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野面積み(のづらづみ)のようなチームと組織をつくり上げる

会社にはそれぞれ違う自分らしさを持った人が集まっています

当たり前のことですが、人間は一人ひとり異なります。 名前も出身も体格も性格もすべて異なるのが人間です。 そして、会社はそれぞれ違う自分らしさを持った人が集まって仕事をしている場であり、 組織です。

しかし、私たちは多様な人材が集まっているという事実を時々忘れてしまいます。 忘れるとどうなるかというと、望むように都合よく動いてくれる人がいい人で、そうでない人には「使えない」というラベルが貼られます。

言われたことを文句いわずにやってくれる人を求める時代がありました。代表的なのは高度成長期の製造業です。 需要が明確で供給が活発だっただけに、文句を言わないで黙々と働いてくれる人材が歓迎されたのです。

社員一人ひとりの良さや魅力を理解していますか?

しかし、社会の状況は大きく変わりました。人々の価値観も多様化し、見通しが不明確な時代です。同じ考えや行動の10人よりも、異なる考えと行動の10 人の方が、アイディアの質量が高く、多様な要望にも応えられます。

言われたことだけをやる均質的な人材からは、多様なアイディアは出てきません。個々の能力が低いわけではありません。「余計なことを言うな」「言われた通りやれ」という仕事の環境に問題があります。

「 言っても仕方ない」「でしゃばると潰される」という感覚が仕事を他人ごとにしているのです。「ウチはそんなことはない」と経営者が思っていても、仕事を自分ごとととらえて働いている人はどれだけいるでしょうか。

自然石をそのまま組み合わせて積みあげる野面積み

「野面積み」という石の積み方があります。 自然石を削るなどの加工を行わず、そのまま積む方法です。 さまざまな大きさや形の石の特性を活かし、組み合わせることで 、強固な石垣をつくり上げることができます。

適当に積んでいるように見える野面積みですが、絶妙なバランスが保たれています。 自然石をそのまま積みあげるので隙間ができるのですが、実はこの隙間は石垣の背後にたまった水を排出する役目を持っています。

組織も同様、金太郎飴のような人材ではなく、異なる個性や専門能力を持った人材を活かした方が変化に対応できます。 お互いの違いを認め合うことで、仕事で発生するストレスの圧力も野面積みのように排出できます。

城の石垣に多く使われていますが、案外身近でも見つけることができます

相手の「いいところを探す」には努力が必要です

野面積みのような組織づくりは、個々のいいところに着目することから始まります。 多くの人は悪い面や欠点には気づきますが、いいところを探すのは得意ではありません。 「いいところ探し」のポイントは次の3つです。

一つは「完璧を求めない」ことです。 完璧を求めると粗や欠点が気になり出します。 いいところはその陰に隠れてしまいます。 二つ目は「色眼鏡で見ない」ことです。 先入観や偏見で判断するといいところは見つかりません。

三つ目は「積極的に関わる」こと。 遠くから眺めているだけではいいところは見つかりません。 自ら近づき、よく見て、話しかけ、ともに動いてみることです。 この3つの実践で、野面積みのような組織を作り上げましょう。

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