記事一覧
SEX SYMBOL(雨) 川柳80句
屈葬にかごめかごめのてまえどり
投票日痴人の性器いたみつつ
焼印を押すものだけをパロディーし
星型に星ながしいれ性行為
がんもどきころがって死の野球場
月蝕のありとあらゆる票痒し
確率のヤマダ電機が磯にたつ
無銭なりアンネの雲がとけてゆく
ゴリラに死くもん学習塾にも詩
影をふむエーデルワイス製作者
完璧の世にありえない金魚草
正嫡の椅子ならびおりもぐさ燃え
履歴書を絶って深
ドッグ・ファイター(共鳴) 川柳35句
ならびかえ世界のうえにチャコの群れ
断食にあらわなつのだじろう像
ゼビウスの陽がしずむとき仮のわれ
鍋を鋳てうる星やつら二度とみず
タゴールと油脂にまつわる詞書
雨乞いにせりふ未然のなつめやし
断種者をかりにコマネチさんとよぶ
ゴルゴダをだれも語らず人魚鉢
洞爺湖が家族の輪から立ちさりぬ
坂下の映画になにがおこらない
作話して華厳の瀧のあるまじろ
訳註の日記のなかの犬を喰う
Xへの手紙(いかを盗む) 川柳14句
球を撫ぜこの世すべての五月闇
脳みそやマルキ・ド・サドの蛾をつぶす
城の絵を雨の深夜とすりあわす
有意味のロッテのたるがころがされ
死角からエクソシストの本能寺
意味鍋の動物磁気をまといつつ
黝い日がひさしぶりくるラカン館
軍曹と瀬川瑛子に似た火鉢
壺を売る意味のアントン・ヘーシンク
蒸し焼を蒸してまざまざましらの死
芸人の糞ころがしがまぐわう日
憂国の縮尺率をみだしつつ
遠い太鼓(ビートニク) 川柳111句
Ⅰ.堕菓子屋のはつなつ 三十七句
サッちゃんの気象衛星おちて朝
距離という距離をあつめてレバ炒め
ドストエフスキーの空母たまごうむ
死角から反小説のたこ浴びる
ワッフルを感じられないすみだ川
献血にドレスコードという略語
略語家の部屋のヨブ記を読みかえす
にんじん家総体として朝に撃つ
堕菓子屋のカーペンターズ立ちあがる
河馬の死にむけてだれもがディカプリオ
丸美屋のホッケ
水星の魔女(フレディ・マーキュリー) 川柳49句
水星をふくむ水星論理学
天丼をパンチカードに読みあげる
ドラクエに変化してゆく螺子ひろい
魚拓する王子と乞食相撲部屋
環八に造影剤をまく芝居
サスペンス映画につよきあるまじろ
箱庭の渥美清を悪として
けづめなどなくした印度放浪記
粘菌とたがいちがいの反映画
マルケスの豚に埋もれる千社札
イメージの本にも加藤茶の三字
都市批判ふくみミクロの決死圏
真実のにんにくドームひらかれ
バナナの森の偽ナウシカ(パティ・スミス) 川柳80句
時頼の時間に虹のきえがたし
清盛の前頭葉に無垢の牛
義経がまぐわうときのウラニウム
高崎のよってたかって牛車焼く
ウラシマの午前に氷菓とけざりし
菓子くだき贋のゴースト・バスターズ
チャンピオン鷹の納骨するはやさ
霧隠才蔵によるバナナラマ
馬の目に世界をなしている馬肉
パンクスが馬糞かぞえているあした
圓楽とそのほかがある宇宙の図
びんせんのどこに書いてもかぶとがに
バナナ