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寿司日乗527〜533

2024年5月6日(月・祝)晴れ 強風

「起き抜けに珈琲を飲むことをやめよう」と思いながら珈琲をコップに注いでいた。作業途中、友人から連絡あり最寄駅まで出て少し遅い昼飯。2時間半ほど喋り倒してスッキリする。何をそんなに話すことがあるのかと、ひとり茶店で本を読んでいる時など、お喋りに明け暮れる他人を観て時々思うことがあるくせに、いやぁ話す内容よりただ、表情筋を常に動かして言葉をツラツラ口にすることは、切れ味のいい包丁でタンタンタンタン!と胡瓜を薄切りにするくらい、気持ちがいいんです。あ〜スッキリした!

帰宅後、就寝前まで作業。ワインを飲むために購入していたグラスで赤ワインを飲む。身の丈の範囲で器やグラスを揃え、飲み物や料理に合わせて盛り付けるだけでも味わいは変わるよねぇ、楽しいよねぇ……などと誰に言うでもなく独り言。


2024年5月7日(火)晴れ


「38000円かな」知らない男性の声で起きる。夢の内容は覚えていないが、この3万8千円という言葉だけ残っており「これは……ロト6を買いに行くか……?」暫く真剣に考えてアホらしくなり、近所の定食屋に行く。
広い店内、満席。ホールスタッフワンオペ。大変気の毒に思う。が、ぐぅと腹が鳴り辛抱強く待つ。私の隣のサラリーマンは40分待って5分足らずでかっ込み「ご馳走様!」と出て行った。限られた休憩時間の中でまんじりともせず待つ姿に社会の錘としてしっかり働いているその人を辛抱強いと思い、安住紳一郎のラジオを聴きながら40分ニヤニヤしている私は社会のお荷物にならないようにしないとな……と思っている間に運ばれてきた定食をいつもより背筋を正して完食。
帰宅後、何をしても捗らず。気付くと夜。大きな声を出したくなりスナックアーバンへ。閉店30分前渾身の一曲、アン・ルイス/womanを歌い、今日の句点としました。


2024年5月8日(水) 曇りのち雨


胃痛で動けないので棒になる。
スレッドを流し読みしていると、満員電車で味わう不快感に似たものを感じるくせにランダムに目を通す。PHP文庫にありそうな文言も流れてくる。
いつの間にか眉間の皺が深くなり口が開いている自分に気付き、携帯を放り投げて安住紳一郎のラジオアーカイブを聴きながら、サイレントリスナーを卒業し、私も今一度ペンネームを改めてお便りを出すか真剣に考え昼寝。
起きてやる気なし。クサクサした気持ちで電車に乗ると歌詞のフレーズが浮かびメモをとる。
新宿馴染みの店で晩酌。H君、Yさんらと談笑。Sさんが来店し「本当に毎日いるんだね」と言われたものの、毎日はいません。毎日居ると思われる位は居るので毎日居るようなもんかとふと思う。終電前には帰宅。


2024年5月9日(木) 晴れ


プールを再開しようと思いながら競泳用水着を着ようとして腕が入らない。痛い……パツンパツンになっており「あーーー!」と叫ぶ午後。気休め程度に身体を動かすものの、満足せず「とりあえず歩こう沢山歩こう」と自分を鼓舞し、歩く。小一時間ばかり歩き適当な中華屋に入る。歩いた後のラーメンは旨い。プラマイゼロ。人生は厳しいが自分には甘い。店を出ると暗くなっていた。
可もなく不可もなし。中年になった人間の1日。胸を張って言うことでもないが。何事もなく終える1日の尊さは、若い頃より身に沁みる。
胃痛がおさまらず21時半には寝落ち。


2024年5月10日(金)晴れ


母に送ろうと散歩のたびにいいな、綺麗だな、可愛いねと思う花の写真を撮るものの送ったためしがない。見返して愛でることも頻繁にしないのになぜ、私は花や植物をパシャパシャとるのだろうかと思いながらも撮っている。直にジッと見つめたり匂いを嗅いだりしている方がいい。時々写真を拡大してマジマジと見たりもする。花はマジマジと見ると結構エゲツない形や色をしている。全体で見るのと細部を見るのではこうも感じ方が変わるのか。人間も一緒か。それでも花はいい。
そういえばもうすぐ母の日です。

午後、2時間ばかり雑務と作業。夜、アーバン。
風が強い日に外を闊歩するのがいい。自然と気持ちがよくなることは、以外とお金がかからないことが多いな、などと思い帰宅。
快楽には金がかかるな!背徳感もついてくる。
深夜の味噌バターラーメンの罪深さ。

2024年5月11日(土) 晴れ

シチューが心底食べたい……食べたい!飛び起きてスーパーで買い物を済ませてシチューを作り昼飯。仕上げに少しばかり醤油を入れると旨い。白飯は刻んだパセリとバターを入れて炊く。口の中で混ざり合う時、コクが増し旨味が増す。食べ過ぎる。のち、夜まで作業。衣食住を確保できて初めて世の中の人がコチラに興味を抱いてくれるかもしれないような仕事を何故選んだのかと棒立ちになる日もあります。が、やめられないなぜか。
どんな仕事でもそれをやりたい人がやればいいと常々思うが、仕事そのものより仕事に付随する物事に疲れているように思う現代人。
友人や知人の話(主に愚痴)を聞いていると仕事そのものはみんな好きだっていう。私もそう思う。

2024年5月12日(日) 晴れ

ロジャー・コーマンの死を知る朝。ティーンネイジャーの私は田舎のレンタルビデオ屋に週3、自転車を30分走らせビデオ棚の下段、色褪せたパッケージばがりを貪るように借りては観ていた時期があり、ロジャー・コーマンを知りました。「デス・レース2000」を始め、コーマン先生の作品に持て余す時間を濃密なものにしてもらえた。これからもバカなこと真剣にやります、ワタシ。ありがとうございました。

昼飯を食べながら美味しんぼ。九州の味噌を購入した。久々に地元の味というだけで箸がすすむ。
のち、ラジオをつける。安住紳一郎の声が今朝は特に呑み声だと思う。職業柄の声色だと理解しつつ、声の奥は暗い。無駄に心配などしてしまうが、今安住紳一郎のラジオがなくなってしまたらワタシは酷く落ち込み、健康的に過ごせなくなるかもしれない(あの語彙力と知識、エスプリ加減。話術のリズムパターンの多彩さ!)ので、安住さん健康でいてください。

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