見汐麻衣

singer,musician / writer ✍️. 初エッセイ集『もう一度 猫と…

見汐麻衣

singer,musician / writer ✍️. 初エッセイ集『もう一度 猫と暮らしたい』(Lemon House Inc. )発売中。 Lemonhouse https://lemonhouse.jp/artist/mishio-mai

マガジン

  • おはよう、荒野。

    見汐麻衣による連載エッセイ。毎月、隔週土曜日の更新です。

  • 寿司日乗または雑記

    日記。雑感。

  • NEWS

    新作、新譜リリース、ライブスケジュール等についてのお知らせなどになります。

  • 音楽

    音楽にまつわる雑文。 寿司日記に書いていたものをアーカイブしていこうと思います。

  • お茶のお供に

    ■毎日なんでもないことを繰り返す中で、発見と気付きの中間に佇む様な瞬間が度々訪れる。見てみぬふりをして通り過ぎたって構わない、忘れられる過去からの賜物。皆様の一服のお供に。 別のサイトにアップしていたエッセイをこちらにまとめました。

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見汐麻衣エッセイ集『もう一度 猫と暮らしたい』お取り扱い店舗

見汐麻衣 エッセイ集 「もう一度 猫と暮らしたい」 著者:見汐麻衣 仕様:四六判 変形 上製本 192ページ 装画・デザイン:横山雄 編集:花井優太(Source McCartney) 価格:2,000円(税込) 発売日:2023年5月27日(土) 発売元:Lemon House Inc. 随時更新していきます。 皆様の暮らす街の本屋さんで見かけた際は是非、手にとってみて頂けたら嬉しいです。 ※コチラで表題作「もう一度 猫と暮らしたい」読むことができます。

    • 寿司日乗534〜540

      2024年5月13日(月) 雨 5時半に起きてしまう。マルちゃん製麺醤油味のスープに卵を溶き、麺は硬めに茹で、最後に水菜を散らして朝でも罪悪感の少ないラーメンを仕込み、テレビをつけて安住さんを観る。Bside安住(AMラジオ)ばかりを堪能しており、こりゃいかん。Aside安住(民放テレビ)を、動く安住紳一郎を取り入れていかなければバランスが悪くなるという思考が湧いて、今。だいぶんキている、私。疲れた顔がセクシーさを増しているではないか。 何卒、健康でいてください。 今週よ

      • 鈍い音。

         突然、予想だにしない出来事が自身の身に起きた時、常にたじろがず冷静に対応できる人間になりたいと思うことはありますか。私はいつどんな時もそう思います。その為常にシュミレーションの多い人生でもあります。 今、自分が置かれている状況や仕事の内容において、考えうる最悪の状況を真っ先に考えそれらを事前に潰していかなかれば気が休まりません。実際に最悪な事態になった時、想定内であれば素早く動くことができます。がしかし、そこまで考えていたとて、想定外のことが起こることは人生の時々にあります

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        • 寿司日乗527〜533

          2024年5月6日(月・祝)晴れ 強風 「起き抜けに珈琲を飲むことをやめよう」と思いながら珈琲をコップに注いでいた。作業途中、友人から連絡あり最寄駅まで出て少し遅い昼飯。2時間半ほど喋り倒してスッキリする。何をそんなに話すことがあるのかと、ひとり茶店で本を読んでいる時など、お喋りに明け暮れる他人を観て時々思うことがあるくせに、いやぁ話す内容よりただ、表情筋を常に動かして言葉をツラツラ口にすることは、切れ味のいい包丁でタンタンタンタン!と胡瓜を薄切りにするくらい、気持ちがいい

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        • もう一度猫と暮らしたい(エッセイ集より期間限定公開中)
          1本

        記事

          寿司日乗520〜526

          2024年4月29日(月・祝) 曇りのち小雨 夢の中に決まって出てくる人がいる。定期的に。 今朝起きて暫し考える。何か話していたのだが思い出せない。そのうち腹が鳴り昼飯の準備の前にスーパーへ向かう。人参が一袋500円近い。薄給のワタクシは人参の前で何度か手を出したり引っ込めたりする。値上がりするにもワケがあると承知の上で「やってられんよ」独り言。人参パス。 キャベツキャッチ。 コナンを観ながら昼飯。コナンは事件解決だけ頭にある故だいぶ世の中の交通事情に迷惑をかけている。ス

          寿司日乗520〜526

          再会。

          「ハウス食品 世界名作劇場」と言ってすぐにピンとくる方々はきっと同世代でしょうか。私はこのアニメーション番組が毎週楽しみだった。私が夢中になって観ていたのは1985年から1992年の7年間、毎週日曜日19時半になるとブラウン管テレビの前で姿勢を正して鑑賞していた。『小公女セーラ』『愛の若草物語』『ピーターパンの冒険』『大草原の小さな天使ブッシュベイビー』など思い出に深く残っている。 当時の私は各オープニング曲が特に好きで、曲を聴く為に放映時間ピッタリにテレビの前に鎮座していた

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          寿司日乗513〜519

          2024年4月22日(月) 晴れ 昼、起きて洗濯。用事で下北沢へ向かい昼飯も済ませる。 帰宅後、明日のみしお食堂の仕込みをやりながら安住紳一郎のラジオアーカイブを聴く。聴けば聴くほどこの人は本当に怖い人だと思う。目がこわい人が好みだと若い頃から思っているのだか、この「怖い」というニュアンスはなかなか言葉にならない。いや、できるけれど特にしなくてもよいことなのでしないだけか。 夜、阿佐ヶ谷。友人がやっているレゲエマンデーに顔を出す。とてもいいなと思った曲(アルバム)をN君確

          寿司日乗513〜519

          寿司日乗506〜512

          2024年4月15日(月)晴れ 朝、病院へ。季節の変わり目に体調を崩すことにコロナ以降過敏になっているものの、今回はいつもの慢性的なやつで安心する(のもどうかと思うが体力以上にマインドがやられていくあの過程はもう味わいたくない) 私は性根がひん曲がっているので見聞きするものに対し色眼鏡の強い感想を持つものの、直接口にはしないが自分は嫌な奴だなとは思っている。定食屋で母と娘が昼飯を食べていた。娘は髪を引っ詰め姿勢もよく白いタイツを履いていた。会話の内容からもバレエの稽古をや

          寿司日乗506〜512

          東京の人

          (2021.11.8.記)  渋谷駅西口歩道橋を歩いていると前方から歩いてきた年配の女性に「すいません」と声をかけられた。 「此処に行きたんですけど、道に迷ってしまい……」そう言って紙に書かれた手書きの地図を差し出され覗いて見るとBunkamuraと大きく書かれた文字ととても抽象的な道順が記載してあった。 「あぁ、これじゃわかりづらいですね。ここからだと真逆の方向になりますね。えっと、渋谷のスクランブル交差点を109の方に渡って、109を左手にして文化村通りを真っ直ぐ歩くと東

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          寿司日乗499〜505

          2024年4月8日(月)曇りのち雨 朝、東京に戻り井の頭線に乗って俯きウトウトしている視線の先、いつもより多いピカピカの革靴、ローファーが行ったり来たりしていて「あぁ、春だなぁ」と思うなど。 睡眠不足の為、昼寝をと思い横になるものの寝付けず。仕方なし明日のみしお食堂の買い出しと仕込みなどやり、疲れきったところで22時半には就寝。疲れが足りない、とは変な言い方だが疲れ果てた後の睡眠はこの世でなにより幸せかもしれないと思います。 2024年4月9日(火)雨のち曇り強風 朝、

          寿司日乗499〜505

          寿司日乗492〜498

          2024年4月1日(月)晴れ 朝、起きてラジオをつける。用事で外出すると近所の桜が咲いていた。去年末まで所用で13年間よく通っていた渋谷の桜丘辺りを歩くたびに春を感じていたけれど、それも今年からはなくなったと思うと少し寂しい。同じく13年間渋谷のあの一帯の変容する様を見てきた。都市開発ばかりしている東京には決まった顔がないですね。まぁ土地や街、都市の風景はそれぞれ思い出の中にあるものなんだろう。2011年から2023年の鶯谷町へ向かう道順沿いの全てが私にとっての渋谷の風景。

          寿司日乗492〜498

          鉄の匂い

           父と母の共通の友人に早川夫妻が居た。早川家の大黒柱、ブンちゃんは大型トラック運転手で面倒見のいい人だった。ブンちゃんはとても気前のいい男で誰彼構わず親身になって世話を焼いてしまうものだから皆んなに慕われ、どこに出向いても「ブンちゃんブンちゃん」と町内の人や商店のご主人や奥様に至るまで幅広く愛されていた。ブンちゃんの奥さんテツコおばちゃんは美容室を営んでいた。母は私が生まれる前から早川美容室に通っており、父もまた店に通っていたらしい。母と父との関係が芳しくなかった時も、母は早

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          寿司日乗485〜491

          2024年3月25日(月)雨 しとしと雨の音、春雨けぶる空の色。やっと春のしっぽり感が。寒くもなく気分がいいのでこのまま飛び起きて掃除機をかけて拭き掃除。アジフライが頭に浮かんだので定食を食べに外出。アジフライはレモンをかけてそのまま一枚、もう一枚はソースにチョンとつけて食べる。旨い。 近所に咲く木蓮が雨に打たれてセクシー。 帰宅後音楽など聴いて久しぶりに好きな曲のコードを耳でひろうなどする。 「はぁー!」「ここでこの展開なんだ、へぇ!」など感嘆しながら構成の自由さを改め

          寿司日乗485〜491

          寿司日乗478〜484

          2024年3月18日(月) 晴れ 昼、どーしても一風堂のラーメンが食べたくなり食べに行く。旨い。白飯に高菜ともやしを乗せて良く混ぜて食べる。至福。歩いて隣駅のスーパーへ。明日のみしお食堂の食材を購入し、豆腐屋で豆腐と揚げを買う。半日かけて仕込みをやる。 老舗の八百屋が更地になってしまい、豆腐屋の店主と話す。「寂しいけど仕方ないね」そう、全部がだいたいそうだ。寂しいけど仕方ないのだ。人生。しかしやるしかないことの繰り返し。 久しぶりに沢山料理をしたらスッキリしていた。 明日は

          寿司日乗478〜484

          とまとおじさん3

           どんな仕事でもそうだろうが、その仕事に従事した人だからこそ得ることのできる知識、経験に基づき新たに生まれる視点がある。成熟するために必要な時間を経て言葉にできる時が訪れる。言葉にすることで理解できるものごとがある。懸命に毎日を過ごす中で言葉にせずとも身体に吸収され消えていくだけの真意もある。試行錯誤を繰り返し社会の中で何者かに成っていく私達はただ、目の前のことを実直に真っ当にやっているだけに過ぎないのだが、人との交わりの中で時として自身の正義が誰かにとっての悪にもなることも

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          とまとおじさん3

          寿司日乗471〜477

          2024年3月11日(月) 晴れ 朝、起きてラジオをつける。洗濯機を回している間、昼飯に出る。冷麺が食べたいので焼肉屋のランチにして旨くも不味くもない冷麺を啜りながら失敗したと思うが時すでに遅し。某大学の男女学生集団の高らかな笑い声と話し声が耳をつんざくものの、四方八方放たれる若さは一瞬だもの。いいじゃない。ただ、大きな声で話している内容には眉をひそめてしまう。 19歳男は言う。「〇〇の親が年寄り過ぎてウケる。入学式の時、みた?おじいちゃんおばあちゃん過ぎてマジかと思った」

          寿司日乗471〜477