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この曲のコードがエグい件について:GLAY第286曲『YOU』

GLAYのメンバー4人それぞれが作曲した曲を集めたG4シリーズの第三弾『G4・Ⅲ』のJIRO曲、『YOU』。

JIROは作曲はするが作詞はTAKUROに任せる傾向がある。しかし、この『YOU』に関しては、TAKUROから「JIROのストレートなままがいいんじゃない」ということで、JIROの歌詞が採用された。

そんな『YOU』だが、サビのコードが奇妙なことになっている。

今日はそのコードについて話したいと思う。
まず、該当のコードは以下のとおりだ。

キミが笑う ボクに微笑んで
G          D          Am
きてくれる未来に 包まれて
     Em     D#aug  GonD  C#dim

『YOU』より

最初の3つコード(G→D→Am)は、ト長調のオーソドックスなコードだね。
その次のEmも普通なんだけど、その次のD#augが問題やねん。

まず、D#って。。

これはキーがGのト短調からすると、5度から半音上の「増5度」のコードである。ドレミファソラシドのハ長調に例えると「ソ#」を基盤とした音である。『YOU』はキーがGなので、D#が増5度にあたる。
増5度ってのは、普通の音楽ではあんまり使わない。この音が鳴るととても不思議な感じがするものだ。

さらに問題なのは、

aug(オーギュメント)コードである。。

「aug」とは「augmented(オーギュメンテッド)」の略で「拡大された」「増加された」を意味する英単語で、音楽のコードでは「半音上げた音程」という意味で使われる。何の音を出すかといえば、なんと「増5度」なのである。
つまりD#のaugということは、D#(レの#)から数えて増5度にあたる「B(シ)」の音を加えていることになる。
augコードというのも、とても訝しい雰囲気を持つ変わった音がなるコードである。

まとめると、

『YOU』におけるD#augは、
増5度の音(D#)を基盤に、さらにそこからの増5度(B)を加えた不思議感マックス、パラレルワールド全開、パニパニパニック、パルプンテ&メガンテなコードなのである。

しかし、これだけでは終わらないのだ。

GonDを挟んで、次に登場するのはC#dimというコード。

dimは、「減少する」という意味のdiminishから取られたコードで、5度から半音さげた「減5度」と呼ばれる音を構成音に持つ。
その響きは、とても不安定で落ち着かない印象を与えるコードである。

増やした次は、減らすんかい!

とツッコミたくなるよね。

ちなみにC#は、キーがGの『YOU』において減5度の音である。そのC#のdimコードということは、もうお察しのとおり。

C#dimは、
減5度の音(C#)を基盤に、さらにそこからの減5度(G)を加えた奇想天外、メガ盛りファンタジック、ぷいぷいモルカー&ギガンテなコードなのである。

これは、すごい音楽表現やと思う。
二重に増やした後に、二重に減らしてるねん。
JIRO、やばいよね。
パラレルワールド作ってるよね。

ちなみに、

C#dimで、加えてる減5度の音はGなので、『YOU』の主音なのである......!!

GLAY、恐るべし。

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