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このこわさは間違っていないから

このこわさは間違っていないから

    紙飛行機

    飛んでいって 遠くへ遠くへ なんで私は抱いてしまったのだろう かなわない いけない ありえない 風をつかまえて どこまでも飛んでいって 遠くの彼方へ 忘れられるほどに だんだんと ゆっくり静かに 降り積もっていた いつのまにか 私の真ん中を占めていた 嘘だ違う だってこんな 望まない うまくいきっこない これは、どろどろ醜い私の欲望なんだ だから 飛んでいって 永遠より遠いはるかへ 忘れられるほどに なかったことにできるぐらいに お願い 飛んでいて 紙飛行

    紙飛行機

    「転換」 夜0時をまわれば スマートな人々が歩き出す

    「転換」 夜0時をまわれば スマートな人々が歩き出す

    似ている気がして

    似ている気がして

    空模様影模様

    お前の影は濃いな 何をそんなに考えている 神のことか 宇宙のことか 星々のことか 明日のことか 大丈夫。あの男は来るさ 心配するな 好き嫌いなんてないからな 何でもうまそうに食うさ 不安でたまらないなら いっそ隠し味に加えてしまえ 前日からどれだけ想っていたか伝えてしまえ あの男は話好きのさびしがり屋だからな 耳を傾けてやるといい 安らぐだろうよ 二人で時から離れて 二人でひたるといい 大丈夫。お前はやわじゃない お前の影は薄いな 何をそんなに信じている 神の

    空模様影模様

    くるくるり

    くるくるり

    「月光」 瞳に月を飼う人を探しています

    「月光」 瞳に月を飼う人を探しています

    +3

    空が舞台

    空が舞台

    +2

    泣く

    「雨降っているので先に屋内の撮影お願いします」 「はあい」 ここは何県だっけ? さっき、休憩中にスマホが震えた 母からの電話だった 「はあい。もしもし」 「あ、今大丈夫?仕事中?」 「うん。雑誌の撮影だけど 今休憩中。珍しいね電話なんて。 どうしたの?」 「うん。ねえ、あの人死んだの」 カシャカシャ カメラのシャッター音は嫌いじゃない あの人が死んだのか 最後に会ったのは私が十歳のとき 正直、顔もあやふやだ カシャカシャ 「いいね。今度はクールな感じで」 そう言え

    窓、荒れる

    窓、荒れる

    「左 右」 咄嗟に出るのは右手 左手はこの事態をどう思っているのだろう

    「左 右」 咄嗟に出るのは右手 左手はこの事態をどう思っているのだろう

    落とし物だよ内緒だよ

    落とし物だよ内緒だよ