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【官能小説】放課後は社会勉強130

ところで、今からお出しするコーヒーは、キャナルの店頭で売っている、あらかじめ挽いた豆をドリップメーカーで落とすだけです。
それでも美味しいですよー。
みなさんブレンドでお願いしてまぁす。
「準会員候補リスト掲載予定」にもヘルプしてもらう。
その他の飲食はメンバーみんなで用意してくれたんだ?
「お待たせしましたぁ」
「ありがとう」
「あのキャナルコーヒーの現役アルバイトさんにコーヒーをいれてもらうと美味しくなるねぇ」
「そんなぁ、ただ運んでいるだけですよ」
「そのエプロン姿、眺めているだけでも最高」
「き、緊張しちゃいますっ…」
「ハハハ…ちょっとクルッと回って全身見せてよ…」
「ぇえ?…じゃ、じゃあ…今だけトクベツ、会員さんだけトクベツ…ゆずかのエプロン姿、披露しちゃいまぁす」
おだてられると調子に乗っちゃう単純ゆずか…
緊張するとか言っておきながら、リクエストに応えてその場でクルッと一回転する。
もう一度、反対回りで一回転する。
わずかに靡く制服のスカートとキャナルのエプロン。
持っていたトレンチは右手の五本指を立てて、その上に水平に載せて、左手は腰に当ててポーズを取った。
「は、恥ずかしっ…」
「うわぁ、柚香ちゃん最高!」
「麗青高校の優等生がキャナルのエプロン着けて、ポーズを決めて…サービス精神旺盛だぁ」
「いいよ、いいよー」
顔真っ赤?
でもみんなが喜んでくれるなら…
私だってウレしくなってる。
みんないい気分…
「そういえば、中間テストのほうはどうだった?」
「それがですねぇ…」
室内にはコーヒーのいい香りが漂う。
たくさんの会員さんとの他愛のないおしゃべりが弾む。
でもこれが楽しいんです。
そして、このコーヒーの中のカフェインがもう少しだけ気持ちを高揚させてくれるのかな?
「そうなんですよぉ。いつもそのヒト、私の後ろに立っているカンジで…」
「じゃあそのサラリーマン、キミのこと狙って、毎朝同じ電車に乗ってるんだね?」
「なんか息をフーゥッと後ろからかけているようで…」
「困ったねぇ、何かあったら僕たちに相談してね。こういうことは早めに対処しないとね?」
「お願いしまぁす」
「ところで、川﨑さんとはどうなのかな?」
「どうって…キャナルで頼りになるセンパイなだけですよ」
「そんな同性のセンパイから『付き合って』って言われてたよね?」
「そんな…『こんどどっか行くのに付き合って』ってことですよぉ、ヘンな意味じゃないですよぉ」
「そうかな?僕たち、フロアで見ていると川﨑さん、柚香ちゃんの肩に手を添えたり、ガン見してるよね?柚香ちゃんのこと好きなのかな?ってね?」
「そ、そんな…妹のようにカワイイ、くらいじゃないですか?」

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