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届けたい理由、

これは小さな町の、ちっぽけな物語


春。出会いと別れの季節🌸
”卒業”と言う類に弱い私は、卒業式という名のつく式典がある度に主役でもないのに涙を流していたことが遠い昔のように思う。
対して、仲良くない友人に卒業アルバムの後ろのページにメッセージを書いてもらう。

”卒業しても仲良しでいようね。”

平和だな〜と思う。卒業以来会ったこともなければ、今後の人生に現れる可能性もほぼ0に近いだろう。

同じ空間で過ごした24名のクラスメートはそれぞれ大人になっていて、
今何をしているのか。初恋の彼はどこにいるのかも知らない。
毎日当たり前に顔を合わせていたはずの彼らは私の夢の中の人物だったのだろうか。不思議に思う。

当たり前なんて存在しない。


私が20歳のとき、大好きな祖父が突然他界した。
「朝まで元気にわんちゃんの散歩してたのに、、、」
近所のおばさんは言った。
祖父は犬の散歩から戻り家のトイレで大動脈破裂を起こしてそのまま亡くなった。
私は、20歳で社会人となり家を出ていた、
その日から連休で、翌日祖父と会う約束をしていた。
祖父のメモ帳には翌日の日付と私の名前が書かれていた。
祖父にとっての明日は、来ることがなかったし、
私にとっての祖父と過ごす明日は当たり前ではなかった。

母は言った。
「みなが近くにいないから死んじゃったんだよ。」

そして今回、大切な人が大病にかかった時も、

母は言った。
「みなが遠くに行くから病気になったんだよ。」

母の悪気のない言葉が、
私の今後の人生の罪悪感という名の荷物に変わった。

誰かを幸せにするどころか、私は大切な人をとことん不幸に導いてしまうらしい。
そんな自分という存在が、心底嫌になって少しだけ笑った。
それでも、顔も知らないあなたの力になりたくて伝え続けていきたいと思う。
私の言葉が、誰かの心をほわっとさせたりできるように、優しい言葉を綴ることが、自分の存在価値だと思う。

今日もあなたが笑っていますように☺︎

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