
ホーガン)「こいつの親だ。何してる。」
体躯の大きい男)「こいつがうちの弟に火浴びせやがったんだ。そうだ、お前こいつの親なんだろ?カネだ、カネで解決してやるよ。誠意みせてくれよぉ、我が子の後始末は親の義務だよなぁぁ。なぁ?」

いじめっ子A)「そうだ!そうだ!」
ホーガン)「(・・・。)こんだけある。もってけ。」
体躯の大きい男)「なんだ、素直じゃねぇか。」
ヴェル)「待って!こいつらが先にやって…」

ホーガン)「だまってろ!!こいつのしたことは謝るし、金もやる。だから、このことを黙っててくれないか?」
体躯の大きい男)「そういうことか・・・。(カネをペラペラめくる)これじゃあ足りない気がしてきたなぁ。この倍はいるなぁ。」
ヴェル)「倍?足元みやがって…ジジイ、払うことねぇ。」
体躯の大きい男)「おっと、そんなこと言って大丈夫なのかぁぁ?まぁ、今直ぐなんていうほど鬼じゃねえ。明日まで待ってやるよ。明日持って来なけりゃ、約束は守れねえなぁ」
ホーガン)「…わかった。」
ヴェル)「ジジイ!?なんでだよ!」
ホーガン)「黙ってろ!!」
体躯の大きい男)「話の分かる親で良かったなぁ。じゃあ、また明日この場所でな。」

ガタイの良い男といじめっ子が去っていく。

ヴェル)「なんであんな奴の言いなりになるんだよ!」

ホーガン)「約束はどうした?一つも守らず何をしてたんだ!」
ヴェル)「あいつらが男の子をいじめてたんだよ!それを止めただけじゃん!…火を吹いたのは、カッとしちゃったから。」
ホーガン)「知らない奴とは関わるなと言っただろ!クソ…。!」
ヴェル)「なんなんだよ!親でもないくせに!」
ホーガン)「親か…」

大通りを歩く体躯の大きい男といじめっ子。体躯の大きい男がふと何かを思いついて立ち止まる。

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