【声劇】とらうま★これくしょん
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とらうま★これくしょん|EtO (note.com)
C:18歳の少女
A:母親
D:ドクター
上演時間:20~30分
※Tel.、Case.、Reportは読みあげない
※SOUNDは読み上げる。また、手元でノイズを作るシーンがある。
※利用規約をご確認ください
————
C:
【CAUTION!】
ええっと、だから、
いまからするのは芋虫の背中の話です。
そう思って聞いてくれますか?
D:【♪SOUND——電話の音がします。】
A:📞Tel.A📞
あの、先生、夫がいつもお世話になっております。あ、夫ですか、いま、海外で……。
先生はあのー、話を聞く専門家ですよね。私あんまり病院にくわしくないのですが。そう、そうです。私ではなくて娘なんです。ええ、娘。今年で大学生なんですけど、学校に行けなくなってしまって。話を聞いてもらうだけならというので、はい、あのー喫茶店かどこかがいいです。そう言ってるんです。
はい、それじゃ……ええ、どこでも。娘のメールを教えますから、場所はあの、お任せしますね。
D:○Report.D○
喫茶店でお話を聞きました。18歳の娘さんです。病院は耳鼻科と歯科と眼科しかかかったことがない健康な子です。
家でのことをたくさん話してくれました。○○がつらいというようなことは話しませんでした。そういう後ろ向きなことを話すのが苦手なようで、大学に行かない理由を聞いてみると、急に話さなくなりました。お母さんやお父さんのことや先生のことは嬉しそうに話してくれますし、絶対に悪いことはいいません。愚痴は言いましたが、その後にすぐ、愚痴をひっこめるようなことを言います。
色々な事をとても良く考えて、気遣いのできる子です。また、自傷のあとはありません。
全体的に、感覚も、身体も健康な子です。
C:◎Case.C◎
勉強ですか、あー。勉強は好きではないです。
でも結構できたんです。真ん中よりちょっと上くらいかなと思います。数学は全然ダメなんですけど。あ、でも母もダメだったらしいので、ダメでもまあいいよって言われています。
あ、勉強は好きじゃないっていうのは、その、すぐ飽きちゃうからで、本も長いのを読んだりしないといけないのがちょっと、っていう感じ。
学校も別に授業が嫌いなわけじゃないんです。なんで行けないんだろう?
A:📞Tel.A📞
どうもこの間はありがとうございました。何の話を……ああ、そうですか。それじゃあ、あんまりたいしたことなさそうですかね?
学校へ行くようにどうしても言ってしまうんですけど、止めた方がいいですか?……そう、まぁそうですけど……あのー、よくわからないので、あと何回かお願いしたいんです。娘も話してもいいって言っているので……はい、はい。では日時や場所はまた。
C:◎Case.C◎
小説は良く読むんですけど、短編ばっかりです。最近の小説は全然。
ふるい、なんていうんでしょう、文豪の作品ばっかり選んで読みます。なんででしょう。別に理由はないけど、でもなんか気づいたらそういうことになっていました。
教科書になっているし、馴染みもあるからなんですかね。
漫画ですか?漫画は昔禁止されていて、こっそり隠して読んでました。いつからか大丈夫になったので、今は本棚に結構あります。でも最近買わなくなっちゃいました。漫画ってけっこう移り変わりが激しい感じがして……あとすぐ読み終わっちゃうので。
他は……
D:○Report.D○
今まで触れてきた作品を聞きました。小説と、最近は映画だそうです。色々な映画を見るそうですが、アニメ映画は気が向かないそうです。そもそもアニメ作品をあまり見たことがないそうです。
映画を見るのは好きで、でもホラー映画を見るのはちょっと勇気がいるそうです。
C:◎Case.C◎
一回見てみたんですけど、音ですごいびっくりするので。
あ、……もしかしたら音が苦手かもしれません。でも音楽は好きなんですけど、むしろ爆音で聞くんです、でも、
C:【♪SOUND——ガスメーターの音がします。ええっと、じっさいそうなのかはわかんないけど、そんな音です。ずっと。】
A:📞Tel.A📞
……音?音が苦手って言いましたか?ヘッドホンでずっと音楽聞いてますけどね。
ちょっとこんど家できいてみます、あ、先生に聞いてもらえるならそちらの方が、はい。でもそんな話したことないですよ、あの子。
C:◎Case.C◎
えっと、話慣れていない感じの人の話し声とか……?テレビとか動画サイトでたまにいる……そうなんです。なんか話すの下手で聞いてる方が力入っちゃう。
A:📞Tel.A📞
あの子、もう最近はずっと昼夜逆転なんですけど、起きている間はずっとつけてますね。外ではつけないようですけど。外せって言うんですけど、なかなか面倒くさがって外さないですね。好きな歌手がいるらしいです。
C:◎Case.C◎
動画で見ているゲーム実況者とか、歌手とかは安心して聞けます。
あ、苦手な音、あとはクチャクチャ食べる音とか、唾を吐く音とか、痰?痰からんだ咳とか……咳も苦手です、なんか汚い感じがしちゃって。自分もするから仕方ないんですけど。映画とかだと、割と平気です、こっちには影響ないし。小説で汚い描写あるのも大丈夫。
でも、映画で、顔から泥に沈むとか、この……トイレの水が流れている下水道を歩くみたいな、ああいう描写あったりするじゃないですか。あれ、苦手です、すごく。一番苦手だったのは、泥水の中で傷が開くって言う描写で……うぇ。
D:○Report.D○
感覚が鋭敏な節があります。匂いも汗や生ごみの匂いが苦手だそうです。肌感覚としてはヌルヌルやベタベタが嫌いで、理由は不潔な感じがするからだそうです。
まだ本人はピンとこないようですが、どうも、この鋭敏さは、言葉に置き換えることが原因だと私は思っています。
C:◎Case.C◎
他に苦手なのは、目に針を突き刺そうとするとか、ああいう痛い直前の描写。血が噴き出るとかはだいじょうぶです。でも殺人鬼がナイフを近づけてくるとか、ピーラーを見せびらかすみたいなのが、すっごい……うわぁあって感じ。ぞわっとします。自分がされるっていう危機感があるんでしょうか。うーん、怖いとはまた違うんですけど。本能的に。
A:📞Tel.A📞
そうですか。映画はたしかによく見に行ってますね。いいえ?私は行かないです。一人で行くみたいです。友達もつれていかないで、変ですよね。
私?ああー、だって、映画館って臭いでしょう、いまはきれいなんですかね?昔はほら、座席も汚いし、煙草臭いし……
D:○Report.D○
すべての感覚を言葉にして頭に書き下ろしているのではないかと思います。私に話してくれる様子を聞いていますと、言語化が、普通の子より精密で、より精密な表現を求めて言い直すことが何回もあります。他人に聞かせるというより、自分の中で表現をさがしているような感じです。
言語化が癖になっているようです。
C:◎Case.C◎
たしかにそうかもしれません。何かを見るとこう、覚えておかなきゃって感じで、言葉にしてメモする感じです。映画とかの感想。あとSNSで流れてくるオススメ情報ですね。覚えとかないと損だなって。別にそんなことないのはわかってるんですけど、気づいたら焦ってるです。一度そうやって覚えたことは時々突然思い出すんです、一部だけ。
A:📞Tel.A📞
関係があるか知りませんが、昔からなんというか……目の前のことや自分の周りのものが片付かないとイライラするみたいで。どうでもいいような探し物をね、ずっと探し続けるんですよ、食事の前なんかでも。で、どんどんイライラしちゃって。見つかるとケロッと機嫌がなおるんですけどね。それとあの子の物を勝手に場所を変えたり、邪魔ですからね?ちょっと動かすと怒るんですよ。
あのー、それよりこの間、腹を割って話そうとしたんです、そしたら泣いたり怒ったり大変で何も聞けませんでした。先生のところでは話してますか?
D:○Report.D○
アニメ作品を見るように勧めました。
文字と映像の結びつきが強いために想像が一人歩きするのかと思うので。私見ですがアニメは映像だけに集中しやすいと思います。
自分の今の状態など、総合的なことを聞くと黙ってしまいますが、最近嫌だったことや苦手な描写など部分的に話すことは今のところ苦痛ではないようなので、引き続き話を聞きます。
C:◎Case.C◎
アニメ、すごくいいです。ちょっと目離してても展開わかるし、たまに泣けるし。
あと声がいいですね。人間の声だけど、普通じゃないっていうか…アナウンサーとか、普段あんなしゃべり方したら目立つじゃないですか、そんな感じ。
映画館に行くより、家でアニメを見る方が楽かも。
A:📞Tel.A📞
この間やっと話したんですが、といっても少しですよ?
人の声が苦手だって言っていました。バスとか、人混みですとか、家でも家族の言い合いが気になるんですって。
一対一の会話はいいけど、
D:○Report.D○
とにかく人がたくさんいると視線や会話が気になるそうです。
C:◎Case.C◎
映画館って、いつもはガラガラだけど、たまに急に混むでしょう、そしたら、雑談とかが耳に入ってきて……自分の事じゃないけど、ネガティブなことばっかり聞き取っちゃって、「でもそれって相手が悪いとも言えないな」とか「自分がこれ言われたらいやだな」とか。ううん、あ、そう、自分に矛先が向いているような錯覚がちょっとだけするんです、もちろん、自分に向いてないってわかってもいるけど、こう、気疲れします。
「上映が始まって暗く静かになる瞬間は好き。ていうか、そこが一番好き。世界から浮いているみたい」、うーん。
D:○Report.D○
映画館で上映が始まる前の暗転について、考えた末、「安らかな気持ち」という言葉で説明してくれました。
最近、ところどころ、文語的(小説に出てくるような言葉)になるので驚きます。普段の言葉とギャップがありますが、納得感は文語に近い方が得られるようです。彼女は文章の方が自由に書けるのかもしれません。
A:📞Tel.A📞
時々文章を書いているようですよ。私は見たことないですけど。だって、見せたがらないんです。見てもねぇ、いい反応もしてやれないし。
D:○Report.D○
小説や映画やアニメ、なんでも、少し先の台詞が急に予測できたり、展開がだいたいわかったりするそうです。他にも話していると不思議なことがあるので、面談の他に自分で記録をつけてもらいます。
日記を書いてもらおうかと思いましたが、
C:◎Case.C◎
日記って、昔から続かなくて、苦手です。
D:○Report.D○
ということでエッセイ形式に、思いついたことを自由に文章にしてもらいます。日記帳アプリを紹介しました。
C:◎Case.C◎
「外に出ました。信号を待つ間の、みんなの視線が攻撃的な時間が怖い。誰も相手に興味ないようでいて、周り全部に棘を出している感じがして、わたしは透明になりたい。
大学前の大きな信号です。
ここがいつも越えられないんです。」
A:📞Tel.A📞
最近、外には出るようになりました。良くなっているようです。ありがとうございます。
C:◎Case.C◎
私、通っていた美容室に、ちょっとえっちな漫画がおいてあったんです。読んではダメだなぁって思いながら、でも読んでみたいから、私の番になるまで待合室でこっそり。
A:【♪SOUND——何の音だろう?】(A、ここからしばらく、後の台詞に被って手元で音を立てる)
C:◎Case.C◎
いま考えると別にそんなにえっちじゃないんです。時代劇でもあるじゃないですか、そういうシーン。
時代劇は小さいときからみてたし、別にへんなことないけど、でもそんなのを読む子って思われるのが嫌でした。
A:📞Tel.A📞
今日話しました。外出してぶらぶらしていただけで、大学には行ってないって……私やっぱり大学はやめさせてもいいような気がしてきました。あの子、先生に会うのを唯一とても楽しみにしています。よろしくお願いします。
C:◎Case.C◎
「その美容室に行かなくなったので、一冊自分で買ってみることにしました。パッと見でやらしい本だってわかる、どぎついピンクのアニメっぽい絵の表紙でした。レジにおいたら、レジの若い男の人の顔から表情がなくなりました。私、それをちょっと読んだら飽きちゃって、ソファのクッションの下に隠したんです。見つかるとやばいし、捨てられないし、買うんじゃなかったって思いました。」
ある日、学校から帰ったら、叔父が遊びに来ていて、クッションを枕に寝ていて、私ビックリして、クッションのあったところをみました。そしたら本が表向きになっていて、あのビンクの絵が…わーっておもって叔父をみたら、叔父がニヤッと笑ったんです。いやでした。あの顔をたまに思い出します。
D:○Report.D○
日記アプリには毎日かなり長文の書き込みがあります。
出だしからネガティブな感覚の洪水で、困惑しています。私と話す時は、日常生活を普通に送れるであろうレベルなのですが、文章の通りであれば、外出も厳しいでしょう。
C:【♪SOUND——爪で引っ掻く音だと思うんです。それか、ロープかも?ううん、なんでもないです】(手元の何かを爪で引っ掻いている)
A:📞Tel.A📞
先生!あの子が最近悪化しているように思います!
以前よりボーっとしているし、今あの、実家に帰っていて、それであの子、ずっと祖父母にキツくあたっていて、暴れたりするんです!なんでかずっとイライラしていて……私にはおとなしくて……
C:◎Case.C◎
違うんです、キョヒ、するときなんです、手や足がでるのは。
「たとえば、朝血が足りなくて本当に気分が悪いときに、いまじゃなくて良い頼み事を耳元でタガの外れた大声で何回も叫ばれるんです。やめて!と声を出すのが泣きそうなほど辛い。そう思ったとき、布団ごと蹴飛ばす想像が頭を走ります、と思ったら、もう蹴っているんです。わたしだってショックなんです。いいわけもできないくらい。喉の奥が勝手にしまって、ひらかなくて、口から舌がでてきます」
わたし、いざって時に、おさえられないんです。
とんでもない大声をだしてしまったり、持っていたものを壊してしまったり、手が出たりするんです。そういうのは必ず一瞬前に頭にイメージがあって、でもそれをみたときにはもうやってるんです。
まだ、外でそうなったことはありません。でもわたし、一人になったら外でも、大きな声が出たり、言いたくない言葉が出るんです。
やめたい。
D:○Report.D○
文章を書かせたのは効果が強すぎたようです。私と話す時も彼女の言葉の質が変わってきました。文章が話し言葉に侵食してきているように、流暢に、ぼんやりした目で話す時間が長くなりました。
昔のことをよく思い出すようです。ピンポイントに、恥ずかしかったことや嫌だった、ショックだったことがフラッシュバックして、気づいたら声が出ていたりする様子です。私の前でそうなったことはありませんが、実家ではかなりその状態が多かったようで、本人も疲れています。
A:📞Tel.A📞
実家から離れました。今はとてもおとなしいですが、まだ様子がおかしくて。刺激が原因なら、しばらく外出はやめさせようと思いますが、どうでしょう?……え?私の車でドライブするのは嬉しいようで、むしろついてきたがるんですが……
C:◎Case.C◎
「毎朝スムージーを作りますが、ミキサーのボタンを押す一瞬、いつも鳥肌がたちます。たぶん、いまからクラッシュするのがイチゴでも、金魚でも、脳みそでも、同じことだと思います。
あと、どろどろを舌が感じたとき、気持ち悪い想像をします。
肉が嫌いな理由にも似ています。」
D:【♪SOUND——何の音だろう?】(D,手元で音をたてる、その後満足するまで音を立て続ける)
C:◎Case.C◎
「ミンチが特に無理です。作られたときに紛れ込んだかもしれない、ちょっとした皮とか、あと寄生虫とか。機械からひりだされるときの汚ならしい音と見た目、に瞬時に想像がジャンプして、気持ち悪い。だって、ミンチがパックで売っているのなんか見たら、ウジの巣みたいだもん。肉の赤い色をみるだけでも気持ち悪い。焼いた後の肉でも、想像が勝手に赤かった頃に遡ってしまいます。
食べているとき、時々、噛む音が頭のなかでいように大きく響いて、噛むのが恥ずかしくなります。
なんでも、そんな感じなんです。」
D:○Report.D○
日記帳アプリは以前やめるように勧めたのですが、自主的に続けていたようで、今日申し訳なさそうに教えてくれました。
相変わらず長文で毎日記録されています。すべてネガティブな感覚ですが、描写が独特で美しく、生々しさが伝わってきます。ミクロな目線にズームイン、かと思えば壮大で抽象的、透明になったりします。小説のようですが、これが本当の感覚なのでしょうか。
C:◎Case.C◎
「ひそ…ひそ…」と小さい子の声がすると思ったら、隣の家のガスメーターがきしる音だったんです。
A:📞Tel.A📞
あの子と最近一緒に寝ています。おねしょやぐずりをしないだけで、他はまるきり小さい子に帰ってしまって、これって、よくあることなんですかね?私とてもなんだか、嫌な予感がしていて……夫ですか?まだ海外ですが……そういえば、夫に電話をかけているとあの子が邪魔するんです。
D:○Report.D○
日記アプリの更新は途切れません。
記述される感覚の特徴がわかってきました。連想です。ことばの意味・音の重なりで連想がジャンプしています。また、物の移り変わり、たとえば
C:◎Case.C◎
「桜なら咲いたら散るし、アイドルならいつか人気が落ちますよね。それを勝手に考えて憂鬱になるんです。連想が勝手に先の事や昔の事、汚くて気持ち悪いところを私に見せつけてくるんです。いま支持されている人でも、いつか失言をして、過去の悪いことが明るみにでて、失墜するんです。それを見るのが、嫌。」
A:📞Tel.A📞
家に帰ったら、もう……!あの子ですよ!テレビを壊されました。私の携帯はトイレから見つけました。
それ以外には壊していないようですけど、次なに壊すのかわからないじゃないですか……?わ、わたし、あの子が毎日、日記アプリに何時間もかけているのを見て、それ楽しいのって言っただけですよ!?
その前、言いました?ガスメーターを壊した時は、私があの子の本を本棚にいれておいただけなんです!片付けただけでしょ!?
はぁ、いいえ、……先生、あのぅ、私他の病院、というか他の先生に診てもらおうとおもっています……。だって先生のところに行きはじめてあの子……
D:○Report.D○
ふいに口を突いて出る言葉がある。なんだろう?明らかに自分のことばじゃない。
……あの子の日記!
あの子。会っていないけど、あの子の言葉がずっと私のまわりを漂っているような気がする。
日記アプリは相変わらず更新が続いている。どうしても気になって、遠隔でログインして閲覧できるようにしておいた。
D:○Case.D○
「あの子の文章はモザイクのような細かい情景の寄せ集めで、何時間見ても飽きません。私、ジグゾーパズル好きなんです。」
「あの子、いつか私のことを書くかもしれない。」
【♪SOUND——
A:ごはんよー!
C:はーい!】
D:○Case.D○
「どうしよう、肉を見ても、ポタージュを見ても、あの子の文章を思い出して食べられない。」
0:(全員、△△△まで手元で音を立てる)
D:ッ、s―。
D:聞いてくれましたか?
A:【♪SOUND——これ何の音ですか?】
D:聞いてくれましたか?
A:【♪SOUND——たぶん爪の音。】
D:聞いてくれましたか?
A:【♪SOUND——いや、違うかも。ガスメーターの音かな】
D:聞いてくれましたか?
A:【♪SOUND——ヘッドホンの、耳あての所がカチャカチャなるあの音だ!】
C:◎Case.C◎
見ないで!
△△△(ノイズ停止)
0:Cヘッドホンをおく
A:【♪SOUND——ヘッドホンが置かれた音です。】
C:ええっと、だから、
これは芋虫の背中の話です。
そう思って聞いてくれましたか?
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