程暁農★露・ウクライナ戦争と欧州の未来激変 EUは自らの手で引き裂かれるだろう


2022/03/25

 露・ウクライナ戦争が勃発して今日まで、世界各国のメディアは戦争の成り行きに釘付けだが、この数週間の戦争の過程で、欧州は極めて重大な転換に直面せざるをえなくなった。

 欧州の国家は期せずして、本来なら予見すべき不利な局面にも対して何も備えてこなかった。しかし、西側国家の70年にも及ぶ「静かで穏やかな日々」は政治的に破綻した。のみならず、経済的にもとんでもない苦境に陥る。欧州はもう昔のような豊かで幸福な大陸ではいられない。その痛苦は今年から始まる。

 ★ウクライナ戦争が与えた三つの喪失感

 ウクライナ戦争は欧州に巨大な変化をもたらした。EUは突然、長いあいだの平和で幸福から、過去の良き日々は突然終わったのだと叩き起こされた。これは三つの面がある。

 第一には、戦争のない年月と安寧が打ち破られ、EUは再び敵として出現したロシアに向き合わねばならなくなった。

 第二には、ドイツとフランスが団結し「王様」でいられた夢は終わった。EUはウクライナの難民だけで西側国家の安定、豊かさ、秩序が揺れ動かされるのを目の当たりにしている。

 第三は、緑のエネルギーを盲目的に追い求める幻想は破滅した。もしそのまま追い続ければ深刻なインフレが欧州経済を破滅させるだろう。

 なぜ、EU諸国は本来こんなことは予想すべきだったというのか?というと、これらはどれも西欧国家の国際政治と経済戦略の滑稽さによる産物だからだ。

 この3つの失敗はどれも西側左翼の三大ユートピア幻想から生まれたのだった。これについてはすでに以下の3編で紹介した通りだ。

 程暁農★露・ウクライナ戦のドイツ・ファクター(上)   — 平和主義がドイツの国防力を骨抜きにした —

(中)— 独の「緑のエネルギー政策」が露の「好機」に —
(下)— 独の欧州統合の夢は壁に —

 第一の幻想は、欧州は永遠に戦争をなくしたので、国防は形ばかりで十分、資金は福祉向上に使うべきだ、というものだ。

 第二の幻想は、「欧州統一」の日は近く、ドイツとフランスは経済的実力最強の欧州の指導者になって米国や中国と平和的な競争の中で欧州の栄光を再び輝かせるというものだ。
 
 第三の幻想は、「緑のエネルギー」を旗印にして、全世界に高飛車に号令をかけ、欧州が決めた全世界気候温暖化政策によって二酸化炭素排出指標を購入させ、他国のお金で欧州国家の馬鹿高いエネルギーコストを賄おうということだ。

 この三つのユートピア幻想は西側左翼の価値体系が産んだ国際政治とグローバル経済活動の戦略方針だった。

 第一の幻想は左翼の「平和主義」の産物だ。その価値観の背後には共産主義大国への偏好がある。

 第二のそれには、もともとEUの存在自体の幻想がある。その背後には、左翼の世界大統一という価値観があるばかりか、欧州の大国であるドイツとフランスの伝統的な国際的野心がある。

 独仏はどちらも自分たちがかつて世界的な競争の中で歴史的に重要な地位をしめていた時代に戻りたがっていた。

 さらに、この両国は自分たちが決めた「ポリティカルコレクトネス」という左翼的価値観の「制度への自信」「信念への自信」があり、西側社会の大衆的価値観において「進歩的な高み」に立っていると思い込んでいる。

 第三は「★露・ウクライナ戦のドイツ・ファクター(中)— 独の「緑のエネルギー政策」が露の「好機」に —」 で詳細に述べたので省略。

 ★二頭の「赤い虎」が世界と地域の安全保障を脅かす
 
 第二次大戦以後、西欧と中欧が戦争をしたことはない。以前のソ連と米国の冷戦時代でも東西両陣営のホットワーにはならなかった。

 ソ連崩壊後、冷戦は終わり、経済グローバル化が、こうした国際政治の背景の下で次第に完成していくと思われていた。

 しかし、米・ソ冷戦後、世界には静かに、しかし深く世界平和を揺るがせる重大な変化が起きていた

 。すなわち、西ヨーロッパ諸国では「平和主義」が優勢になり、共産主義の覇権主義が再び世界に脅威を与える可能性に対して警戒心を失った。

 独仏両国はEUを通じて欧州全体を支配し、世界最大の統一経済体にしようとする野心が、ロシアに対しての潜在的脅威となった。これは「★露・ウクライナ戦のドイツ・ファクター(下)— 独の欧州統合の夢は壁に —」
で詳しく書いた。

 また、この「良き時代」に、欧米の多くのエリートは、中国共産党の経済的繁栄と強大化に伴う覇権復活の可能性と、ロシアにおける民主化失敗と覇権復活の危険性を見誤った。

 その結果、2頭の「赤い虎」を自らの手で育てていった。

 今、この二頭の「赤い虎」は再び世界の平和と地域の安全を脅かしている。それだけでなく、二頭の赤い虎は互いに結託し、単独で戦わないようにしながら、互いを守っている。

 バイデン米大統領は3月18日のビデオ階段で中共がプーチンを援助しないように制裁で脅かしていた。中共はロシアには人道援助をするだけ」というが、ロシア向けの貨物列車の中身は習近平しか知らない。

 ウクライナ戦争の勃発は西側国家に再び「赤いトラ」とリング上で対決するという時代に戻してしまった。

 この新しい構図では、米中関係も「親パンダ派(親中国派)」の願うようなオバマ時代に戻ったりはしないだろう。EU国家にとっては戦争に備えるという大きな圧力に直面している。

 ★西欧は「熱戦」に対し冷戦で応戦

 ウクライナ戦争の根本原因は、ドイツとフランスが夢見た統一ヨーロッパを支配下に置くEUの東方拡大である。

 EUの東方拡大によって、EUの境界がロシアに接近し、ロシアとの間に残るはウクライナなど少数の国家しかなくなった。

 EUメンバーはNATOメンバーと重複するので、ロシアに近いEUの新加盟国はどこも必然的にNATOに国防で助けを求めた。

 しかしNATO諸国は保護できる十分な軍事力を持たなかったから、ただ米国頼みになった。そして米国はこうした新加盟国に象徴的な小兵力しか派遣しなかった。

 そこでプーチンはそれを理由に、20世紀においてアジアの東西陣営の中間地帯でおきた朝鮮戦争と別ナム戦争を、ウクライナで再演してみせたのだ。

 プーチンの対ウクライナ戦争は、最後の中間地帯を奪ってEU東方拡大の脅威を軽減し、NATOに新メンバー諸国の国家の安全防衛をやらせないという試みだった。

これが対ウクライナ戦争初期において唱えられた「最高目標」だった。

 今後、「歯のないトラ」のようなEU諸国はロシアとの新たな冷戦に備えて自らの武装を新たにせねばならないだろう。欧州大陸では再び冷戦の幕が上がったのだ。

 そしてその始まりがこの露・ウクライナ戦争なのだ。EUは欧州の新冷戦によって、東欧や中欧でのウクライナ戦争のような「熱戦」が起きるのをなんとか防ぎたい。

 だからEU閣僚理事会は3月21日、正式に「戦略方針」を批准し、2030年までにEUの安全防衛対策を強化しようというのだ。

 EUの「戦略方針」は、3月24日から25日にかけて開催される欧州理事会(EU-27カ国首脳会議)で承認される予定で、ジョゼップ・ボレルEU外務・安全保障政策上級代表は次のようにツイートした。

 ;目下の敵対的環境は巨大な飛躍を必要としており、‥‥我々は「戦略方針」を批准し、欧州が今後直面する戦争などに挑戦する能力を再考する時期がきた。これがEUメンバー諸国は軍事能力を向上せざるをえない理由だ。

 ★西欧国家が直面する歳出問題。軍備のために借金?

 ウクライナの戦争はまだ終わっていないが、その結果がどうであれ、西欧諸国はすでに三つの難題に直面している。軍事支出、エネルギー高騰、そしてウクライナ難民の大量流入だ。

 西ヨーロッパ諸国は長い間、国防費を1%未満に抑えることに慣れきってきた。主なコストは将校を維持し、戦闘部隊の少ない「軍隊」を維持することで、「軍人」といっても、オフィスで文書を読む文官がかなりの割合を占めている。

 現在、やっとEUはこのまま「牙のないトラ」でいたならば、むざむざとプーチンたちの「赤いトラ」の餌食になるだけだと意識するようになった。

 だから最新の「戦略方針」文書では、快速展開できる部隊を最大5000名つくらねばならないと提案した。

 同時に、各国メンバーは自分たちの老朽化したタンクや航空機、ミサイルを更新すると。これらの意味するところは多額の軍事費だ。

 欧州各国の予算には軍事費を増やす余地がなく、すべて社会福祉に回してきた。

 今になって急に軍事費を増やしたいが、でも社会福祉費は減らしたくないというのなら、EUは借金するしかない。

 22日付のロイター通信によると、欧州連合(EU)はユーロ圏各国政府の恒久的な共同債の発行を計画しており、少なくとも1年間に1500億〜2000億ユーロの借り入れが必要となり、今後も毎年借り入れを続ける予定だという。

 お金を借りると返済しなければならないので、EU諸国の財政に大きな負担となる。

 EUは通常の財政収入の範囲内で軍事費を絞り出すことは可能なのか?それは経済的な問題ではなく政治問題だ。

 というのは、そうすると欧州の制度の「ポリティカル・コレクトネス」を揺るがすことになるからだ。

 欧州国家は長い間「福祉国家」を自慢してきた。福祉予算を削減するのは政権政党の敗北を意味する。フランスで何度も試されうまくいかなかった。

 ましてや福祉を圧縮して軍事費を増加させるのは、過去数十年にわたって西欧各国の歴代政府がやってきた「平和主義」理念を批判するなどということは、欧州の左翼政党にとっては政治的自殺だ。

 欧州のメディアは、その痛みをおおっぴらに議論する度胸もない。その痛みの深さは欧州以外の人々にとっては想像するよりずっと深いものがある。

 ★西欧の第二の難題は「エネルギーコスト」

 第二の問題は、エネルギーコストの高騰が欧州各国を苦しめ、EUのエネルギー政策をガタガタ、グラグラさせてきた。これはもう経済的コストであり、政治的コストでもある。

 と言うのは、「緑のエネルギー」は「ポリコレ派」(左派)の大きな旗印の一つだからだ。ドイツは現在でもエネルギーコストを下げるためにコソコソと石炭採掘再開を論じている。これは「緑のエネルギー」の横っ面を張り倒すようなものだ。

 ウクライナ戦争以前は、ほとんどのヨーロッパ諸国がロシアのガスに大きく依存してきた。ロシアの主要顧客リストに載っていないイギリスとスペインを除き、他のヨーロッパ諸国はすべてロシアのガスに依存していたのである。

 EU全体では40%の国がロシアにガスを依存しており、フランスはその4分の1をロシアに、イタリアは46%、ドイツは約半分、ハンガリーは80%近くをロシアに依存している。
 
 EUがロシアに金融制裁を発動した後、プーチンは、ロシアから欧州へのガス供給をロシア通貨ルーブルで決済することを義務付けるという対抗策をとった。

  この対抗措置により、ロシアのガスに依存しているEU諸国は、外国為替市場でルーブルを買ってガスの輸入を続けようとすれば、EUのロシアに対する金融制裁の決定に真っ向から反することになる。

 EUの金融制裁を固守すれば、ガスの在庫を枯渇させなければならず、この冬は厳しいエネルギー不足と電力価格高騰の事態に陥る絶望的な状況に追い込まれた。

西ヨーロッパ諸国は、安価なロシアのガスを部分的に放棄し、他国から輸入する高価な液化天然ガスに切り替えることで、エネルギー供給を転換しなければならないことを十分承知している。(訳注:EU内部の動き関連リンク)

 しかし、ただでさえ高いエネルギー料金に、年間1300億ユーロ以上も上乗せしなければならない。

 それがすべて電力料金に上乗せされれば、社会の反発を招くだけでなく、欧州企業の国際競争力を大きく低下させることになる。

 ★第三の大問題はウクライナ難民の救済費用

 西ヨーロッパ諸国にとっての第三の問題は、ウクライナ難民の再定住と長期支出である。

 ウクライナ戦争前にウクライナ政府支配地域に住んでいた3700万人のうち、少なくとも330万人の難民が近隣諸国に逃れている。

 さらに650万人近くがウクライナ国内で食料や住居を失ったまま避難しており、将来的には近隣諸国に逃れていく可能性がある。

 すでにウクライナを離れた難民の5分の3はポーランドに流れたが、そこには現在少なくとも200万人がいて、1日に数万人ずつ増えている。

  ルーマニアにはすでに50万人以上、ハンガリーには30万人以上のウクライナ人難民がいる。

 ウクライナ近隣のこれらEU加盟国は、難民への莫大な出費を自国で負担することはできない。難民たちは生き残るためにさらに西ヨーロッパ諸国へ移動せざるを得ない。

 しかし、西欧諸国は財政負担の増大を恐れて、難民を大量に受け入れようとはしない。

 ドイツは現在、ドイツ人のもとに滞在するウクライナからの難民に、衣食住を購入するために必要な最低限の生活費として、1人あたり月350ユーロを支給している。

 この金額で試算すると、将来1000万人近くになるウクライナ難民への直接救済に年間400億ユーロ以上、さらに医療、教育、難民センターの建設などに年間数千億ユーロがかかることになる。

 人道的な立場から、西欧各国はウクライナ難民を餓死させることなどできない。

 しかし、政治的立場からは自分たちが間違った国際政策をとったためにプーチンの侵略を許したために、今こそ贖罪として難民を養わなければならない時だ。

 だが、西ヨーロッパ諸国の左派は、難民救済のための必要経費を負担せず、負担を避けて手厚い社会保障を維持したいだけなので、この時点で偽善的な人権配慮が露呈している。

  かくて、EUの「団結」は、誰がどれだけの難民を分担するかというEU内部のいさかいで、バラバラに引き裂かれることになるだろう。(終わり)


程晓农:乌克兰战争带来的欧洲巨变
2022-03-25 5:29 

自从乌克兰战争爆发,直到今天,世界各国媒体主要把眼光放在战事上,但是,就在这短短几周的战争过程当中,欧洲不得不面临一场极为重大的转变。欧洲国家不期然地走进了一种本来应该预见到的不利局面,但欧洲国家全都措手不及。西欧国家二战后长达70年的“岁月静好”,不仅政治上破产了,而且经济上也深陷窘境。欧洲不再是昔日那个富裕幸福的大陆,其痛苦始自今年。

一、乌克兰战争让欧盟感受到三个失落

乌克兰战争造成了欧洲巨变,欧盟突然从长期的和平幸福当中猛然吓醒过来,发现过去的好日子突然结束了。这体现在三个方面。第一,没有战争的岁月静好被打破了,欧盟必须重新面对再度出现的敌人俄国;第二,德国和法国“抱团称大王”的美梦破产了,欧盟发现,单单是乌克兰难民危机就足以撼动西欧国家的稳定、富裕与和谐;第三,盲目追求绿色能源的幻想正在破灭,如果继续坚持绿色能源,严重的通货膨胀会摧毁欧洲经济。

为什么说,欧盟国家的三大失落本来是应该看得到的?因为,这些失落是根基脆弱、十分可笑的西欧国家国际政治和国际经济战略的产物,而这三大失落恰恰分别对应着西方左派的三大乌托邦幻想。关于这三大乌托邦幻想,我在为《大纪元》撰写的三篇关于乌克兰战争的德国因素的文章中分别介绍过,其谬误和虚妄一目了然。

其中的第一个幻想是,欧洲可以永无战争,国防只不过是虚应故事,钱一定要花在提高福利上。第二个幻想是,欧洲统一指日可待,德国和法国可以从此统率世界上经济实力最强大的欧洲,与美国、中国和平竞争,让欧洲再现荣光。第三个幻想是,用绿色能源做旗帜,可以“高大上”地号令全球,指挥各国按照欧洲制定的全球气候政策,出钱购买欧洲国家实行绿色能源之后节省下来的碳排放指标,用其他国家的钱来补偿欧洲国家绿色能源的高昂成本。

这三大乌托邦幻想是西方左派价值体系所产生的支配国际政治和全球经济活动的战略方针。第一个幻想是左派“和平主义”的产物,这种价值观的背后是亲近红色大国的偏好。欧盟的存在本身就是第二个幻想的产物,在这个幻想的背后,起支配作用的不仅仅是左派的世界大一统价值观,而且还有欧洲大国德国和法国传统的国际野心,这两个国家想要恢复它们在全球竞争中历史上的重要地位。在这方面的野心背后,还有一种德国和法国对自命为“政治正确”的左派价值观的“制度自信”和“信念自信”,以为他们永远占据着西方社会大众价值观所谓的“进步”高地。至于第三个乌托邦幻想,我在给《大纪元》写的《俄乌战争的德国因素(中篇)—德国的绿色能源政策如何送给普京开战机遇》作了介绍,此文不再赘述。

二、两头“红色老虎”又开始威胁世界和平和区域安全

自从二战以后,西欧和中欧从没遇到过战争。在以前的美苏冷战时代,东西方阵营双方没发生热战;苏联解体后,美苏冷战结束了,全球都认为,岁月静好的经济发展年代从此就成定局了,经济全球化就是在这样的国际政治背景之下逐步完成了全球布局。

但是,美苏冷战结束后,这个世界发生了一个静悄悄的、但足以撼动世界和平的重大变化。那就是,西欧国家和平主义盛行,丧失了对红色霸权重新威胁世界的警惕;而德国和法国又滋生了通过欧盟掌控整个欧洲、造就全球最大的统一经济体这个野心,构成了对俄罗斯的潜在威胁。关于这一点,我在给《大纪元》撰写的文章《俄乌战争的德国因素(下篇)—德国的统一欧洲美梦碰壁》中,作了比较详细的说明。

也正是在这样的“岁月静好”年代里,美国和欧洲的许多精英错误地判断了中共经济繁荣、实力增强之后霸权主义复活的可能性,也错误地判断了俄国民主化转向失败的必然性和霸权主义复活的危险性,结果亲手养壮了两头“红色老虎”。现在“红色老虎”再度开始威胁世界和平和区域安全了;不仅如此,这两头“红色老虎”还相互勾结,彼此保护,希望自己不要孤独战斗。3月18日拜登和习近平视频对话,拜登想要中共别援助普金,并且用制裁来威胁习近平。而中共宣称,它会给俄罗斯“人道援助”,至于火车车厢里装的是什么,只有习近平知道了。

乌克兰战争的爆发让西方国家再次回到了一个与“红色老虎”打擂台的全球格局。在这个新格局里,中美关系不会再像美国“拥抱熊猫派”期望的那样,回到奥巴马时代。至于欧盟国家,此刻面临的备战压力也很大。

三、西欧重新用冷战应对热战

乌克兰战争的根源是德国、法国的统一欧洲梦支配下的欧盟东扩。由于欧盟东扩,欧盟的边界已经贴近俄国,只剩下乌克兰等少数几个位于欧盟和俄国之间的国家,形成了俄罗斯和欧盟之间最后的中间地带。由于欧盟成员和北约重叠,那些靠近俄国的欧盟新成员国必然会向北约求助,希望提供国防安全。但北约的欧洲国家并没有足够的军力提供保护,只能指望美国,而美国则只在这些欧盟新成员国派驻少量象征性的兵力。

于是普京就用美军在欧盟新成员国的少量驻军作借口,把上个世纪在亚洲东西方阵营之间中间地带发生的朝鲜战争和越南战争在乌克兰战争中重演了。普金发动乌克兰战争,试图夺取最后的中间地带,减轻欧盟东扩的威胁,甚至希望北约不要保护所有欧盟新成员国的国防安全,这是他发动乌克兰战争初期就提出的“最高目标”。

今后,仿佛“无牙老虎”的欧盟大多数国家不得不重新武装自己,与俄罗斯开展新的冷战。在欧洲大陆,冷战的铁幕再度拉下;而欧洲新冷战的开端就是这场乌克兰战争。欧盟希望通过恢复欧洲新冷战,来避免类似乌克兰战争这样的热战再度发生在东欧和中欧地区。因此,欧盟部长理事会3月21日正式批准了《战略指南针》(Strategic Compass)文件,为欧盟提供了在2030年前加强欧盟安全防御的政策。

欧盟的这个《战略指南针》文件将在3月24日至25日由欧洲理事会(欧盟27国领导人)批准。欧盟的外交与安全政策高级代表博雷利(Josep Borrell 在推特上表示,“目前的敌对环境需要一个巨大的飞跃……我们刚刚批准了《战略指南针》,提供了一个雄心勃勃的行动计划,以便在未来十年内加强欧盟的安全和防务……现在是重新思考欧洲未来面对战争等挑战的能力的时候了。这就是为什么欧盟成员国将不得不提高其军事能力。”

四、西欧国家面临的第一大支出难题:借钱筹军费?

乌克兰战争还没结束,不管结局如何,西欧国家已经面临三大难题:军费开支、能源高价和乌克兰难民潮。

长期以来,西欧国家习惯把国防费用压低到1%上下,其中的主要费用是养军官,保留一支没有多少战斗部队的“军队”,相当大部分的军人都是坐办公室看文件的文官。现在,欧盟意识到,再继续扮演“无牙老虎”,只会让普京这只“红色老虎”张牙舞爪,而自己束手无策。因此,欧盟最新的《战略指南针》文件提出,要建立能快速部署的部队,最多可达5千人;同时,各成员国还要更新它们老旧的飞机和坦克、导弹等等。这一切都意味着要花大笔军费。

欧洲国家的财政预算本来没有增加军费的空间,钱都投入社会福利了,现在要突然增加军费,又不敢削减社会福利,那欧盟就只好借钱了。据路透社3月22日报道,欧盟正在酝酿发行欧元区各国政府永久性联合债券,至少一年内需要借1,500到2,000亿欧元,以后每年还要继续借下去。借钱是要还的,这就给欧盟各国的财政带来很大的负担。

欧盟可能在正常财政收入的范围内挤出军费开支吗?那不是经济问题,而是政治问题,因为这就会动摇欧洲制度的“政治正确”。欧洲国家长期以“福利国家”自诩,削减福利无异于执政党求败,这在法国已经屡试不爽了。何况,压缩福利来增加军费,又涉及到批判过去几十年西欧各国历届政府奉行的“和平主义”理念,这对欧洲的左派政党也是政治自杀行为。其中的痛苦,欧洲的媒体没有胆量公开讨论,但痛苦之深,比欧洲之外地区民众可以想像的要大得多。

五、西欧国家面临的第二大支出难题:高价能源

第二个难题是高价能源让欧洲国家苦不堪言,导致欧盟的能源政策游移摇摆,进退徘徊。这既是经济代价,也是政治代价,因为绿色能源是“政治正确”派的主要旗帜之一。虽然德国现在正在悄悄地讨论恢复挖掘煤炭,来降低能源成本,但这又直接“打脸”绿色能源方针。

乌克兰战争之前,欧洲大多数国家对俄罗斯的天然气依赖很深。除了英国和西班牙不在俄罗斯的主要客户名单上,其他欧洲国家都仰赖俄国天然气。总体而言,欧盟国家的四成天然气依靠俄罗斯,其中,法国有四分之一的天然气要依赖俄罗斯,意大利对俄罗斯天然气的依赖比率是46%,德国约一半天然气来自俄罗斯,匈牙利则近八成天然气来自俄罗斯。

欧盟对俄罗斯实行金融制裁以后,普金实施了反制措施,规定俄罗斯向欧洲供应的天然气改以俄国货币卢布结算。这种反制把欧盟成员中依赖俄国天然气的国家逼入了绝境:如果设法到外汇市场购买卢布来继续进口天然气,就直接违背欧盟金融制裁俄罗斯的决定;如果坚定地执行欧盟的金融制裁决定,就得耗尽天然气库存,到今天冬季便陷入能源严重短缺、电价暴涨的困境。

西欧国家很清楚,它们不得不调整能源供应的来源,部分放弃便宜的俄国天然气,换用从其他国家进口的更昂贵的液化天然气。但以后要在现在已非常昂贵的能源支出基础上,再每年增加1,300多亿欧元,这笔钱现在还没着落;如果全数加到电价里,不但会引起社会反弹,也会大大削弱欧洲企业的国际竞争力。

六、西欧国家面临的第三大支出难题:乌克兰难民救济安置开支
西欧国家的第三个难题是乌克兰难民的安置和长期支出。乌克兰战争之前,乌克兰政府控制区有3,700万人口,现在至少有330多万难民逃到了周边国家,还有近650万人在乌克兰境内流离失所,食宿无着,以后可能会逃到周边国家。

已经离开乌克兰的难民中,五分之三去了波兰,现在至少有2百万人在波兰,而且以每天几万人的速度增加。罗马尼亚已经有50多万乌克兰难民,匈牙利有30多万。这些靠近乌克兰的欧盟成员国自己无力负担乌克兰难民的巨额开支,所以,这些难民势必要向西欧国家进一步转移,以便存活下去。但是,西欧国家怕增加财政负担,却不想大量接受难民。

德国目前给入境的乌克兰难民发放生活救济的标准是,若难民住在德国人家里,每人每月发350欧元,这是购买食物和衣物的最低开支。如果按照这样的难民救济开支来估算,未来近1千万乌克兰难民,每年需要4百多亿欧元的直接救济,再加上医疗、教育、难民中心建造等等,一年会需要上千亿欧元。

从人道角度,西欧各国不能眼看乌克兰难民饿死;从政治角度,西欧国家因为自己错误的国际政策而为普京的侵略铺路,现在是赎罪的时候,也应该养活这些乌克兰难民。但是,西欧国家左派的虚伪人权关怀此时就暴露出来了,他们只想逃避负担,保住自己优厚的社会福利,不愿意承担必要的难民救济开支。接下来,欧盟内部会为谁分担多少难民,谁分担多少开支,吵得不可开交,欧盟的“团结”会被自己扯得粉碎。


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