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秘境駅訪問記  宗谷本線糠南駅


訪問を決めたきっかけ

 この記事が投稿される3月、毎年のようにJRではダイヤ改正を行う。
新線開業、スピードアップ、新車導入等輝かしい内容が多い。実際、2024年には北陸新幹線が敦賀まで延伸をし、山形新幹線には新型車両が導入された。
 しかし、ダイヤ改正はいいことばかりではない。減便はもちろんのこと、人口が少ない地域の路線・駅の廃止などがほぼ毎年起きている。
 路線・駅の廃止は主にJR北海道で起きている。採算がとれなく、利用客数が極端に少ない路線・駅を維持する余裕がないからである。そんな秘境路線・駅を使えるのは時間の問題であると感じたため、今のうちに秘境駅に降りようと決心した。
 何駅かある秘境駅のうち、糠南駅を選んだ理由は以下の通りである。

 ・時間があるときになるべく遠くに行きたいと思ったため。
 ・北海道の原野にポツンとある小さな駅に魅力を感じたため。
 ・北海道特有の板張りのホームを見たいと思ったため。

※詳しくは後述

糠南駅の概要

場所:北海道天塩郡幌延町字問寒別
路線:宗谷本線  ※最北の路線
利用客数:不明  ※地元の利用客はいない模様

廃駅の流れはあったものの、幌延町が維持管理費用を負担することで存続している。

アクセス

鉄道でアクセスする場合、旭川駅または稚内駅の近くに前泊するのが無難である。宿泊場所が確保できるのであれば音威子府駅の近くの宿泊もあり。
本数が極めて少ないので時間には注意が必要である。

糠南駅の時刻表

稚内方面行き:6:30発、10:06発、18:04発
旭川方面行き:6:48発、12:11発、19:45発

※6:30発は音威子府始発

滞在時間

鉄道でアクセスするのであれば、
・糠南駅6:30発の列車で糠南駅下車→6:48発の列車で旭川方面へ引き返す場合  滞在時間18分  
※この場合、音威子府駅周辺での前泊が必須

・糠南駅10:06発の列車で糠南駅下車→12:11発の列車で旭川方面へ引き返す場合 滞在時間2時間5分
※旭川駅周辺での前泊の場合、この列車の利用となる。

のどちらかが現実である。
可能であれば車での訪問が望ましい。
ただ、宗谷本線の風景はとてもいいので、鉄道での訪問もおすすめしたいところ。
降り立つことはできないものの、糠南駅以外の駅も列車から楽しめる。

注意点

・周辺にコンビニが1軒もないため、事前に食料の調達が必要である。
・列車は上下1日3本しかないため、鉄道でのアクセスにする場合、スケジュールを作成するのが大変である。
・駅には物置のような待合室が置かれているだけなので、悪天候の日は訪問を断念するのが安全である。

糠南駅の様子


前述した10:05着の列車で糠南駅に訪問

サビだらけの駅名版に板張り(というか板切れ)のホーム、物置の3点があるだけ。あとは何もない・・・


駅の外からの様子

周辺にはコンビニどころか民家すら見当たらない。
本当に、駅なのか? 実際に列車から降りたってもそう感じた。
いざ降り立ってみると、よくこんなところに鉄道を通したなと感じる。


雪をしのげる場所が駅のホームにある物置の中だけなので、悪天候の訪問は避けたいところ。

また、この写真を撮っている方角は東なので、6:30の列車で訪問すると(天気に恵まれれば)綺麗な朝焼けが見られるだろう。
次回はその時間に行ってみたいと思った。


特急宗谷

しばらくすると、旭川方面から特急列車がやってくる。
札幌を朝に出る特急宗谷号で終点の稚内まで5時間以上かけて走る。
糠南駅を通過するのは一瞬で、乗客のほとんどは糠南駅の存在に気が付かないだろう。
仮に糠南駅の姿を見ることができても、「これは駅です。(This is a station.)」って言われたところで腹落ちはできないだろう。


駅名版に対して正面から撮影。
右の標識の棒がすべて埋もれれしまうぐらい雪が積もっていた。
もはや糠南駅のホームがどれなのかが全く分からない。


物置の中には雪かきに使う道具が収納されていた。
北の大地に豪雪地帯、雪かきは必須である。

雪かきの道具で場所を取っているので、実際にこの中に入れるのは3人くらいが限界だろう。


物置の中に貼ってあったスカスカの時刻表。
稚内まで行く普通列車が減便されてしまったため、列車での訪問は厳しくなった。


当然トイレはなく、最寄りのトイレまで2kmある。
「ただし紙は自己責任で・・・。」
過去にやらかした人はいるのだろうか・・・

最後に

12:11発の旭川行きで撤退
約2時間の秘境駅滞在、冬の北海道なだけあって長い間寒い思いはしたが、意外とあっという間だったような気分だった。
車で訪問するのが一番合理的ではある。
しかし、鉄道の車窓から厳しい自然環境を感じることができるため、可能な限り鉄道で訪問したいところではある。
次回訪問するにしても鉄道で行くつもりである。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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