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「チーム名な、TKTOやねん」ギラついてた新入社員だった私は戸惑った

 
「チーム名はな、TKTOやねん。そのうち分かるわ」

私が新卒で入社した憧れの会社で、最初に配属されたチームのおじさま社員がゆるやかにそういった。
「え、TKTOって何ですか?」と新入社員特有の前のめりの姿勢で聞いたけど、そのときはおじさんは教えてくれなくて。一回り年上のアルバイト社員の女性とおじさん社員とチームで仕事がスタートした。
 

なんなんやろ、TKTOって……。
 
持前のクソ真面目パワーが発揮されて、もう毎日が無我夢中。
なんか今から考えるとこっぱずかしくなるくらい、前向きやった気がする。
朝はめっちゃ早く出社して、自分にできることはないかギラギラした目で探して、それでもなかったら誰も届かないような棚の上を掃除したりして。
 
何もしない=悪みたいなエネルギーで無我夢中で突き進んでいっていた。
 

こんなぎらついていたけれど、仕事内容はものすごく一般的な営業補佐。
営業成績は求められるものの、総合職(今じゃあんまり総合職と一般職って言わへん(笑))の腕や人柄にかかっていることも多く、私はおじさん社員のサポートをギラつきながらやっていた。
 
そのおじさん社員は、びっくりするくらい物腰が柔らかくて。コンサルする相手のお客さまもフッと肩の荷が下りるような人柄。私も強く何かをお願いされたことも多分なくて「これやってくれてたら嬉しいなぁ~できる~?」「うわぁ~ありがとう~」みたいな声かけをよくしてもらっていた。
 
ゆるやかなおじさんと、とにかくおもしろいアルバイト社員さんと、ギラつく新入社員の私。多分私のことをお2人は微笑ましく見守ってくれてたんやと思う。
 
ある日残業してるときに「TKTOってな~?」と隣のおじさん社員が急に言い始めた。ちょっとした仲の良い学校の先生みたいな感じで接してしまっていた私は「え!?なになに!?」と聞き返すと
 
「テキトーのことやねん」と言い始めた。
 
「……え?」
 
何度か聞き返してようやく「TEKITOU⇒TKTO」ということが分かった。
 
社会人たるもの、お金をいただいている以上死に物狂いで働かねば…!!とギラついていたのに、テキトーでいいだなんて……!!
ちょっとそのときは半信半疑やったけど、今になってその気持ちが分かる。
 
がむしゃらに仕事をする時期ももちろん大事やけど、1人でクソ真面目に突っ走るだけじゃなくて、周囲の人と一緒に談笑しながらテキトーに居心地よく良い方向を目ざすのもいいことなのではないかと。
 
それは子育ても一緒で、親がガミガミ必死でお尻をたたくのではなく、子どもと一緒にテキトーに楽しむことも大事なんやろなとようやく実感してきたところ。
そもそもそのおじさま社員も昔はギラツキ社員やったことがあって、ちょっとメンタルが辛かった時期があったというのを知ったのは、それから数年後の話。
 
もちろんフリーランスになってからもそれは一緒で。
SNSでは「〇〇のコツ」「〇〇の秘訣」とか、絶対にやっておかないといけないことのような強い言葉がたくさん並んでるし、私もそんな発信をしているけれど(インスタはここ)、これを全部理解したり実行したりしなくていいと思っていて。
 
自分なりにそれぞれの読者さんが咀嚼して、テキトーに取り入れてくれたらそれでいい。

「これをしないと絶対にうまくいかない!!」なんてギラギラする必要はなくて、「あ、これいいな♪」と情報をかいつまんで一歩動き出してもらえたら、そんな嬉しいことはないなと。
 
ふと、そんなことを想った、1人お散歩タイムなのでした。


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