程暁農★露・ウクライナ戦のドイツ・ファクター(中)   — 独の「緑のエネルギー政策」が露の「好機」に —


2022/03/14

 ウクライナの戦争とドイツのエネルギー政策にはいかなる関係があるのか?戦争はプーチンの侵略から始まったんじゃないのか?

 表向き、この二つは無関係に見えるかもしれないが、ちょっと掘り下げると、ドイツの「緑のエネルギー」政策はやはりウクライナの戦争と関係するのだ。

 長年、ドイツは「緑のエネルギー」政策を貫徹するべく、自国エネルギーをロシアの天然ガス供給に求めてきた。これはまさに自分の首に縄をつけて、プーチンに差し出したようなものだった。

 プーチンは、ドイツが今年すべての原発をやめ、ロシアから天然ガスを大量に輸入するようになり、ドイツの冬期の暖房がロシア天然ガス頼みになったのを見極めて、ウクライナ侵略戦争を開始したのだった。

 ★ドイツは首つり用の縄をプーチンにプレゼント

 なぜ、プーチンはウクライナ侵略に今年を選んだか、というのは3月8日に「露・ウクライナ戦のドイツ・ファクター上」で書いた。(未訳、近日翻訳します)

 ゼレンスキーが大統領になる前の2018年、ウクライナはすでにNATOとEU加盟を憲法に記していたのだが、プーチンは動かなかった。じっとドイツが「釣れる」のを待っていたのだ。

 ドイツという大魚がかかった直後に、ウクライナ侵略が始まった。

 ドイツは自らの誤った気候政策のためにNATO諸国の集団安全保障を脅かすようなことを数多くしでかした。ドイツが「首を絞めるような縄」をプーチンに手渡し、プーチンは戦争のチャンスをゲットしたのだった。

 この「縄」とはつまりドイツの「緑のエネルギー」政策にほかならない。

 ドイツは今年、徹底的に原発を廃止する準備をととのえた。つまりロシアからのパイプラインによる天然ガスに依存することになった。

 そして、ドイツが「エネルギー対露依存」し、NATOやEUのメンバーとしてプーチンのウクライナ侵略に対して対抗できなくなり、NATO内部やEUで、プーチンの「味方」同然になってしまった。

 なぜプーチンはこの寒い時期にウクライナ侵略を始めたのか?明らかに二つの理由からだ。

 一つは、冬の凍結した地面を利用して戦車を使った第二次大戦以来の伝統である機甲部隊と機械化歩兵による攻撃。

 第二にはEUの指導的国家であるドイツが高度にウクライナの天然ガス暖房に依存している冬が最も弱い時期だからだ。ドイツは自分たちのエネルギーの安全のためにウクライナを支持することはなかろう、とこのチャンスを掴んだのだった。

 ウクライナ危機の解決には、EUの確固たる団結することが前提だが、まさにこの点で、指導的立場にあるドイツの態度は大変曖昧なものだった。

 今回の危機発生後、ドイツはNATOが対露強行姿勢をとるのに反対したばかりか、ウクライナに大量の武器を供給することにも反対した。

 さらにはSWIFT(国際銀行間通信協会)からロシアを排除することにも徹底して反対したのだった。これはロシアの侵略に対する姿勢を大いに弱めたのだった。

 ★筋のとおらないグローバル気候観測地点の問題

 ドイツの「緑のエネルギー」政策は「地球温暖化」(global warming)説にのっとっている。もし左派のグローバル気候政策の根源をしらなければ、なぜドイツの「緑のエネルギー政策」が奇妙奇天烈なものかが大変分かりにくい。

 全世界の二酸化炭素放出を食い止めようという政策は「地球温暖化」という仮説の上に建てられたものだ。

  世界気象機関(WMO)は、全球大気監視計画(GAW)を通じて大気中の二酸化炭素濃度の変化を監視している。しかし、このネットワーク分布には重大な欠陥がある。

 まず、GAWは地球上に30カ所の基準局があるが、そのうち12カ所は人間活動のない地域にあって、測定結果は、大気中のCO2濃度と人間活動の関係を直接反映しようがないものだ。

 この12カ所は、南極に3カ所、北極圏付近に4カ所、太平洋に3カ所、インド洋に2カ所あるのだが、どれも人間活動が少なく、大気中の二酸化炭素濃度の変動が主にモンスーンや火山に起因している地域である。
 
 そして、人間が活動的な各大陸の観測地点は18カ所しかないのだが、それも二酸化炭素の放出大国である中国や米国はほとんど無関心だ。

 この18カ所の分布は非常に奇妙で、アメリカ大陸全体では、南極に面した南米最南端に1カ所あるだけで、北米にはない。

 アジア大陸では、インドと中国西寧の南西90kmにあるワリグアンに2カ所あるだけで、東南アジアに2、オセアニアに2、アフリカ大陸に5、西ヨーロッパの国々に6カ所となっている。

 つまり、この18地点の分布の特徴は、世界中の人間活動による大気中のCO2濃度変化の代表的なモニタリング分析ではなく、主に西ヨーロッパ諸国における排出削減政策の有効性を実証することを目的としているのだ。

 このような観測地点で実際の各国に二酸化炭素濃度を分析するという重大な欠陥は明らかだ。このような観測網のデータから世界各国の二酸化炭素の排出度合いを評価するのは大いに疑わしい。

 実際、世界気象機関は、東アジア、中央アジア、南アジア、東欧、中欧、中東から北南米のほとんどの国に至る広大で人口密度の高い地域の大気中のCO2濃度がどうなっているのかを把握しないまま、二酸化炭素が地球温暖化を生み出していると人々を盲信させている。

 ★たった二つの観測地点で全世界の二酸化炭素濃度決定

 WMOは世界の大半の国の大気中CO2濃度を把握していない。だから、これら30の観測地点のデータに頼るしかなく、地球上の大気中CO2濃度が増加しているという結論に飛びつき、地球温暖化論や気候政策を出してきたのだ。

 2020年9月9日に発表されたWMOの報告書「Uniting in Science: Climate change does not stop with COVID-19」というのがある。

 これだと、2020年前半に二酸化炭素濃度が410ppmを超えた。 2020年7月にマウナルア(ハワイ)とグリム岬(タスマニア)でそれぞれ414.38ppmと410.04ppmとなった。

 これは、2019年7月の411.74ppmと407.83ppmから増加したている。だから、気候変化を安定化させるには、絶対、ゼロまで減らさないとダメだ、という。

 この引用から、昨年11月の世界気候サミットで強力に推進された気候政策のいわゆる「科学的」根拠は、この2つの観測データに由来するようだ。

 この2つの観測結果だけで、人間の化石燃料の使用によって地球の大気中の二酸化炭素濃度が大きく上昇し、そのために地球が温暖化していると結論づけることができるのか?

 この2観測地点のデータを引っ張り出してきたのは、この組織のダメダメぶりをよく示している。ほかに適当な二酸化炭素濃度上昇による「地球温暖化」のデータはなかったのだから。この2カ所のデータはまったく人間の活動と関係がない。

 タスマニアの現場は、オーストラリアで最も保護されている地域にあり、自然保護区の土壌は乾燥すると燃えやすい「亜炭」になり、山火事が起きやすく、人間の活動とは無関係に二酸化炭素を排出する。

 ハワイサイトは、米国ハワイ州最大の島にあり、活火山が定期的に噴火しているため、大気中のCO2濃度が上昇する。温暖化が進んでいるのであれば、WMOはタスマニアとハワイの信頼性の低いデータを使う必要はなかった。

 この2カ所のデータが使われたのは、二酸化炭素濃度の上昇による「地球温暖化」の適切な証拠を見つけようとしないWMOの姿勢を反映したものである。
 
 現在、「地球温暖化」という言葉はすでに消えてしまった。が、「気候変動」という言葉は同義語になっている。

 ブッシュ大統領時代に初めて使われた「地球温暖化」という言葉が「気候変動」という言葉になったのは、「地球温暖化」がはなはだ不評だったからだ。

 今日、「地球温暖化対応政策」という概念を使い続けている政府はない。

  タスマニアの山火事やハワイの火山が地球を滅ぼすわけではないし、人間は火山噴火を止められると信じるほど愚かではない。

 しかし、「気候変動」は欧米左派の「ポリティカル・コレクトネス」であり、その「正しさ」を疑うことは許されない。

 その理由は「それは政治的に進歩であるから、正しい」のだ。このロジックは共産党がマルクス主義が自分たちの制度的優位性を証明しているというのと同じだ。

 ★ドイツの「緑のエネルギー政策」は自殺的

 ドイツは緑のエネルギー推進に最も積極的な国であり、この「自殺の道」を西ヨーロッパでリードしてきた。
 欧米の左派政党は、石炭や石油などの伝統的燃料は二酸化炭素を排出し地球温暖化を加速させる、原子力発電は核燃料漏れを起こす恐れがあると認識している。

このために、最も安全なエネルギーは再生可能な太陽熱、水力発電、風力発電だということになる。

 しかし、水力発電にはダムが必要で、建設可能な場所は限られる。必要なエネルギーを得るためには風力発電と太陽光エネルギーだ。

 しかし、風力や太陽光発電はコストが非常に高く、電力源も不安定で貯蔵も難しい。だから次善の策として、天然ガスを多用することになった。

 ドイツは平坦な地形で水力発電の条件が悪いため、2000年のエネルギー消費量に占める水力による再生可能エネルギーの割合はわずか5%だった。

 ドイツのエネルギー政策はこの20年間で非常に積極的で、2010年にはエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を19.2%まで高め、2030年までに総発電量の割合を65%、2050年までに80%にする計画となっていた。

 2000年に原子力が30%を占めたドイツでは、グリーンエネルギー戦略に基づき、ドイツ政府が脱原発を決定し、2019年にはエネルギー消費量の13.8%まで削減、2022年末までにすべての原子力発電所を閉鎖する準備を進めている。

 そのためには、原子力に代わる天然ガスの輸入を大幅に増やす必要がある。天然ガスの輸入には、海路による液化ガスとパイプラインによるガスの2つの方法がある。

  前者はアメリカやカナダから遠く離れていてコストが高い。後者はロシアから輸入しているため安い。

 ドイツはガス輸入の55%をロシアからのパイプラインで賄っているなど、エネルギーのロシア依存度が高い。さらに、脱原発を実現するためには、ロシアからのパイプライン「ノルドストリーム2」を建設し、ロシアガスの輸入を増やす必要があった。

 「ノルドストリーム2」パイプラインプロジェクトは、ドイツの2600万世帯に50年間天然ガスを供給することを目的としている。

 供給が始まれば、80%近くあるドイツのエネルギー供給は、完全にロシアに依存することになる。

 ドイツ経済はかくも潜在的敵国に経済的に依存しており、自ら金を払って首つり用の縄を敵側に手渡し、自分の首をしめる「てこ」にしてしまった。

 ドイツの社会民主党は、もともとマルクスとマルキシズムが大好きで、ロシア共産政権が民主化の命綱を握ることには反感をもたなかった。

 それどころか1998年にドイツ社会民主党から政権についたゲアハルト・シュレーダー元首相が、退任後にロシアのガス会社に直接協力してドイツへのガスパイプライン事業を行い、後にロシアの石油会社の役員を務めるまでに、経済的に密接な関係を構築していった。

 この年、米国下院外交委員会のトム・ラントス委員長は、シュレーダー氏をこの理由で「政治的淫売」とののしったほどだ。

 東ドイツの共産主義政権下で育ち、共産主義支配に好感を持っていなかったメルケル首相も、政権を取った時、シュレーダー政権のロシアへのエネルギー依存政策を受け継いだのである。

 ウクライナ危機の解決には、EUが結束して強く毅然とした態度をとることが前提だが、この点に関してこそ、EUの中心国であるドイツは非常に曖昧な態度だった。

 メルケル首相は長年政権を担当し、ドイツをロシアとの友好と軍縮の道にを歩ませてきた。

 ウクライナ戦争勃発後、ドイツはウクライナへの大量の武器供給に反対しただけでなく、ロシアのガスへの依存を減らすことを約束することも渋っていた。

 これによってEUはロシアの侵略的意図に対してしっかりした立場をとれなかった。

 なぜ、ドイツはかくもロシアよりだったのか?これは西側国家はわかっていても、突っつきたい問題ではない。

 つまり、ドイツの間違った気候政策がNATO諸国の集団的安全に対して多くの違反をおこない、最後には自ら首を絞める縄の先をプーチンに渡してしまい、プーチンがNATOに挑戦する元手を与えてしまったのだから。

 かくて、ドイツの国際政策は常にプーチンの顔色を伺い、プーチンが反対すれば、ドイツはEU内部で反対を唱えた。弱い防衛政策と、ロシアとの親善外交を推進するのが基本戦略となった。

  ドイツがウクライナのEU加盟に執拗に反対しているのはこのためで、新規加盟国の受け入れには全加盟国の全会一致が必要というEUの内部規則を利用して、口には出さないが「引き延ばし戦術」を取っていた。

 ドイツのウクライナ政策は、プーチンにドイツのエネルギーという弱みを握っている限り、ドイツをEU内部の「盟友」として好き勝手に操り、ウクライナ侵略によってもEUの強烈な反発はないだろうと信じさせるに至ったのだ。

 ★EUの「緑のエネルギー病」

 ドイツの現首相ショルツの社会民主党は、伝統的にロシアとの対話を信条としてきたが、プーチンの侵攻によって行き詰まってしまった。

 ポーランドの首相は「ドイツは自分のことばかり考えてきたが、今、我々はそんなことをしている場合ではない。だから私はオラフ・ショルツ(ドイツ首相)のところに来た」と非難した。

 国際世論の圧力の下で、ショルツ首相は2月27日、ドイツ連邦議会で、軍拡とロシアからのエネルギー輸入の削減という国際戦略の大転換を発表した。

 これは、ドイツの長年の平和主義的な国家政策とロシアへのエネルギー依存戦略が、すべて間違っていたことを認めたのである。

 しかし、ショルツ首相の変身に、副首相である緑の党のロベルト・ハーベックは「ロシアからエネルギーを輸入しないことは、ドイツの社会的結束を危うくする」と即座に反対した。

 ドイツ社会の大多数は、グリーンエネルギーは最後まで追求しなければならない、ロシアのエネルギーを輸入しなければグリーンエネルギーの道は破綻する、と今でも信じている。左翼思想が国家政策を籠絡している典型的な例だ。

 EUは3月8日、「ロシアの化石燃料への依存からの脱却」と「欧州グリーン・ディールの展開の加速」のための計画を発表した。EUは昨年、ロシアから1550億立方メートルのガスを輸入し、ガス輸入総量の45%を占めている。

 ウクライナ戦争以前に、ロシアからの天然ガスの値上がりはすでに西欧が耐えうる極限にまで達していた。

 EUはロシアへのエネルギー依存から脱却すると同時に、「緑のエネルギー」失敗と経済の苦境、そして「ポリティカル・コレクトネス」の狭間でにっちもさっちもいかなくなっていたのだ。

 これは、ヨーロッパの左翼政党が一斉に緑のエネルギー政策の罠にはまり、いかにして自分たちの「政治的正しさ」を支持者に証明するかというドイツ緑の党の党首の危惧を裏付けるものである。

 実際、EUのリーダーであるドイツは、エネルギー価格を維持するために、すでに石炭への回帰を議論している。

 もしそうなれば、ドイツの左派政権は、グリーンエネルギー政策そのものを放棄することになるだろう。

 昨年末に開催された世界気候サミットを再開して、世界的な気候政策の時代遅れを宣言し、バイデンも気候大使のケリーをクビにするべきだろうか?これは、欧米の左派政権に共通する難題である。

 ドイツのウクライナ戦争に道を開いたドイツの緑のエネルギー政策の「自殺」は始まりに過ぎない。

 ウクライナ戦争の結果がどうであれ、欧州の左派政党の「悪夢」はすでに始まっており、今後、EUの経済、外交、内部対立で欧州に平和はいられない。EUの経済、外交、内部対立が次々と起こることだろう。

 ウクライナ戦争によってドイツやEU諸国のロシアへのエネルギー依存は強制的に断たれ、エネルギー価格高騰による経済的苦境と緑のエネルギー政策の狭間で、欧州の左派政党は後者を放棄せざるを得ない。

 そして、これは疑いなくウクライナ戦争の脅威に劣らない国内政治的惨禍となるだろう。(下に続く)

程晓农:俄乌战争的德国因素(中篇)
——德国的绿色能源政策如何送给普京开战机遇

2022-03-14

乌克兰战争和德国的能源政策有什么关系?战争不就是普京要对乌克兰发动侵略吗?表面上这两件事似乎毫不相关;但深究起来,德国的绿色能源方针还真与乌克兰战争有关。多年来德国为了贯彻绿色能源的既定方针,形成了依赖俄国天然气供应的能源战略,这就把套在自己的脖子上的能源绞索奉送给了普京;而普京等到德国今年决定废除所有核电站、必须大量进口俄国天然气的关键年份,看准了德国冬季取暖依赖俄国天然气的时机,发动了侵略乌克兰的战争。

一、德国把勒住自己脖子的“绞索”送给普京

为什么普京选在今年侵略乌克兰?我3月8日在《大纪元》上的文章《俄乌战争的德国因素(上篇)》中介绍过,早在乌克兰现任总统泽连斯基当选前的2018年,乌克兰就已经把加入北约和欧盟写入了宪法,但当时普京并没采取任何行动,他耐心地等着德国

这条“鱼”上钩;而乌克兰战争爆发之年,就在德国这条“鱼”上钩之后发生了。

德国为了自身错误的气候政策而做了大量违反北约国家集体安全的事情,等到德国把可能勒死自己的“绞索”交到了普京手上之后,普京获得了德国奉送的开战机会。这根“绞索”就是德国的绿色能源方针。德国准备今年彻底废除核电,因此就必须从俄国大量进口管道天然气;而德国形成了对俄罗斯的“能源依赖”,它就不可能在欧盟和北约成员中发起对抗普京侵略乌克兰的行动,这等于是充当了普京在欧盟和北约国家当中的“内应”。

为什么普京选在寒冷的冬季侵略乌克兰?有两个显而易见的原因:第一,普京侵略乌克兰,用的还是二战时传统的装甲部队和机械化步兵发动攻击,而冬季的乌克兰地面冻得很硬,方便坦克行动;第二,欧盟的领导国家德国高度依赖俄国的天然气供应,而需要天然气取暖的德国在冬季变得尤其软弱,它为了自己的能源安全,不会支持乌克兰,因此普京抓住了这个时机讹诈欧盟和北约。

要解决乌克兰危机,欧盟的团结一致和强有力的坚定立场是前提,但恰恰在这一点上,欧盟的领导国家德国的态度非常暧昧。这次乌克兰危机发生后,德国不仅反对北约对俄罗斯采取强硬的对抗姿态,也反对向乌克兰提供大量武器,甚至还反对彻底切断俄罗斯使用国际支付系统(SWIFT)。这就导致欧盟面对俄罗斯的侵略十分软弱。

二、荒谬的全球监测网布点

德国的绿色能源方针源起于“全球暖化”论,如果不了解左派的全球气候政策之由来,就很难理解,为什么德国政府的绿色能源方针本身十分荒谬。遏制二氧化碳排放的全球气候政策建立在全球暖化(global warming)这个假设之上。世界气象组织(The World Meteorological Organization, WMO)通过全球大气监测网(Global Atmosphere Watch Program , GAW)来监测大气中二氧化碳浓度的变化,但这个监测网的布点存在重大缺陷。

首先,全球大气监测网在地球上一共设立了30个观测基准站,其中12个观测站设在没有人类活动的地方,那里的监测结果无法直接反映大气中二氧化碳浓度与人类活动的关系。这12个观测站当中,南极3个,北极圈附近4个,太平洋上3个,印度洋2个,它们周围基本上没有多少人类活动,其空中的二氧化碳浓度变化主要是季风或火山造成的。

其次,全球大气监测网在有人类活动的各大陆上的观测点一共只有18个,但这18个观测点对二氧化碳排放大国中国和美国的情况基本上不怎么关注。这18个观测点的分布非常奇怪,整个美洲大陆上,仅在南美洲最南端面向南极的位置设了1个观测点,而北美洲不设点;亚洲大陆只有2个(1个在印度,另1个在中国西宁市西南90公里的瓦里关);东南亚2个,大洋洲2个,非洲大陆5个,西欧国家6个。这18个网点的分布有一个特点,它并不想有代表性地监测分析全球各地人类活动造成的大气中二氧化碳浓度变化,而主要是为了证明西欧国家减排政策有效。

按照这样的监测点来分析各国实际的二氧化碳浓度情况,其严重缺陷是显而易见的。采用这样的观测网点数据来评判世界各国的二氧化碳减排程度,本身大可质疑。其实,世界气象组织并不了解,从东亚、中亚、南亚、东欧、中欧、中东,到北美和南美大部分国家,广大而人口密集的地区里究竟大气中二氧化碳浓度在发生什么样的变化,便以其昏昏、使人昭昭地宣称,二氧化碳浓度上升造成了地球暖化。

三、两个观测点决定全球大气二氧化碳浓度?

正因为世界气象组织不了解世界上大部分国家大气中的二氧化碳浓度,所以它只能依赖这30个观测网点中个别网点的数据,便轻率地做出了地球上大气中二氧化碳浓度上升这样的结论,由此导出了地球暖化论和气候政策。

2020年9月9日世界气象组织发表的《“团结在科学之中”报告:气候变化并未因COVID-19而止步》指出,“根据WMO全球大气监视网(GAW)中基准站的报告,2020年上半年二氧化碳浓度超过百万分之(ppm)410。2020年7月莫纳罗亚(Mauna Lua,夏威夷)和格里姆角(Cape Grim,塔斯马尼亚)分别为414.38ppm和410.04ppm,高于2019年7月的411.74ppm和407.83ppm……要稳定气候变化,必须持续将排放量减少到净零。”

从这段话来看,去年11月全球气候峰会大力推行的气候政策,其所谓的“科学”依据就来自这两个观测点的数据。仅凭这两个点的观测,能得出全球大气中二氧化碳浓度因人类使用化石燃料而明显提高,因此地球变暖这样的结论吗?何况,这两个点的数据根本就与人类活动无关。

塔斯马尼亚观测点位于澳洲自然生态保护最完善的地方,当地自然保护区的土壤干燥后会转变成易燃的“褐煤”,容易发生野火,排放出二氧化碳,这与人类活动无关。而夏威夷观测点位于美国夏威夷州最大的夏威夷岛,这个岛有活火山,经常喷发,造成大气中二氧化碳浓度增加。这两个观测点的数据被用来证明地球暖化,大可质疑。假如地球暖化确实日益严重,世界气象组织就不必选用塔斯马尼亚和夏威夷那不靠谱的数据;而这两个观测点的数据被选用,恰好反映出该组织的无奈,因为它实在找不出恰当的二氧化碳浓度上升造成“地球暖化”的证据。

虽然“全球暖化”这个词现在已经消失了,但“气候变化(climate change)”成了代名词。小布什任总统期间首次愚蠢地使用了“气候变化”来代替“地球暖化”,原因是“全球暖化”论声誉不佳。如今已没有一个政府继续使用“地球暖化应对政策”这样的概念了。塔斯马尼亚的野火或夏威夷的火山不至于毁了地球,人类也并未愚蠢到去阻止火山喷发。然而,“气候变化”已被纳入西方左派“政治正确”的框架,而“政治正确”派不容许别人质疑自己的“正确性”,理由是,它“政治上是进步的,因而就是正确的”。这逻辑和共产党用马克思主义来证明其制度优越是一样的。

四、德国的绿色能源政策走向“自杀”

德国是推进绿色能源最积极的国家,它也带领着西欧各国沿着这条“自杀之路”前行。由于西方的左派政党认定,煤炭和石油等传统燃料会排放二氧化碳,加速地球暖化,而核电又可能产生核泄漏,所以最安全又“绿色”的能源就只有可再生的太阳能、水力发电和风力发电。但水力发电要建水电站,而大自然中能建水电站的地方有限,要充分满足能源需要,只有太阳能和风能可以替代。风力发电和太阳能发电的成本极高,而且电力来源既不稳定,又难以储存;退而求其次,就需要大量使用天然气。

德国地势平坦,水力发电的条件差,2000年以水力为主的再生能源只占能源消耗的5%;过去20年来德国的能源政策非常激进,2010年能源消耗中再生能源占比提升到了19.2%;计划到2030年把再生能源占比提高到总发电量的65%,到2050年占80%。德国2000年时核电占三成,为了配合绿色能源战略,德国政府决定逐步淘汰核电,2019年核电降低到能源消耗的13.8%,并准备2022年底关闭所有核电站。这样德国就需要大量增加天然气进口来替代核能。

进口天然气有海运液化气和管道天然气两种途径。前者运途远,要从美国和加拿大海运,而且成本高;后者成本低,从俄国进口。这样,德国为了维持绿色能源的价格不致于超出经济承受力,就走上了能源方面严重依赖俄国的道路,进口天然气的55%靠俄国用管道输送;而且,为了实现废除核电这个目标,还要大量增加俄国天然气进口,为此修了从俄国输送天然气的“北溪2号”管道工程,准备为德国2,600万户家庭供应50年天然气。如果这个管道工程开始输气,将把德国将近八成的能源供应变成完全依赖俄国。


德国这样经济上高度依赖潜在的敌国,就把自己花钱买的“上吊绳”送给敌方,成为敌方用来威胁自己的“杠杆”。德国的社会民主党本来就喜欢马克思和马克思主义,所以对俄国的红色权贵掌控民主化并不反感;相反还发展出双方紧密的经济关系,德国社会民主党1998年上台的前总理施罗德甚至离任后直接帮助俄国天然气公司修建输往德国的天然气管道工程,后来又充当俄国石油公司的董事。当年,美国众议院外交事务委员会主席汤姆·兰托斯因此把施罗德看作是“政治妓女”。后来默克尔上台了,她在东德共产党政权下长大,对共产党统治从来有好感,她理所当然地继承了施罗德那套能源依赖俄国的政策。

要解决乌克兰危机,欧盟的团结一致和强有力的坚定立场是前提,但恰恰在这一点上欧盟的领导国家德国的态度非常暧昧。默克尔在任多年,引导德国一直走交好俄国、削减军备的道路。乌克兰战争爆发后,德国不但反对向乌克兰提供大量武器,也不愿意承诺减轻对俄国天然气的依赖。因此欧盟就无法表达针对俄罗斯侵略意图的坚定立场。为什么德国如此偏向俄罗斯?这是一个西方国家都心知肚明而又不愿意完全点穿的问题,那就是,德国为了自身错误的气候政策而做了大量违反北约国家集体安全的事,以至于最后把可能勒死自己的绞索交到了普京手上,让普京有机会和本钱对北约叫板。

因此,德国的国际政策经常要考虑普京的眼色,凡是普京反对的,德国就在欧盟内部反对;也在国防政策上采取弱国防、对俄亲善外交的基本策略。正因为如此,德国一直坚持反对乌克兰加入欧盟,嘴上虽然不说,但利用欧盟内部规则要求所有成员国一致同意才能接受新成员国的机会,采用“拖字诀”。德国的乌克兰政策让普京认为,他可以肆无忌惮地抓住德国依赖俄罗斯能源的软肋,有德国在欧盟内部做“内应”,如果侵略乌克兰,不会遇到欧盟的强烈反应。

五、欧盟集体落入绿色能源政策陷阱

德国现任总理朔尔茨的社会民主党传统上一直坚信要与俄罗斯对话,但普京的入侵把德国对莫斯科的交往逼入了死胡同。波兰总理指责德国总理说:“我们在德国这里看到了自私自利的现象,现在我们没有自私的时间了,这就是为什么我来找奥拉夫·朔尔茨(德国总理),来晃动德国的良知。”在国际舆论压力下,德国总理朔尔茨2月27日在德国议会宣布政府的国际战略做重大转变,要扩充军力,削减从俄罗斯进口的能源。这等于是承认,德国多年来的和平主义国策和能源依赖俄国战略全错了。

但是,德国总理朔尔茨的立场转变马上遭到副总理、绿党的罗伯特·哈贝克(Robert Habeck)的反对,哈贝克说,如果不从俄罗斯进口能源,会危及德国的社会凝聚力。这番话的意思是,德国社会的多数人依然相信绿色能源必须坚持到底,如果不进口俄罗斯能源,绿色能源方针就会破产,这就是左派意识形态绑架国策的典型例子。

欧盟于3月8日提出了一个计划,要“摆脱对俄罗斯石化燃料的依赖”,同时加快部署《欧洲绿色协定》。去年欧盟从俄罗斯进口了1,550亿立方米的天然气,占天然气总进口量的45%,而乌克兰战争之前从俄国进口天然气的涨价已经逼近西欧承受能力的极限。欧盟在不得不摆脱对俄国能源依赖的同时,又想挽救绿色能源政策的失败,在经济困境和坚持“政治正确”之间陷进了两难处境。这也印证了德国绿党党魁担忧的事,那就是,欧洲左派政党集体落入绿色能源政策的陷阱之后,如何再向他们的支持者证明自己的“政治正确”。

实际上,欧盟的领导国家德国为了维持能源价格,已经开始讨论恢复使用煤炭;倘若如此,德国的左派政府将自己抛弃绿色能源政策。那去年底刚召开的全球气候峰会是不是也要重新开会,宣布全球气候政策作废,拜登也应该解雇他的气候特大使克里?这是骑虎难下的西方左派政府面临的共同难题。

德国的绿色能源政策走向“自杀”,为乌克兰战争铺平了道路,这还只是开头;不管乌克兰战争的结局如何,欧洲左派政党的“噩梦”已经开始,从此欧洲不再太平,经济、对外关系、欧盟内部冲突会接连发生。乌克兰战争强制地切断了德国和欧盟国家对俄国的能源依赖,而在能源价格暴涨造成的经济困境和绿色能源政策之间,欧洲的左派政党只能放弃后者,而那无疑将是一场不亚于乌克兰战争威胁的国内政治灾难。


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