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【官能小説】放課後は社会勉強131

「ちょっと焦ってる?でも、そんな川﨑さんに何て答えたの?」
「え?だから『いいですよー』って…」
「それじゃ川﨑さん、誤解しちゃうかな?」
「本当に『お出かけに付き合う』意味で通じてますから…」
「アハハ…でも柚香ちゃん、実際のところ同性にコクられたらどうするのかな?」
「同性って…異性からもまだないですし…自分からそうしたくなったことはまだないですし…年上でも年下でも、男のヒトでも女のヒトでも、そういうのは私は関係なくて…そうなったときに自分がそういう気持ちになれば受け入れるし、そうならないのなら、どういう相手でも受け入れられないし…私自身だって、どんなヒトを好きになるのかわからな分からないから…」
会員のみんなは「うんうん」って、ゆずかの考えを聞いてくれていた。
ゆずかは今、レイセイでたくさん勉強して、キャナルでたくさんのヒトに出会って、成長しなきゃいけないんです。
そんな私は、レイセイとキャナルのステキな制服で自分を魅力を引き立て「おおさとゆずかはこんな女の子です」ってみんなに知ってもらって、運命のヒトに巡り合えたら、私は幸せになれるんです。
でも、そんなステキな出会いはまだ先なのかな?
もう巡り合えてるのかな?
そのときに備えて、おおさとゆずかは引き続き、日々精進してまいります。
「だとしたら、このファンクラブの誰かがそうなることもあるのかな?」
「可能性あるかもですよぉ…でも、もしそうなったら、他のメンバーは応援してくれますか?」
「ムリだね?」
一同の笑い。
今はこのままで、楽しいですね。
ずっと続いてほしいです。
ゆずか、何を求めているの?
ゆずか、ヨクバリッ…
「そういえば…」
私はおもむろに立ち上がる。
着けていたエプロンを外し、高校の制服姿に戻って、彼らの方を向いて手を前で組み、姿勢を正して改めた。
「先日はいろいろとありがとうございました」
「先日?」
現役女子高生が男性二十人に深々とお辞儀をして続けた。
「先日というか、あのとき…私一人ではどうにも出来ないことを、親にも相談を躊躇うようなことを、会員の皆さまのおかげで解決することができました。ほんとうに感謝するしかなくて…」
「またまたそんな改まって…もういいんだよ。みんな味方なんだから。応援してるんだから…僕たちだって大した人間じゃないけれど、こうやってたくさん集まれば少しはいい知恵が出てくるんだよ。力になれるんだよ」
「ほんとうにありがとうございます。そんな私はみなさんに何ができるのかなぁって…」
「こうやってコーヒーとキミのステキな笑顔ををとおしてお話しすることなんだよ」
「私もこうやってみなさんとお話しするのが楽しいです。楽しすぎて…」
「楽しすぎて?」
「おうちに帰って部屋でひとりになったとき、みなさんと話したこととか思い出して…その楽しかった気持ちと、ひとりになって少し寂しい気持ちが入り交じって…そのとき、もう少しだけ会員さんのことをカンジたいなあって思って…」
「会員さんのことを思って?」


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