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再会。

「ハウス食品 世界名作劇場」と言ってすぐにピンとくる方々はきっと同世代でしょうか。私はこのアニメーション番組が毎週楽しみだった。私が夢中になって観ていたのは1985年から1992年の7年間、毎週日曜日19時半になるとブラウン管テレビの前で姿勢を正して鑑賞していた。『小公女セーラ』『愛の若草物語』『ピーターパンの冒険』『大草原の小さな天使ブッシュベイビー』など思い出に深く残っている。
当時の私は各オープニング曲が特に好きで、曲を聴く為に放映時間ピッタリにテレビの前に鎮座していたと言っても過言ではない。
『小公女セーラ』のオープニング曲「花のささやき」という曲を始めて聴いた時の心がギュウと掴まれる感覚が6歳の私には初めての経験であり、感傷的という言葉さえ知らない時分、この物語がとても切ないものなのだとオープニング曲で感じていた。レコードを買ってもらい(確か赤いカラー盤だった)「♪わたしだって なこうとおもったら こえをあげて いつでもなけるけど むねのおくに このはなあるかぎり つよくいきて みようとおもう」
という箇所(サビ)がやけに好きでよくうたっていた。6歳の女の子にその意味が深く理解できていたかといえばそうではないのだが、名付けようのない胸のざわめきがこの一節に凝縮されていた。

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